色香滴る外資系エリートに甘く溶かされて
5-2. 心も身体も甘く溶かされて
「———っ、あ————」
「—————玲奈、愛してる」
「——ぁあ、ん———私も、好きっ————」
激しい口づけをしながら、愛を囁き合う。体中が甘く痺れている。
春都は私を抱きかかえると寝室へ向かった。5年分の空白を埋めるようにキスを繰り返し、互いの想いを確かめ合う。
『今すぐに返事をする必要はないけど、いつか君の気持ちが決まったら教えて。今はただ、俺がそう思ってるって理解してくれればそれでいいから』
自分との未来を考えて欲しいと私に伝えた後、春都はそう言った。
私だって、あれからずっと彼のことを忘れられなかった。だから、答えはもう決まっているようなものだった。
でも、今はまだこのままでいいのかもしれない。彼の熱い舌に翻弄されながらそんなことを考える。これから少しずつ、彼に私の想いを伝えて……私がどれだけ彼に恋焦がれていたのか知ってもらいたい。私たちの間には会話も、ともに過ごした時間も、愛の営みも何もかもが足りていない。
もっと彼のことを好きになって、彼に好きになってもらって————そうしたら、結婚して欲しいと私から彼に伝えたい。もう二度と逃すつもりはない、なんて真剣な顔で言うくらいなんだから春都はきっと待ってくれる。
「————っは、あ!……玲奈、もう耐えられない」
「——んっ—————っ、あ!」
春都が自分のシャツを脱ぎ捨てる。彼の引き締まった上半身が目に入り、顔が熱くなる。たったそれだけで、これから彼に与えられる快感を想像してしまって身体が疼いた。
私の返事、ちゃんと待ってくれるのかな……この様子を見ているとちょっと疑わしくなってきた。そんなことを考えながらも今は目の前の幸せに溺れることにしたのだった。
***
そして、月曜日の朝。私たちは一緒に会社へ向かった。
さすがに春都と同じタイミングで会社に入るのは憚られる。私は一度コンビニに寄ってからオフィスに行くね、と電車の中で春都に言おうとしたタイミングでなんと三木課長を見つけてしまった。私の直属の上司である三木課長は40代半ばの柔和な印象のおじさまで、それでいて頼りになる素晴らしい上司なのだが今はお会いしたくなかった。冷や汗をかく私を見て、春都はニヤニヤしている。
「大丈夫、堂々としてればいいんだよ」
「いやいやいや…無理だって!」
誰かさんのせいで、今日も首元の隠れたブラウスを着ている私は春都を睨む。
結局、週末はずっと春都の家で過ごした。何度か帰ると言ったのだが、あれこれ理由をつけて引き止められてしまった。今思えば、買い物の時に私の服を何着か買っていた辺り、春都は最初からそうするつもりだったのだろう。
ずっと一緒にいて何をしていたのかというと………ご想像にお任せする。一緒に家事をしたり、映画を見たりと穏やかに過ごすこともあったのだが、ふと気がつくと春都が艶やかな雰囲気を醸し出しているのだ————しかも、毎回激しい。何度も意識を飛ばしてしまって、もうどれだけ身体を重ねたのか分からない。おかげで今も身体のあちこちに違和感がある。
「ほら、着いたよ。降りて降りて」
「えっ…ちょっと」
彼にそっと背中を押されて駅のホームに降りる。混雑しているとはいえ会社の近くでも平常運転な彼に心配になってきた。特に春都は立場上、クライアント先の女性に手を出したという話が公になると間違いなくヤバい。そう思って、彼に声を掛けようとしたところで————案の定、課長に見つかった。
「あれ、加賀谷さん。おはようございます」
「おはようございます、三木課長」
「今日もよろしくお願いしますね…って、逢坂さん?」
背の高い春都は人混みの中でも目を引く。課長は彼の近くにやって来てようやく私の存在に気づいたらしい。驚いた様子の課長を見て、春都は何てことないように話す。
「ああ、逢坂さんとは電車の中で一緒になったんですよ。先日ヒアリングさせていただいたばかりなので、つい話しかけてしまって」
「そうだったんですね。逢坂さん、おはよう」
「ええ、そうなんです。三木課長、おはようございます」
内心ハラハラしながら課長に挨拶をした。春都はすっかり仕事モードに切り替わったようで、薄っすらとした笑みを浮かべている。三木課長と今日の予定について淡々と話し始めた。私を熱い目で見つめていた週末の彼とは大違いだ。
そんなギャップにドキドキしながらも、私たちは会社へと向かったのだった。
「—————玲奈、愛してる」
「——ぁあ、ん———私も、好きっ————」
激しい口づけをしながら、愛を囁き合う。体中が甘く痺れている。
春都は私を抱きかかえると寝室へ向かった。5年分の空白を埋めるようにキスを繰り返し、互いの想いを確かめ合う。
『今すぐに返事をする必要はないけど、いつか君の気持ちが決まったら教えて。今はただ、俺がそう思ってるって理解してくれればそれでいいから』
自分との未来を考えて欲しいと私に伝えた後、春都はそう言った。
私だって、あれからずっと彼のことを忘れられなかった。だから、答えはもう決まっているようなものだった。
でも、今はまだこのままでいいのかもしれない。彼の熱い舌に翻弄されながらそんなことを考える。これから少しずつ、彼に私の想いを伝えて……私がどれだけ彼に恋焦がれていたのか知ってもらいたい。私たちの間には会話も、ともに過ごした時間も、愛の営みも何もかもが足りていない。
もっと彼のことを好きになって、彼に好きになってもらって————そうしたら、結婚して欲しいと私から彼に伝えたい。もう二度と逃すつもりはない、なんて真剣な顔で言うくらいなんだから春都はきっと待ってくれる。
「————っは、あ!……玲奈、もう耐えられない」
「——んっ—————っ、あ!」
春都が自分のシャツを脱ぎ捨てる。彼の引き締まった上半身が目に入り、顔が熱くなる。たったそれだけで、これから彼に与えられる快感を想像してしまって身体が疼いた。
私の返事、ちゃんと待ってくれるのかな……この様子を見ているとちょっと疑わしくなってきた。そんなことを考えながらも今は目の前の幸せに溺れることにしたのだった。
***
そして、月曜日の朝。私たちは一緒に会社へ向かった。
さすがに春都と同じタイミングで会社に入るのは憚られる。私は一度コンビニに寄ってからオフィスに行くね、と電車の中で春都に言おうとしたタイミングでなんと三木課長を見つけてしまった。私の直属の上司である三木課長は40代半ばの柔和な印象のおじさまで、それでいて頼りになる素晴らしい上司なのだが今はお会いしたくなかった。冷や汗をかく私を見て、春都はニヤニヤしている。
「大丈夫、堂々としてればいいんだよ」
「いやいやいや…無理だって!」
誰かさんのせいで、今日も首元の隠れたブラウスを着ている私は春都を睨む。
結局、週末はずっと春都の家で過ごした。何度か帰ると言ったのだが、あれこれ理由をつけて引き止められてしまった。今思えば、買い物の時に私の服を何着か買っていた辺り、春都は最初からそうするつもりだったのだろう。
ずっと一緒にいて何をしていたのかというと………ご想像にお任せする。一緒に家事をしたり、映画を見たりと穏やかに過ごすこともあったのだが、ふと気がつくと春都が艶やかな雰囲気を醸し出しているのだ————しかも、毎回激しい。何度も意識を飛ばしてしまって、もうどれだけ身体を重ねたのか分からない。おかげで今も身体のあちこちに違和感がある。
「ほら、着いたよ。降りて降りて」
「えっ…ちょっと」
彼にそっと背中を押されて駅のホームに降りる。混雑しているとはいえ会社の近くでも平常運転な彼に心配になってきた。特に春都は立場上、クライアント先の女性に手を出したという話が公になると間違いなくヤバい。そう思って、彼に声を掛けようとしたところで————案の定、課長に見つかった。
「あれ、加賀谷さん。おはようございます」
「おはようございます、三木課長」
「今日もよろしくお願いしますね…って、逢坂さん?」
背の高い春都は人混みの中でも目を引く。課長は彼の近くにやって来てようやく私の存在に気づいたらしい。驚いた様子の課長を見て、春都は何てことないように話す。
「ああ、逢坂さんとは電車の中で一緒になったんですよ。先日ヒアリングさせていただいたばかりなので、つい話しかけてしまって」
「そうだったんですね。逢坂さん、おはよう」
「ええ、そうなんです。三木課長、おはようございます」
内心ハラハラしながら課長に挨拶をした。春都はすっかり仕事モードに切り替わったようで、薄っすらとした笑みを浮かべている。三木課長と今日の予定について淡々と話し始めた。私を熱い目で見つめていた週末の彼とは大違いだ。
そんなギャップにドキドキしながらも、私たちは会社へと向かったのだった。
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