俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

ピンチを救う女神【6】

「はい。私で良ければ」

「何かあったら連絡する」

「うん。無理しないでね」

「ああ。行ってくる」

 帰って来て一瞬で行ってしまった。

 芹は、暁の役に立てるならと、その後朝方までゲームを続けた。

 なかなかに深刻な状況の気がする…

 一方、暁の招集で退社後集められたのが、新城堂のソフトの開発担当から宣伝担当まで、役職者達だ。プラスでシンジョーテックの社長の名取。

 今までにない、夜遅くの招集に嫌な予感しかしない…

「時間がないので本題に入る」

「「「はい」」」

「一ヶ月後に迫った、我社の人気ソフトの第三弾だが、バグが見つかった」

「「「ええっ!?」」」「まさかっ」

「そのまさかだ。しかも、家庭用モニターサイズでは、わからない。大画面で映さないと…だからといって、このまま販売するわけにはいかない」

「製造は半分ほどまで進んでます」

「はい。私のところにも報告が上がってます。先程、工場に明日朝からの製造をストップしてもらえるように連絡はしました」

 秘書の稗田からの報告に、耳を傾けみんな渋い顔をする。

「ここで話し合っていても解決しない。場所を移そう」

 暁の一言で、向かうは新城堂の45階だ。

 ここは、入口に警備員が二十四時間必ず一人は常駐し、新城堂でも最もセキュリティの厳しいフロアだ。

 更に、中に入る権限を持つ者も限られていて、一人ずつ認証が必要だ。

 権限を持たない者が入るには、毎回申請が必要になるほどの物々しいフロアなのだ。

 今回集められたメンバーは、すでに登録された者ばかり。それほどまでに、緊迫した事態が起こっている。

 中には、新城堂の全ての情報が集約されいるといってもいい。開発中のゲーム機からゲームソフト、日本に留まらず世界的に販売しているゲーム全般から、人事情報まで新城堂の中枢なのだ。

 更には暁の仕事部屋とは、規模が桁違いのゲームの試作が出来る部屋まである。

 実は、暁の部屋のゲーム機とはオンラインで繋がっていて、暁の部屋でプレイしている画面を映し出す事が出来る。

「見てくれ」

 暁の合図で巨大モニターに映し出された、芹がプレイしている画面。

「「「これはっ!」」」

 驚きの声が上がる。

「俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く