【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを
蒼い悪夢3
噛み付く孫を尻目に、祖母はさらりと言った。
「だから灯里さんがメイクボランティアで訪問してくださる日に合わせて、櫂斗に『蒼人を連れていらっしゃい』って言ったの」
それで、自分と灯里の二人は出逢ったのか。
蒼人は納得した。
が。
ハンカチで唇から垂れた血を拭っている兄の襟を掴んで蒼人は宣言した。
「兄貴、今後灯里に手を出すな。出したら、俺は兄弟の縁を切る」
そして宿直の時間になるので蒼人は慌ただしく出かける準備をする。
施設を出ようとして、祖母を振り返った。
「婆ちゃん、今度休みが重なった日に灯里と一緒にくるから」
待ってるわ、と祖母は手を振った。
もう一人の孫が受付の女性に手当を受けている様子を見て祖母はつぶやいた。
「灯里さん、遭難のことを引きずってないといいんだけど……」
「だから灯里さんがメイクボランティアで訪問してくださる日に合わせて、櫂斗に『蒼人を連れていらっしゃい』って言ったの」
それで、自分と灯里の二人は出逢ったのか。
蒼人は納得した。
が。
ハンカチで唇から垂れた血を拭っている兄の襟を掴んで蒼人は宣言した。
「兄貴、今後灯里に手を出すな。出したら、俺は兄弟の縁を切る」
そして宿直の時間になるので蒼人は慌ただしく出かける準備をする。
施設を出ようとして、祖母を振り返った。
「婆ちゃん、今度休みが重なった日に灯里と一緒にくるから」
待ってるわ、と祖母は手を振った。
もう一人の孫が受付の女性に手当を受けている様子を見て祖母はつぶやいた。
「灯里さん、遭難のことを引きずってないといいんだけど……」
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