リリカルポエム

歌唄

来世に宜しく


死んだら地獄に堕ちる そんな根拠もない確信を持って生きてきたから
お前らに悪魔だと言われた時に いよいよ死ぬ準備を始めるんだなあって思った
世界は分からないことばかりだった
自分の感情に名前もつけられなかった
甘いお菓子も 綺麗な花も 俺のものにしないと気が済まなかった 
この人生をやり直しても 同じ選択をするけれど 今度は絶対 俺が勝つ
今は出来ないけど 地獄じゃずっと手を握っててやる
この馬鹿げた世界を変えたって どうせ終わる 俺は死ぬしお前も多分死ぬ
でもいつか終わるなら それを終わらせるのはお前でいいと思ってた
俺はお前らが嫌いだった お前らも俺の事嫌いだったと思う
お前らのように成りたいとも お前らの誰かに成りたいとも思わなかった
俺は俺以外の誰にも成れないけれど 全部の世界線で お前とすれ違うのは俺だと思う
でも死んだら俺は地獄に堕ちるから お前とはもう二度と会えないな
お前がどうしたいかとか お前から俺がどう見えてたかとか どうでもよかった
この感情の名前を知っていても 俺はこの結末を選ぶよ
今日俺は 地獄に期待しながら死ぬ
笑いながら灰になる
あの日の来世は 今日だ

「俺の偏愛とお前の博愛、どっちの方が重いだろうな」

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