【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを
誤解と怒りと運命の人5
もう許さない。
成人式以来、七年ぶりにきた振袖姿を恋しい男性に見せたいと思いつつ、悲壮な決意で見合いの場に行った乙女は完全に般若と化した。
「兄貴はどこだ!」
気配に気づいて蒼人は振り向きざまに叫んだ。
灯里は思いきりスナップを効かせた平手うちを男に見舞った。
バシン!
いい音がした。
クリーンヒットだったのだろう、蒼人がしばらく顔を横にしたまま動けない。
……こんなわからずやは、自分と同じくらい痛ければいいのだ。
腰に手を当てて仁王立ちすると、灯里は蒼人を下からねめつけた。
「ねえ、誰がUNNO海運の息子なんだって? 私、それを誰から聞いたんだろう?」
なにか言いかけた蒼人は、灯里の剣幕に口をつぐんだ。
「自慢じゃないけどね、うちの会社の大株主ってことも銀縁嫌味御曹司が来る日に初めて知ったし!」
そんなことを知らなくても仕事はできるのだ。
成人式以来、七年ぶりにきた振袖姿を恋しい男性に見せたいと思いつつ、悲壮な決意で見合いの場に行った乙女は完全に般若と化した。
「兄貴はどこだ!」
気配に気づいて蒼人は振り向きざまに叫んだ。
灯里は思いきりスナップを効かせた平手うちを男に見舞った。
バシン!
いい音がした。
クリーンヒットだったのだろう、蒼人がしばらく顔を横にしたまま動けない。
……こんなわからずやは、自分と同じくらい痛ければいいのだ。
腰に手を当てて仁王立ちすると、灯里は蒼人を下からねめつけた。
「ねえ、誰がUNNO海運の息子なんだって? 私、それを誰から聞いたんだろう?」
なにか言いかけた蒼人は、灯里の剣幕に口をつぐんだ。
「自慢じゃないけどね、うちの会社の大株主ってことも銀縁嫌味御曹司が来る日に初めて知ったし!」
そんなことを知らなくても仕事はできるのだ。
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