TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、面倒ごとを押し付けられる

あぁ、また学校が始まったな。
「行ってくるぞ」
「えぇ行ってらっしゃい」
集合場所につくともうみんな居た
「みんな早いな」
「家に親がいないから早めに出るんだよ」
「俺もそんなところかな」
「さぁ行こうか」
ゆったりわいわいしながら歩きだす。
「土日どこか行った?」
「僕は買い物に連れてかれたよ」
「私は映画館で見たい映画を見たかな」
「それより自己紹介だろ?」
枝尾だっけか、ごっついのが手を出しながら挨拶をしてきた
「枝尾たけみ、5年三組だ。困ったら行ってくれ。高校生とも喧嘩に勝ってるでな」
ガハハハッと豪快に笑う。
六年生と思ってたが五年か、この年齢でこのガタイだとそのうち特攻隊長になりそうだな
「こらっ!紫雨音ちゃん怖がってるでしょ!!」
「え、そんなぁ……」
「まぁ見ての通り残念番長なたけみくんよ。そんで私はたけみ君の幼馴染の嶺石うるみ。よろしくね」
「あ、あぁ」
「僕は三年生の四宮はくし、伯爵の伯にってわからないか。とりあえずよろしく」
「あぁよろしくな」
「我は上野目しゅり。前は言えなかったが君からは異様な気配がする」
「よろしくな」
計四人の自己紹介が終わり俺に回ってくる
「万年、万年紫雨音だ。よろしくな」
「ほんとはもう一人いるんだけどね。いじめのせいで来れないらしくって」
「そうか、昔はなかったんだがな」
「昔?」
「あぁ、俺がガキの。いや親から聞いた」
「ええ、紫雨音ちゃんはなんというかしゅりちゃんと仲良くできそうね」
「そうね、私としても話したいわね」
「あ、あぁ仲よくしような」
「今度うちに来るといい」
中学二年生特有の方が小学校にいるとは……
なんだかんだ話していると時間がすぐ飛ぶ。
「もう着いたか。あっという間だな」
「じゃぁ、みんなまた明日ね」
ばらばらと各々の下駄箱へ向かう。
「とんとん、そこのお方」
「なんだ、姫か」
「ばれてしまったか」
「姫もいま来たところ?」
「うん、そうだよー」
「じゃぁ一緒に教室行くか」
「うん、行こうか」
「授業ってさ、正直どうなんだ」
「うーんわかんないけど毎日聞いてるって感じかな」
「大丈夫かよ!!」
「うん。美乃ちゃんが宿題とか出ると家に呼んでくれて勉強会するから」
「まじかーテストとかバックレねぇのか?」
「そんなことしたら怒られるよ」
「そんなものなんかね」
「紫雨音ちゃんはどう?前の学校とかの話も聞きたいな」
「もう話したろ、まぁ勉強は因数分解っていうやばいのとかまでなら余裕だな」
「やっぱすごい!!」
「そんなに褒めるなって」
廊下を抜け扉を開ける
「おはよー!!」
姫が元気よく挨拶をかわし俺が後ろから見える範囲の人に手を振る
「やっほー!!休日何してた?」
わらわらと人が集まり休日何してた会議が始まる
「俺はゲームしてた!!」から「寝ていた」まで豊富にそろっている
「ねぇ知ってる?金上ビンボーになったらしいよ」
しれっと誰かが爆弾発言をする
それまでの談義をやめみんなそっちのネタに食いつく
「あいつうざかったからね」
「せいせいするよ。調子乗ってたし天罰じゃね?」
そんななか俺が付け狙われていた事を知る数人がよかったねとくる
「あぁ、因果応報だな」
「今日も威張り散らすのかな?」
「どーせ金なくても変わらないよ」
金上が登校してきた
「やぁ諸君!休日はどうだったかね」
「きたよ。お前ビンボーだろ?もう偉そうに喋んなよ」
わーぎゃー騒がれる。
「な、なんだ!調子に乗るなよ!僕の親は大企業だぞ!」
「潰れたって聞いたぞ!!」
「お前が威張ってるせいって聞いたぞ!!」
「お、おまえら落ち着けよ」
「ハニー!!庇ってくれるのか?」
「うるせぇ、あぁ。まぁお前ら落ち着け。こいつは頭がおかしいが実害は少ないだろ?ほかっとけばいいんだよ」
「ま、まぁ紫雨音ちゃんが言うなら」
数人は引いたがまだ罵声は続く。
きもい奴ではあるが関係のない奴らが偉そうに被害者ぶるほうがよっぽどキモイ
「おーい、お前ら騒がしいぞ。もうすぐ授業の時間だ」
先生が来て場に静寂が訪れる。
金上がやりきれない気持ちになったのか泣いて飛び出す
「はぁ、おまえら。気持ちは先生にもわかる。私も仕事が教職じゃなけりぁぶん殴ってたかもしれん。だがな、世の中こんなもんだ。すこしくらい寛大な気持ちを持て」
「で、でも」
「はぁ、おーいそこで突っ立てるお前らも席付け、少し早いが。一時間目を始めるぞ。ちょうどいい課題だ、道徳。タイムリーでよかったな、覚えやすいぞまったく」
出席を取り終えて即先生が切り出す
「教科書しまっていいぞ。で、今回は他人についてだ」
「他人って友達じゃない人とか?たとえば金上みたいな」
少し笑いが生まれるが先生があきれながら促す
「いいか?他人とは親だろうが何だろうがすべてだ。自分じゃない奴は他人だ」
今度は先生が笑った
「いいか?今でも数年後笑ってるやつらが勝者ではない。死ぬときに満足してるかどうかだ。今人を笑う暇があれば他にすることがあるだろ」
「まずは、クラスの問題児金上についてだが。あいつが威張ってるのは知ってる人おおいだろ?」
「ほんとうざいよね!」「わかるわ」
最近のガキはやたらネットとかでもウザがらみとおもったがそういった背景があってのこの惨事か。
「じゃぁ、なぜああするのかわかるやつはいるか?」
「おかねあるって自慢したいから?」
「そうか。お前らの中で何かして褒めてくれる人っているか?些細なことでもいい、身近にいるか?」
みんな親や兄弟、祖父などの親近者を例に挙げようとする。
「だろ?これは言うか迷ったが、相談主がいいといったからいうが金上は褒められたことがないそうだ。まぁそれがなんだって話だが、やはり褒められないと誰でもいいから誉めてくれと、その感情から、だれか見てくれってなってくんだ。わかるか?」
「かなり難しい話だ。正直私も途中から何言ってんのか理解できんくなってきた。だが真意は伝わったと思う。だからこの時間はグループを作ってそれぞれのいいところ探しをしてもらう」
「悪いところを探すなら幼稚園児にもできるけどいいところを探すのってかなり難しいんだぞ?自分のいいところを恥ずかしさで隠してしまう人だっている。ちなみに人のいいところを見れる人間はモテるぞ」
その言葉を皮切りに机を動かしてグループが構成される
「で、いいとこ探しといったがまずは、ここにいないが金上のいいところでも探すか」
俺の班は美乃、姫、金上、鴇田、咲花の六人だ
「うーん!敵さえほめる流石紫雨音ちゃん」
「ほめてもなにもでねぇぞ」
「まず彼のいいところですか……お金があるってことですかね」
「美乃っ!それはっくくっ……違うぞ」
「あら?違うの?」
「お金がない奴は悪い奴みたいになるだろ?」
「あ、そうね」
「つまり逆にすると悪くなるところ、その人にないとむかついたりする要素がいいところですかね」
「そそ!鴇田流石だわ!無駄に眼鏡だけある」
「べ、別にそこまででは」
「咲花君はどう考える?」
「そうだな、俺は金上と腐れ縁だからなぁ。悪い面があっても憎めない奴って感覚しかないかな」
「そうか、俺的な考えを言うがアイツのいいところはいい風に考えれるところだと思うな。うざったいがああすることで自分への心的ダメージを軽減してってこれは防衛反応じゃねぇか」
「よくわからないけどそうなの?」
「あ!金上君給食残さないよ?」
「おぉそれだ!」
「そういえばテストの点毎回百点だったような」
「先生へのあいさつも良くしてるな」
「なんだかんだ律儀な奴じゃん」
「あと行動力もすごいですね」
「まぁやたら女子にきもく付きまとったりお金自慢がひどかったけどね」
「まぁ今はそこ触れないで」
なんだかんだいい奴らしかいないのかすんなりと進んだ
「んで?誰のいいところ行く?」
「次は紫雨音ちゃんね!!」
「え、まぁいいが」
「まずはかわいい!!」
「身体的要素を入れたらダメだろ」
「無駄に賢いとか?」
「無駄付けたら意味ねぇだろ」
「友達が多いとかは?」
「あぁそれもありだな。おれにゃ感覚ないが周りから見て思うならそれも一つの評価だ」
「あとは客観視ですかね、そうして自分事も他人ごとのように考えれるのですから」
「鴇田、おまえもだな」
「へ?僕はそ、そんなこと」
「あとかっこいいかな!」
「なんだその特徴は」
「だって姫的には王子様来たっておもったもん」
「確かに少し男勝りよね」
「ですね、そこは悪いところといいたいところですが、ジェンダーレスの時代いいことだと思いますよ」
「だなー、うちの姉ちゃんもそんな感じだし」
「お前ら好き勝手いって!!まったくだ。ほら次美乃な?」
「美乃はやっぱお母さん力かな」
「それは包容力っていうんだぞ」
「そうですね、芦屋さんはだれにでも優しいところですかね」
「俺もそうおもうぞ!よく勉強教えてもらってるし」
「だなー美乃は転校生の俺でもわかるがこのクラスのお母さんって感じだな!どこぞの酒肴先生と変わってほしいくらいだぜ」
「万年さん?後で職員室来ましょうか?お話があるので」
通りかかった先生に睨まれた
「ひっ」
「ご愁傷様」
「次は姫のいいところ言って!」
「そうだな、明るいってところかな」
「だな、逆にほかって無くね?」
「ひどい!!!」
「あとは見てて飽きないとか?」
「それも悪口じゃない???!!」
「結論、姫はいるだけで回りを明るくできるやつてことだぞ?いいことじゃないか」
「まとめるとなんかすごい!!」
結局ここでチャイムが鳴り、みんなのをやる前に授業が終わってしまった。
「はい、みなさんは何個見つけてあげましたか?また何個見つけてもらいましたか?次に時間の前に少し聞いてみますね。それと万年さん後で職員室来てくださいね?女性力のないゴミ先生で悪かったですね」
「は、はい……」
そのまま先生に連行された。だが職員室ではなく保健室だった。
「あの?先生なんか部屋間違えてません?」
「いえ、ここです。ほんとは私への暴言について六時間ほど語りたいですが今回は要件が違うので」
この先生毎回この感じならいい先生なんだろうがな
「さぁはいってください」
「お邪魔します」
入ると奥に一つカーテン手前にカーテンの無いベットが、そのベットに一人座っていた
「や、やぁ万年さん」
何気にこいつに名字で呼ばれるの初じゃね?とか思っていると先生が話を始めた
「金上、今回は被害者だったが。普段はお前が付きまとってた万年がこんな気持ちだったかもしれねぇぞ」
「はい……」
「で、なんで俺が呼ばれたんだ?」
「金上が謝りたいってよ」
「そうか」
「あ、あぁごめんよ。まさかそんなに思い詰めていたなんて」
「あん?別にそこまで気にしてねぇぞ。まぁなんだ、コバエみたいな感じだ」
「まぁといったことだ、金上もすぐには無理だが少しづつ変わっていきたいと言っている。だからってわけじゃないが、謎に賢い万年ならわかるよな?」
「あぁ、わかったよ」
「ほんとうかい?!」
「あぁだから泣くな!近寄るな」
「はぁーこれで一つ解決だな。大人側ってのも大変なんだぞ。たっく、いいか?今はまだ先生がしりぬぐいできるが今後できない時期もやってくる。その時までにしっかりとは言わないが大人になれよ?」
わしゃわしゃと俺と金上の頭を撫でまわす
「どう?」
金上が涙を拭いて出て行ったあと先生が聞いてきた
「どうってなにが」
「先生かっこよかっただろ?」
「あ?なにいってんだ」
「いや、実はなこの学校きて抱えたクラスが問題起こすの4回目でな。そろそろやばいなってなってたんだが、今回何とか乗り切れたろ?」
「だろって俺は知らん」
「はっはは、万年。生徒にこんなの頼むのは悪いと思うが聞いてしまったからには共犯だ。事件が起こらないようにするのを手伝ってくれないか?」
「いや、なんでだよ」
「ヒヤリハットさ、小さい火種でも消さないと大火に変わる。賢い万年なら意味が分かると思うけど、わからなかったら親に聞くといい」
「はぁ、わかったよ」
「あと余談だけど先生の結婚相手を探す仕事とかも請け負ってくれたりしないかな?」
「するかあほが!!この────」
センシティブうぅぅ!!!
「ん?それもいいって?流石期待してるよ!!」
ルンルンで出ていく先生を、色々な感情が入り混じりすぎてすべてを超越した憐みの目を向けるしかなかった











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