嘘と微熱〜甘美な一夜から始まる溺愛御曹司の愛執〜
二章 絡みゆく想い/三、あなたの温もり【3】
「んっ……」
身体が小さく震えると、オミくんが唇を離した。
「この間も思ったけど、茉莉花って敏感だよね。色々教え甲斐がありそうだな」
恐らく、前半は私に、後半は独り言だったんだと思う。
けれど、その言葉を深読みしてしまい、頬がよりいっそう熱を持つ。
なにを教えられるのかと想像すると、下肢が勝手に戦慄いた。
そんな私の反応に、彼が苦笑を零す。
「素直すぎて嫌になるよ」
オミくんはため息交じりに吐き捨て、無防備になった私の肩口に唇を落とした。
うんざりしたような言い方に聞こえたのは、気のせいだっただろうか。
考えたいのに、溶け始めている思考は使い物にならない。心は目の前にいる彼に夢中で、身体は与えられる感覚を追うことに必死だった。
肩にキスをした唇が上に向かい、首筋を這う。ときおり舌でたどられ、かと思えば唇で撫でられる。
肌を軽く吸われて、壊れ物を扱うようにくちづけをして。労わりを込めた優しさと少しの激しさが、私の肌を丁寧に愛でていく。
ラベンダーカラーのワンピースの上半身はシンプルなデザインだけれど、Aラインのスカート部分には小花があしらわれ、前でリボンを結ぶようになっている。
オミくんはじれったそうにリボンを解き、ワンピースを下げていく。上半身は下着だけ残され、中途半端に脱がされた服がウエストのあたりに残った。
身動ぎしていたせいか、下半身は太ももまであらわになっている。
それに気づいて手を伸ばした私よりも早く、彼が内ももに触れてくる。薄いストッキング一枚越しの感覚に、背筋がゾクリと粟立った。
この先になにがあるのかを、身体はもう知っている。微熱交じりの吐息が零れるたびに、まるで期待を募らせていくようだった。
太ももを這う手が大胆になり、それに合わせてもう片方の手がストッキングを剥いでしまう。唇は鎖骨をたどって膨らみに向かい、そのまま谷間にくちづけた。
オミくんの手はとても器用で、私が彼の愛撫に惑わされているうちに衣服を奪い、下着以外のすべてをベッドの下に落としていった。
オミくんの手や唇に翻弄されているうちに、私はあられもない姿になっていて。スーツを纏った彼に反し、自分だけ乱されていくことが恥ずかしくてたまらなかった。
「茉莉花、ネクタイ取って」
オミくんの声を聞きながらもぼんやりとしていると、ふっと瞳をたわませた彼に「できる?」と尋ねられた。
私に覆い被さっている男性らしい身体を前に、熱に浮かされた思考を働かせる。
なんとか頷いて手を伸ばせば、オミくんが柔和な笑顔で「いい子だ」と囁いた。
力が抜けかけていた手でネクタイの結び目を解き、彼の首から引き抜く。
熱っぽい息を吐いた仕草の色香に当てられて、本能的にベストのボタンを取り、シャツのボタンにも指をかけた。
その間、オミくんはジャケットとベストを脱ぎ、バサバサと放り投げていく。
高級なスーツをどこか乱雑に扱う様から、彼の焦りと欲が垣間見えた気がした。
オミくんが私を求めてくれていることが、とても嬉しい。
妹扱いだった私が彼の目に女性として映っている……ということだと思うから。
つい一週間ほど前まではキスも知らなかったくせに、心も身体もオミくんを求めているのがわかる。
自身のはしたなさに、そして彼への素直な感情に、思わず小さな笑みが漏れた。
身体が小さく震えると、オミくんが唇を離した。
「この間も思ったけど、茉莉花って敏感だよね。色々教え甲斐がありそうだな」
恐らく、前半は私に、後半は独り言だったんだと思う。
けれど、その言葉を深読みしてしまい、頬がよりいっそう熱を持つ。
なにを教えられるのかと想像すると、下肢が勝手に戦慄いた。
そんな私の反応に、彼が苦笑を零す。
「素直すぎて嫌になるよ」
オミくんはため息交じりに吐き捨て、無防備になった私の肩口に唇を落とした。
うんざりしたような言い方に聞こえたのは、気のせいだっただろうか。
考えたいのに、溶け始めている思考は使い物にならない。心は目の前にいる彼に夢中で、身体は与えられる感覚を追うことに必死だった。
肩にキスをした唇が上に向かい、首筋を這う。ときおり舌でたどられ、かと思えば唇で撫でられる。
肌を軽く吸われて、壊れ物を扱うようにくちづけをして。労わりを込めた優しさと少しの激しさが、私の肌を丁寧に愛でていく。
ラベンダーカラーのワンピースの上半身はシンプルなデザインだけれど、Aラインのスカート部分には小花があしらわれ、前でリボンを結ぶようになっている。
オミくんはじれったそうにリボンを解き、ワンピースを下げていく。上半身は下着だけ残され、中途半端に脱がされた服がウエストのあたりに残った。
身動ぎしていたせいか、下半身は太ももまであらわになっている。
それに気づいて手を伸ばした私よりも早く、彼が内ももに触れてくる。薄いストッキング一枚越しの感覚に、背筋がゾクリと粟立った。
この先になにがあるのかを、身体はもう知っている。微熱交じりの吐息が零れるたびに、まるで期待を募らせていくようだった。
太ももを這う手が大胆になり、それに合わせてもう片方の手がストッキングを剥いでしまう。唇は鎖骨をたどって膨らみに向かい、そのまま谷間にくちづけた。
オミくんの手はとても器用で、私が彼の愛撫に惑わされているうちに衣服を奪い、下着以外のすべてをベッドの下に落としていった。
オミくんの手や唇に翻弄されているうちに、私はあられもない姿になっていて。スーツを纏った彼に反し、自分だけ乱されていくことが恥ずかしくてたまらなかった。
「茉莉花、ネクタイ取って」
オミくんの声を聞きながらもぼんやりとしていると、ふっと瞳をたわませた彼に「できる?」と尋ねられた。
私に覆い被さっている男性らしい身体を前に、熱に浮かされた思考を働かせる。
なんとか頷いて手を伸ばせば、オミくんが柔和な笑顔で「いい子だ」と囁いた。
力が抜けかけていた手でネクタイの結び目を解き、彼の首から引き抜く。
熱っぽい息を吐いた仕草の色香に当てられて、本能的にベストのボタンを取り、シャツのボタンにも指をかけた。
その間、オミくんはジャケットとベストを脱ぎ、バサバサと放り投げていく。
高級なスーツをどこか乱雑に扱う様から、彼の焦りと欲が垣間見えた気がした。
オミくんが私を求めてくれていることが、とても嬉しい。
妹扱いだった私が彼の目に女性として映っている……ということだと思うから。
つい一週間ほど前まではキスも知らなかったくせに、心も身体もオミくんを求めているのがわかる。
自身のはしたなさに、そして彼への素直な感情に、思わず小さな笑みが漏れた。
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