俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

過去のライバル【5】

「こいつとは、大学は違ったが同じサークルに所属してたんだ」

「えっ?お兄ちゃんテニスしてたよね?」

「ああ。テニスのサークルな。サークルと言ってもみんな結構本気に練習してて、こいつともよく試合をした」

「そうなんだ…で?」

「ああ。テニスも上手いしなにやらしてもパーフェクトだ。しかもこの容姿で、新城堂の御曹司。女が後を立たず寄ってくるんだが、まあ酷い態度で」

「態度って?」

「話しかけられても基本無視。キャアキャア言われたら煩いと一喝してる。いつも一緒にいた稗田くんがいなかったら、こいつは刺されててもおかしくない」

「中途半端な優しさを見せるよりいいでしょう?」

「でも、言い方ってもんはある」

「確かに。あの頃は、とにかく容姿と肩書で寄ってくる女性に辟易してたんです。断っても断っても、次から次へと…」

「その大変さはわからなくもないが、あの時のお前を見ていた俺が、大事な妹をハイそうですかと任せられると思うか?」

「これ以上言い訳するつもりはありませんが、以前の俺ではなくこれからの俺を見てもらえませんか?」

「今は新城堂で何をしてるんだ?」

「はい。社長をしております」

「ええっ、玉の輿じゃない〜」

 ここで母が目をキラキラさせて口を挟んでくる。

「母さん、相手が金持ちってだけでは、幸せになれないだろう?」

「リアル廉くんみたいって思っただけじゃない…」まだ二次元と混同しているようだ。

「父さんはどう思う?」

「俺か?俺は、どんな相手でも芹が幸せになってくれたら問題ない。ただ、今まで男っ気が全くなかったのに、相手を連れてきたと思ったら同棲と聞いて驚いてはいる」

「そりゃそうだ。驚くのが普通だ。芹の男性の基準は今まで二次元だったんだ。それが急に男を連れてきて、しかも新城暁だ。警戒するのは当然だろう?可愛い妹が泣くことになるかもしれない」

「兄として当然の意見だと思いますが、俺は芹を愛してるんです!」

 暁の宣言に、母は目をハートに、父はポカンと、兄は眉間のシワを更に深くする。

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コメント

  • ノベルバユーザー597790

    酷い態度かも?ですけど、かえっていいと思いますが。。。寄ってくる煩い女達とチャラチャラ遊ぶ男よりずっとマシだと。

    1
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