俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

ダブルストーカーの行方【7】

 のんびりしていたいが仕事は待ってはくれない。

「シャワー浴びてくる」

「うん」

 芹は、その間にすぐに食べられるように準備をし、自分の出社する準備も整える。

 シャワーを浴び、ピシッとスーツを着た暁は一気に雰囲気が変わる。廉くんに似ている姿に見惚れる。暁のマンションにお世話になってから、ハピカレを開く時間が極端に減ってしまった。それだけ、リアルが充実している証拠だろう。芹は、心の中で何度『旬くんごめんね』と謝ったことだろう。

 完璧な社長様の姿で座った暁の向かいに芹も腰掛ける。

「「いただきます」」

 コーヒーの香りが漂い幸せな朝のひととき。

「芹のマンションだけど解約してここに引っ越しするから」

「えっ?」

「昨日の女もだが、芹の方は不特定多数で危なすぎる」

「…ここに引っ越すって図々しくない?」

「俺がここに住んでほしいんだ。離れていたら心配で休まらない」

「ご両親とかに反対されたりは…」

 御曹司の家庭事情がわからないので不安になる。

「うちは、俺のことは諦めてるから、もし芹を連れて帰ったら大歓迎だよ」

「そうなの?」

「心配なら駿に聞いたらいい」

「大丈夫ならいいの」

「芹こそ、男と同棲するって言ったら反対されるか?」

「う〜ん。彼氏すらいなかったから、どんな反応なのか予想できない」

「殴られる覚悟で挑まないとな」

「それは大丈夫だと思うけど…」

 兄と父の反応はどうだろうか。母はイケメン好きで、実は芹の影響を受けハピカレをしているのだ。特に廉くんファンなので発狂しそうだ。

「事後報告になるが先に引っ越しをしよう。今日にでも、仕事の後に一度マンションに行くか?」

「いいの?」

「ああ。絶対ひとりでは近づかないように」

 コスプレの衣装だけは、引っ越し業者が入る前に自分で運びたいと思っていた。


 

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