【完結】辛口バーテンダーの別の顔はワイルド御曹司
19.思いを確かめ合って
風呂に入るとすぐにマサに求められ、道香はそれに応えて甘い嬌声を漏らした。
それから髪や身体を洗い、顔も洗ってきれいにメイクを落とすと、再び湯船に浸かってゆっくりと身体を温めた。
マサは先に出て、出しっ放しになっていた料理を冷蔵庫にしまうとビールを飲み、道香は昨日めぐみの家でも寝巻きに使ったTシャツと短パンを履いて髪をしっかり乾かすとバスルームを出た。
「寒くないか?」
「大丈夫だよ」
マサの隣に座ると、ビールを飲むか聞かれたが、道香はそれを断ってマサにもたれかかりながら、引っ越しの話をし始める。
時期はどうするか、決定の期限はいつまでなのか、お互いの通勤を考慮した場所で探すのか。確認したいことは山ほどあった。
「それなんだけどな」
「ん?」
「うちとビザリーがコラボする企画があるんだ。共通のコンセプトで独自のラインを作る構想だな」
「え、うちの会社と?」
「プロジェクトチームが組まれる中に、道香の名前もあったぞ」
「そんなの初めて聞いた!」
「まあ水面下での交渉ではあったからな。俺は元々営業企画の本部長で、レディースの展開を検討してたんだ。そこに家の事情で急遽専務になる話が浮上して、まとまり掛けてた話が一度立ち消えたんだ」
「そうなの?」
「俺がメインで担当したんだ、ビザリーの神山さん分かるだろ?」
「ああ!営業企画の神山部長?」
「ビザリー側のゴーサインは神山さんが出してくれたんだが、俺の方が家のゴタゴタで専務になることになって、商談が一時的にストップしたんだ」
ビールを飲むと少し表情を歪めて困った顔をする。
「ゴタゴタって何か聞いても大丈夫?」
「ああ。姉貴の旦那もうちで働いてるんだけどな。優しくて真面目な人なんだけど、経営側には無頓着で常務のくせにデザイン室にこもるような職人気質なタイプでさ」
「……常務」
「親父は娘婿としては可愛がってるしデザイナーとしても買ってるんだけど、義兄さんを経営者としては見込んでないんだよ。だから今更ながら俺にお鉢が回って来ちまった」
姉婿を思い浮かべているのか、困ったように笑ってマサは良い人なんだけどなと呟く。
「なるほど。で?本部長から一気に専務に昇進しちゃったの」
「役員会とか諸々の段取りはあっただろうけど、俺も中途半端に実績を出してたから、話が通っちまったんだよ」
道香にはもう理解が及ばない世界線の話である。つまり嫡男であるマサは自他共に認める仕事をこなし、実力で専務にのし上がったことになる。
「なるほど。とはいえよく分かってないんだけどね」
道香は正直にそう言って笑ってごまかすと、マサはそれで良いよと道香を抱き寄せた。
「俺はただのバーテンのマサで良い」
「でも実は違うじゃない?」
「副業が実家の仕事ってことで」
「グラブレの専務の方が片手間な仕事に聞こえるけど」
道香が声を出して笑うと、マサも笑う。
「今までとは出来る仕事や、やり方も変わるし、経営側となるともっと勉強しなくちゃいけないから癒しが欲しいんだよ」
そう言って道香にキスをすると、舌を忍ばせ道香の舌に絡み付いて唾液を溢れさせる。
響く水音に道香が艶めいた吐息を漏らすと、マサはキスをしたまま道香を抱き上げてベッドへ連れて行く。
そのまま溺れるようなキスをして、二人は夜の闇に溶けた。
それから髪や身体を洗い、顔も洗ってきれいにメイクを落とすと、再び湯船に浸かってゆっくりと身体を温めた。
マサは先に出て、出しっ放しになっていた料理を冷蔵庫にしまうとビールを飲み、道香は昨日めぐみの家でも寝巻きに使ったTシャツと短パンを履いて髪をしっかり乾かすとバスルームを出た。
「寒くないか?」
「大丈夫だよ」
マサの隣に座ると、ビールを飲むか聞かれたが、道香はそれを断ってマサにもたれかかりながら、引っ越しの話をし始める。
時期はどうするか、決定の期限はいつまでなのか、お互いの通勤を考慮した場所で探すのか。確認したいことは山ほどあった。
「それなんだけどな」
「ん?」
「うちとビザリーがコラボする企画があるんだ。共通のコンセプトで独自のラインを作る構想だな」
「え、うちの会社と?」
「プロジェクトチームが組まれる中に、道香の名前もあったぞ」
「そんなの初めて聞いた!」
「まあ水面下での交渉ではあったからな。俺は元々営業企画の本部長で、レディースの展開を検討してたんだ。そこに家の事情で急遽専務になる話が浮上して、まとまり掛けてた話が一度立ち消えたんだ」
「そうなの?」
「俺がメインで担当したんだ、ビザリーの神山さん分かるだろ?」
「ああ!営業企画の神山部長?」
「ビザリー側のゴーサインは神山さんが出してくれたんだが、俺の方が家のゴタゴタで専務になることになって、商談が一時的にストップしたんだ」
ビールを飲むと少し表情を歪めて困った顔をする。
「ゴタゴタって何か聞いても大丈夫?」
「ああ。姉貴の旦那もうちで働いてるんだけどな。優しくて真面目な人なんだけど、経営側には無頓着で常務のくせにデザイン室にこもるような職人気質なタイプでさ」
「……常務」
「親父は娘婿としては可愛がってるしデザイナーとしても買ってるんだけど、義兄さんを経営者としては見込んでないんだよ。だから今更ながら俺にお鉢が回って来ちまった」
姉婿を思い浮かべているのか、困ったように笑ってマサは良い人なんだけどなと呟く。
「なるほど。で?本部長から一気に専務に昇進しちゃったの」
「役員会とか諸々の段取りはあっただろうけど、俺も中途半端に実績を出してたから、話が通っちまったんだよ」
道香にはもう理解が及ばない世界線の話である。つまり嫡男であるマサは自他共に認める仕事をこなし、実力で専務にのし上がったことになる。
「なるほど。とはいえよく分かってないんだけどね」
道香は正直にそう言って笑ってごまかすと、マサはそれで良いよと道香を抱き寄せた。
「俺はただのバーテンのマサで良い」
「でも実は違うじゃない?」
「副業が実家の仕事ってことで」
「グラブレの専務の方が片手間な仕事に聞こえるけど」
道香が声を出して笑うと、マサも笑う。
「今までとは出来る仕事や、やり方も変わるし、経営側となるともっと勉強しなくちゃいけないから癒しが欲しいんだよ」
そう言って道香にキスをすると、舌を忍ばせ道香の舌に絡み付いて唾液を溢れさせる。
響く水音に道香が艶めいた吐息を漏らすと、マサはキスをしたまま道香を抱き上げてベッドへ連れて行く。
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