俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

御曹司とコスプレの女神【6】

「ご存知のようですね」

「せ、せ、芹奈ちゃんが、新城社長と!?」

「芹奈ちゃんがフランスに来てるんですか!?」

「はあ…」

 駿は、思っていた以上の反応に戸惑う。

「じゃあ、明日の仮装パーティーに参加すると?」

「まあ。そのつもりで来ましたので…」

「信じられない」

 感極まったような二人を見て、フランスでの芹奈人気を再確認した。

 浮かれている二人を落ち着かせて、今回芹を連れてきた一連の騒動を説明した。イベントのどこかで発表させてもらえたらと言うと、発表は最後にしてほしいと返事が返ってきた。

「芹奈ちゃんの結婚を知ったら、どれだけのファンが涙することか。最初に発表したらパーティーどころじゃなくなってしまう」

「でも、芹奈ちゃんが登場したら盛り上がること間違いなし。稗田さん、ありがとうございます」

 お礼を言われても困るが、新城堂の新商品発売が大きな話題になれば、会社にとってはかなりの利益になる。

 今から大成功の予感がした…

 スイートルームの二人が目覚めたのは、お昼を過ぎた頃。

「ん〜」悩ましい声と共に芹が起きた。

 芹の声と気配で、隣で寝ていた暁も目覚める。

「あ〜よく寝た」

「ホントに。もうお昼過ぎちゃってる」

「だな。これからどうする?観光に行くか?」

「う〜ん。人に見られるのが嫌だから、出来ればホテル内で済ませたい」

「ランチに行くか?」

「うん」

 二人は、ホテル内の個室のあるレストランに入り食事をした。

「観光はいいのか?」

「うん…なんかごめんね」

「芹のせいじゃないだろう。きっと駿が戻ってきたら、イベント関係者に喜ばれたって話になるぞ」

 さすが経営者、周りの反応まで正確に予想している。

「まさか自分がフランスでも知られているなんて、びっくりで…」

「昔ならあり得なかっただろうが、これだけSNSが使われるようになったら、ボタンひとつで世界に繋がる。チャンスとピンチが紙一重だ。もし間違った使い方をしたら、世界中に恥を晒すし批判される」

 会社の経営者の立場で、日頃からSNSとの向き合い方を徹底している。

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