僕が彼女に執着心を持った時
作戦会議
「映子ちゃん、それはひょっとして、宣戦布告ってやつじゃないの……?」
茜ちゃんがこわごわと言った。
医務室でお弁当を開いた私と茜ちゃんと長瀬先輩の3人で、今朝の事について作戦会議をしている。
「え、私、宣戦布告の手紙をのこのこ持ち帰ってきてきてしまったってこと……?」
自分の間抜けさに、呆然とした。
長瀬先輩が、冷静に言う。
「まあ、まだ中身を確認してない訳だから、そう判断するには早計だよ。そもそも、直接ラインや電話、メールなんかで連絡取れば良いものをわざわざ柏木さんに手紙を渡してきたってことは、連絡手段がないってことでしょ? それに、彼氏さんの昨日の発言から鑑みるに、少なくとも彼氏さんは水瀬さんをあまり快く思ってないんじゃないかな?
ただ、封筒の色が薄ピンクなのは気になるかな、なんとなくだけど」
私と茜ちゃんは、「「なるほど」」と間抜けな顔で頷いた。
「どうしよう! 復縁したいとかだったら!!」
私は天を仰いだ。
「映子ちゃん、例えそうでも大丈夫だよ。だって、映子ちゃんの彼氏さん、映子ちゃんのこと大好きすぎてしょうがない、目に入れても痛く無い、ってくらい好きじゃない」
茜ちゃんが天使のように微笑んだ。
「た、確かに……。自分で言うのもなんだけど、そこはわりと謎の自信がある……。」
茜ちゃんのお陰で、ふと冷静になった。
そうよね、薫さんから普段、沢山愛情を注いでもらっているし……。
長瀬先輩も力強く言ってくれる。
「そうだよ。気にして、こっちが自滅しちゃだめだよ! 柏木さん!」
「うう。2人とも、ありがとうございます」
半泣きでお弁当を食べた。
お弁当を食べ終わって、長瀬先輩がこっそり持ち込んだケトルでお湯を沸かして3人分のコーヒーを淹れて飲む頃には、私の気持ちも大分落ち着いてきた。人に話すって、大事。
「ところで、長瀬先輩って、昔水瀬先輩と噂になってた事ありましたよね? それ、詳しく教えてくださいよ」
数日前に茜ちゃんが、「水瀬先輩とどんな感じだったんだろう、気になる……。聞いてみたいけど、勇気がでない……」と、しょんぼりしていたのを思い出して、私が聞いてみた。私も水瀬先輩がどんな人か、聞いておきたいし。
「え……。いや、別に、そこまで仲が良かった訳じゃないよ。ただ、一瞬だけ素敵だな、と思ってた時期もあったんだけど、結構気が強い人だな、て気が付いて、自ら退いたというか。それだけで、本当に何もないよ。安心してね、中本さん。」
長瀬先輩が、切実に訴えた。
清水さんも、3人で食事をした時言ってたっけ。「気が強い」って。
「ふうーん。惹かれてたんですね!」
茜ちゃんが口を尖らせた。
「ごめんって。でも、ほんと、何も無いから! 皆無!」
長瀬先輩が両手を合わせた。
「まあ、そこまで言うなら、信じますけど……。」
茜ちゃんは長瀬先輩の謝罪を受け入れた。
茜ちゃんがこわごわと言った。
医務室でお弁当を開いた私と茜ちゃんと長瀬先輩の3人で、今朝の事について作戦会議をしている。
「え、私、宣戦布告の手紙をのこのこ持ち帰ってきてきてしまったってこと……?」
自分の間抜けさに、呆然とした。
長瀬先輩が、冷静に言う。
「まあ、まだ中身を確認してない訳だから、そう判断するには早計だよ。そもそも、直接ラインや電話、メールなんかで連絡取れば良いものをわざわざ柏木さんに手紙を渡してきたってことは、連絡手段がないってことでしょ? それに、彼氏さんの昨日の発言から鑑みるに、少なくとも彼氏さんは水瀬さんをあまり快く思ってないんじゃないかな?
ただ、封筒の色が薄ピンクなのは気になるかな、なんとなくだけど」
私と茜ちゃんは、「「なるほど」」と間抜けな顔で頷いた。
「どうしよう! 復縁したいとかだったら!!」
私は天を仰いだ。
「映子ちゃん、例えそうでも大丈夫だよ。だって、映子ちゃんの彼氏さん、映子ちゃんのこと大好きすぎてしょうがない、目に入れても痛く無い、ってくらい好きじゃない」
茜ちゃんが天使のように微笑んだ。
「た、確かに……。自分で言うのもなんだけど、そこはわりと謎の自信がある……。」
茜ちゃんのお陰で、ふと冷静になった。
そうよね、薫さんから普段、沢山愛情を注いでもらっているし……。
長瀬先輩も力強く言ってくれる。
「そうだよ。気にして、こっちが自滅しちゃだめだよ! 柏木さん!」
「うう。2人とも、ありがとうございます」
半泣きでお弁当を食べた。
お弁当を食べ終わって、長瀬先輩がこっそり持ち込んだケトルでお湯を沸かして3人分のコーヒーを淹れて飲む頃には、私の気持ちも大分落ち着いてきた。人に話すって、大事。
「ところで、長瀬先輩って、昔水瀬先輩と噂になってた事ありましたよね? それ、詳しく教えてくださいよ」
数日前に茜ちゃんが、「水瀬先輩とどんな感じだったんだろう、気になる……。聞いてみたいけど、勇気がでない……」と、しょんぼりしていたのを思い出して、私が聞いてみた。私も水瀬先輩がどんな人か、聞いておきたいし。
「え……。いや、別に、そこまで仲が良かった訳じゃないよ。ただ、一瞬だけ素敵だな、と思ってた時期もあったんだけど、結構気が強い人だな、て気が付いて、自ら退いたというか。それだけで、本当に何もないよ。安心してね、中本さん。」
長瀬先輩が、切実に訴えた。
清水さんも、3人で食事をした時言ってたっけ。「気が強い」って。
「ふうーん。惹かれてたんですね!」
茜ちゃんが口を尖らせた。
「ごめんって。でも、ほんと、何も無いから! 皆無!」
長瀬先輩が両手を合わせた。
「まあ、そこまで言うなら、信じますけど……。」
茜ちゃんは長瀬先輩の謝罪を受け入れた。
コメント
ノベルバユーザー594809
人物の心理や周りの描写などがすごく上手く、世界観があってとてもおもしろいです。続きを楽しみにしてます。