乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

151話 フレッドの目

(うぅ、なんでこんなことに……。ここはキツく言わないと……)

 イザベラは意を決する。
 フレッドのことは、幼少期から可愛い弟だと思って接してきた。
 本来の血筋としては従兄弟関係にとどまることもあり、時には異性としてドキドキさせられることもあった。
 だが、今の彼女はエドワード王子と婚約している身なのだ。
 いつまでも言い寄られてはたまったものではない。
 現に、今まさに周囲から好機の目で見られている。
 顔立ちの整った彼らアディントン侯爵家の姉弟は、非常に目立つのだ。

「フレッド。いいかしら。私はあなたと結婚するつもりはないわ」

「今はそうでしょうね。でも、エドワード王子と実際に結婚するのは卒業後だと聞いています。きっと、それまでには振り向かせて――」

「はっきり言わせてもらうわ。もうウンザリなのよ」

「え?」

「何度も言っているけど、あなたのそういうところは好きじゃないのよ。もっと現実を見て、相応しい相手を探しなさい」

 イザベラは強い口調で言った。
 すると、フレッドは悲しげに表情を曇らせる。

「あ、あの……。姉上……」

「これ以上あなたと話すことはないわ。今後は、部屋や教室にも来ないでちょうだい」

 イザベラはそう言うと、その場を後にした。
 以前の彼女であれば、もう少しやんわりと伝えただろう。
 闇の瘴気の影響を受け、言葉がきつくなっているのだ。
 そして闇の瘴気の影響を受けているのは、イザベラだけではない。
 フレッドもその影響を受けていた。

「…………」

 彼は黒く沈んだ目で、イザベラの後ろ姿をじっと眺めている。
 そんな彼に、数人の女生徒が近づく。

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