【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを
誤解と怒りと運命の人4
どんどん、とドアを叩く音が響いた。
は、と気がつく。
自分はどれくらいぼうっとしていたのだろうか。
痺れてしまった足でよろつきながら、ドアの覗き窓から誰がきたのかを確認した。
「蒼人っ」
ドアを開けるなり、灯里は彼を抱きしめた。
「俺」
なにか言いかけた恋人は彼女の体を抱きしめかえし、すぐに引き離される。
蒼人はすごい目で襦袢姿の彼女をにらんだ。
「……その格好は、兄貴を早速ひきこんでるのかっ」
彼女が自身の姿を見下ろせば、しどけない姿である。
固まった彼女をみて蒼人はますます目をギラつかせた。
蒼人は靴を脱いでずかずかと上がり込む。
「兄貴っ、人の女に手を出すなんていい度胸だな! 家族でもしていいことと悪いことがある、とっととでてこいっ」
蒼人が吠えているのを気にしながら、灯里はドアを締めて鍵をかけた。
無表情のまま室内に戻る。
言うにことかいてなにを言い出すのだ、この男は。
騙し討ちのような見合いをさせられた挙句、一方的に罵られ弁明もさせてもらえなかった。
挙句に、よりによって蒼人の兄でどうして大嫌いな櫂斗を連れ込んでいると思われなければならないのか。
は、と気がつく。
自分はどれくらいぼうっとしていたのだろうか。
痺れてしまった足でよろつきながら、ドアの覗き窓から誰がきたのかを確認した。
「蒼人っ」
ドアを開けるなり、灯里は彼を抱きしめた。
「俺」
なにか言いかけた恋人は彼女の体を抱きしめかえし、すぐに引き離される。
蒼人はすごい目で襦袢姿の彼女をにらんだ。
「……その格好は、兄貴を早速ひきこんでるのかっ」
彼女が自身の姿を見下ろせば、しどけない姿である。
固まった彼女をみて蒼人はますます目をギラつかせた。
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