乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

150話 フレッドとイザベラ

 さらに日々は過ぎていく。
 新たな年を迎え、一月となった。
 この『ドララ』世界の暦や季節感は、現代日本に準拠している。
 日本で制作されたゲームだからだ。
 三月になれば卒業生を見送る立食パーティが開かれる。
 そして四月になると新入生を迎えると同時に、それぞれ進級する。
 現在第二学年のイザベラやアリシアは第三学年に、第一学年のフレッドは第二学年となるのだ。
 そのフレッドだが――。

「おはようございます、姉上。今日も素敵ですね。結婚を前提にお付き合いしてください」

「…………」

 イザベラは頭を抱えていた。
 フレッドが毎日のように求婚してくるようになったからだ。
 朝は必ず挨拶に来るし、休み時間には教室まで押しかけてくる。
 昼食時には食堂で相席しようとする。
 授業中や放課後にも、隙あらば愛の告白をしようとしてくる始末である。
 ちなみに今は、学園の授業終わりの休憩中だったりする。

「……フレッド、いい加減にしてちょうだい」

「はい、何でしょう?」

「あなたね、私にそんなことを言って恥ずかしくないの? 婚約者がいる身よ、私は」

「もちろん承知していますよ」

「ならどうして――」

「でも、僕の気持ちは変わりませんから。王子と結婚なんて、絶対に肩が凝りますよ。僕と結婚しましょう。煩わしい仕事なんて、姉上には振らないようにしますよ。だから――」

 イザベラは頭痛を覚えつつ、大きなため息を吐いた。
 フレッドは相変わらずだ。

「姉上は素晴らしい女性です。僕が幸せにします。結婚しましょう。子供は何人欲しいですか?」

「こ、子供ですって!? そ、それはまだ早いというか……」

「ふむ。では、いつ頃が良いでしょうか? やはり卒業まで待たないといけないでしょうか? 先はまだ長そうですね……」

「え、あ……」

 イザベラは真っ赤になって俯いた。
 その様子を見て、フレッドは満足げに微笑んでいる。

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