TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、夏を楽しむ5

「紫雨音!プール日でしょ!!」
女神の叫びで目が覚めた。
「あぁん?」
「ですからプール日でしょ」
「あ……」
「ほら、用意は机にありますので」
「はぁー、プールが……」
「一昨日川に入ったでしょ?水が怖いとか言うんじゃないですよ?」
「言ってねぇよ。俺はただ小さい子の水着!これが周りにうじゃうじゃ居ると思うともはやエデン!これは天国!し───────」
わっっ?!センシティブ!!!!!
「センシティブですよ?」
「だぁぁ!!まぁ何だ、俺のナニが荒ぶるというか。白い目で見られるだろ」
「ないでしょ?早く食べて行きなさい」
「ごめんなさい……」
ぱっぱと飯を済ませて家を出た。
「あー、そうか分団登校じゃねぇか」
待ち合わせ場所に居たが誰も来なくて直ぐに気づいた。
クマゼミの暑ぐるしい声の中、学校に向かってると上野目しゅりを見つけた
「お、しゅりちゃん?だっけかおはよ」
「やぁ君は先輩の万年先輩じゃないか」
「先輩ってそんな、で?どうしたんだ」
「ふむ、先輩は知らないか。低学年は合同で水泳を行うのだよ」
「って事は1、2、3か?」
「いや、1,2年だけだよ。3と4は中学年」
「にしても、んな人数入るのか?」
「だって50メートルですよ」
「へ?」
「我にも分からぬが実は地下に施設が隠されててプールが割れてとか?!」
「なわけなわけ、まぁそんなけ広いなら2学年合同とか出来るわけか」
「うん、1年2年でペア作って学年の垣根を無くすって意味もあるって、はっ?!そう!闇の組織がこうして上下関係を壊す事により社会に出て困るように」
「お、おうよ」
学校についてクラスに入るとみんながワチャワチャしてた
「可愛いよね!これさ、おばぁちゃんが作ってくれたんだー」
「お、可愛いねぇー」
色んな人がお土産を上げたり買ってきたアクセサリーを見せびらかしていた。そんな最中あのモンスターが来た。
「君たち、随分と楽しそうだねぇ……」
騒いでいたみんなが席にもどる
「夏休みか……先生もね…………」
「おい、誰かアレどうにかしろヒソヒソ」
「お、お前どうにかしろよヒソヒソ」
「先生もね、楽しかったよ。実家の、生まれ育った地元の復興を名目に四六時中走り回ってねぇ……」
「あぁ────────────────」
先生が無音の咆哮をする。
正確にはセンシティブ指定されたようだ
「相変わらずセンシティブな先生だな。この学校大丈夫かよ」
「はーい、では皆さん着替えてくださいね」
ケロッと顔が戻って外に出ていく先生。
みんなタオルを羽織って着替えを始めた。
「そうか、低学年は分けないのか。まぁいっか」
たまたまか知らないが横でスタンバってた美乃に協力してもらい初めてのスク水を換装した。
みんな着替え終わってザワついてるところに先生がやってきた。
「よーし!お前ら!廊下出て列をなせ!行くぞ!」
目の焦点があってないあたりヤッケになってるだろうな……
プールに近付くにつれて、聞きなれたあの器具の名前が飛び交う
「地獄のシャワーだ、見ろ。1年生の悲鳴が聞こえる」
「ふぅ、まぁ俺クラスなら?この程度余裕だけどね」
地獄のシャワー、意味があるのか無いのか分からないがとにかく地獄のシャワーである。
上から降り注ぐシャワーを直接喰らえば冷え冷えプラスびしょ濡れで寒く、横の当たらないとこに逃げると呼吸が苦しいプラス濡れてないという事でもう一度やり直し。
「紫雨音ちゃん!一緒に地獄に行こうね!」
「あ、あぁ」
何時代の心中誘いだよ。
「はーい、次」
俺らの番が来た。
「んじゃ、さっきは4番だったから。1番な」
よく分からないことを先生が言い出した。
「せーの」
みんなが校歌を歌い出した。
そうか、そうだったな校歌を歌ってる間、浴び続けるって地獄が。
「万年は歌わなくていいぞ、まだわからんだろ」
「あ、ひゃい……それより冷たくて死にそー」
「はっはっは!!見物だよ、滑稽だァ」
誰かこいつを氷風呂に沈めてやれ
「うぅ……寒かったね紫雨音ちゃん」
「だな、久々だわ」
「2人とも寒いなら私においで」
美乃が両手を広げた
姫が飛び込む。
「よーしよし」
「さーて、並ぶか」
みんなが整列終了した頃、先生達も地獄のシャワーを終え、真っ青で現れた。
「い、いいか。俺らも浴びた。同じだ、なんなら校歌1から4まで……くしゅん!」
体育系の先生が特に死にかけのようだ。
「よーし!お前ら、それぞれペア作れ」
代わりにうちのバカ、じゃなくて担任が指揮を執っていた。
「いいかー?1年と2年だぞ。今日は入れない奴とかなんやかんやでぴったり合うはずだ。いいか?1年は黄色、2年は白のキャップだ。まぁ分かるだろうが反対側な?」
1年生はプールを挟んだ反対側に鎮座していた。
「よーし、プールを通らずに行けよ」
みんながそれぞれ話しかけに行ったりした。主に分団とかで決めてるようだ。
「俺はどうしよっかな」
「先輩は決めたんですか」
「お、しゅりちゃんか」
「しゅりでいいですよ」
「なら俺も紫雨音でいいぞ」
「では、改めて紫雨音先輩はペアを作りましたか?」
「まだ決めてないな」
「では決まりですね」
「ん?あぁ」
ペアを作ったせいかみんなまばらに散っていた。
「よーし、準備運動!」
みんなが適当に広がって先生の合図にそって進めてく。
「いちにーさんし!」
「「「「「「ごーろくしちはち!」」」」」」
低学年なのもあってか威勢がいい。
「はい、深呼吸してー。すってー吐いてー」
「ピッピ!そこ、まだ入らない」
準備運動が終わってすぐ入ろうとする系も懐かしきや
「まずはペアで1年生の方が前半のクラスから。つまり相方が1組から3組までの人達から入ってね」
「先輩、我はファーストの1です。お先ですよ」
「ん?そうかよーし入るぞ」
ゆっくりと入水した。口元が水に浸かるほど深かった
「先輩、こっちです。ここなら浅いですよ」
「お、助かるぞ」
しゅりに連れられ浅瀬に行く。
プールは浅いとこと深いとこがあるようだ
「よーし、次後半な」
全員入ってもまだスペースがある。相当広いのか俺らが小さいのか
「よーし、まずは水慣れの為に洗濯機!時計回りなー」
みんなが歩き始めた。
「せんたっき?」
「先輩意外と知識が無いようで、洗濯機とはその名の通りクルクルみんなが回って渦を作るのです」
「あー、あれか思い出した」
「ほら、行きましょ」
最初は進みが悪かったが段々と何もしなくても進むようになってきた
「よーし、いい感じだ。次!逆回転!」
みんなくるっと向きを変えて歩き出すがなかなか進まない
「これは、かなり」
「おっと、しゅり流されんなよ」
俺より小さいしゅりが深瀬の所で流されそうになったので受け止めた。
「不覚、でもありがとう……」
「よし、俺の背中捕まっとけ、いくぞ!!」
しゅりを背負って進んで直ぐに壁に当たった。
「先輩……大丈夫ですか?我の力が及ばぬばかりに」
「大丈夫、よーし!」
また、進む方向に水流がなる。
「よーし、一旦水から出ろー」
先生の指示でみんな出ていく。
「次は潜水の練習だ」
先生達が大量の玩具を水に投げ入れた
「いいか?取った数じゃない、潜水の練習だ。くれぐれも競って怪我とかをするなよ!」
先生の注意喚起が終わると同時にみんなが入りだした。
「しゅり、行くか」
「あぁ、我の力で全て取り除いてやろうぞ」
人数が多いのもありなんだかんだ直ぐに終わってしまった。
「今から10分休憩をとる。それが終わったら自由時間だ。25m25mで分けるから遊びたいやつは入口側、泳ぎたいヤツらは奥側にいけよー」
陸に上がって1部1年生をほっぽって話している2年生集団が居て叱られたりと懐かしい光景ばっかだった。
「紫雨音先輩的にこの後どうしますか?」
「こう言ったことは歳下の意見を尊重するぞ」
「なら、遊戯をしましょう」
「おう、何するんだ?」
「それはですね」
「あ、紫雨音ちゃん!ようやく見つけた!」
「初めまして宇佐うさ 美羽みはね っていいます。あっ!上野目さーん!」
姫と1年生の子がこっちに来た。1年生の子はしゅりと知り合いのようだった
「あ、あぁしゅりの知り合いか?」
「同じクラス。接点としてはコード1」
「つまり?」
「隣の席」
「で、美羽ちゃんだっけ?よろしくな。万年紫雨音だ」
「は、はい!よろしくお願いします」
何この子、すごいスポーツ系後輩な子は
自己紹介をして直ぐにしゅりの横でしゅりに絡み始めた
「認識同級生、後ろに行かず前に行くべき」
「そ、そんなぁー」
「おっ、癒しの匂い。2人とも楽しそうだね」
「美乃、とそっちは1年生か」
「美乃ちゃんも捕獲!」
「ほら、寿音ひさね ちゃん。さっき言ってた姫ちゃんと紫雨音ちゃんだよ?挨拶は?」
「よろしく……お願いします、私は……その、人見知りというか……喋るの下手で」
「大丈夫だよ、寿音ちゃん。ほら私も」
宇佐さんが寿音ちゃんとやらを慰める
「あ、ありがと。私は福音ふくね 寿音ひさね です……その!先輩方!よろしくです!!」
「おうよ」
一通り自己紹介を終えた。
どうやら1年生はみんな同じクラスの友達だったようだ。なんという偶然。
「で、さっき遮られたけどしゅりは何したかったんだ?」
「そ、その我の所望するものは!鬼ごっこです!贄が増えて喜んでたとこです」
「お、ありだな」
「しゅりちゃんが提案したなら……」
「わ、私泳げません?!」
「そうですね、泳げない人を無理にってのは」
「だな、なにか。あっ、ボールあるだろ?みんなで落とさないように上にこー、飛ばして、こーするのは?水に着いたら負けてきな」
「あり!」
「自信ないけど……」
「休憩時間終わり!はーい!自由時間だ!存分に楽しめ!」
「よし、ボール取ってくるわ!」
ボールを拾得して水の中に飛び込んだ
「そこの2年生!飛び込まない!」
みんなで円を作ってバレー的な遊びをしていた。
「うーしほれ!」
「はい!」
「我、顕現せよ力のうふぇっ?!」
ふざけたしゅりにボールが当たる
「大丈夫か?」
「我、損失あり。でも大丈夫!反撃チャンスあり」
「すいませーん、ボール取ってくれ」
白キャップの男、2年生か。
「我に攻撃するとは、下賎なたみよ!うりゃ!」
しゅりが謎テンションでボールを投げた。
思ったより威力が強かったのか当たった2年生が顔面ヒットからのひっくり返って水にじゃぼーん!と音を立てた。そのままボールが審判をしていた先生の頭に落ちて先生(担任)が水の中に落ち、てんやわんやの騒ぎになった。
そんなこんなでプールは終わり、職員室に僕ら6人とボール鬼をしていた男子生徒8人が召喚されていた。
ボール鬼は禁止と授業の時から言われていたにも関わらずやっていたようで向こうはかなり叱られていた。
「はぁ、えっと?上野目だったか。悪意が無いのはわかったけどな、いくらなんでもあの威力はやり過ぎだろ。聞いた話だとソフトボール投げ69メートルって」
「まぁ我は力のセーブが効かないからな」
「まぁそんな人が威力セーブせずにボール投げたらどうなるか分かるよな」
「ふっ、では先生。反撃してはいけないと」
「いや、すんのはいいが。私に当てるな!」
「「「「そこかよ……」」」」
「とりあえず大事にならずに済んだのは幸いだったな」
「また我に挑む奴がムグムグ」
「せんせー、こいつも反省してるんで」
「上野目、プール掃除か草むしりどっちがいい?」
「プール掃除」
「よし、ならあっちのダンシーズは草むしりだな、校内中の。まぁ明日でも明後日でもどっちでもいい。先生たちは居るからな」
「ふっ、我の力さえあればあの程度のプール。明日にでもまっさらにしてやろうぞ」
「まぁってことだ。以上解散」
職員室を後にした。
「しっかし災難だったなー」
「上野目さん、私も手伝うよ!」
明日9時からみんなでプール掃除をする事になった。
まぁ元と言えば男子達が悪いのだが、あいつらは炎天下で草むしり。
「うっし!今日の午後はみんなでかきごーりでも食べに行くか!」
「「「「おぉー!」」」」「お、おー」



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