乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

128話 負けられねーんだ!

 アリシアさんとフレッドの対立が激しさを増し続けている。

「くそぉっ!!」

 彼女は再び腕を振る。
 すると、今度は巨大な鎌が現れる。

「これで終わりにしてやる!」

 アリシアさんはフレッドに斬りかかる。
 だが、フレッドはそれを難なく避ける。

「くたばれえぇぇぇぇぇぇっ!!」

 アリシアさんは何度も鎌で切りつける。
 だが、それも全て避けられてしまう。

「ちぃ……! ちょこまかと……!」

「おいおい、女がおっぱい丸出しで暴れてんじゃねえよ! 下品な奴だな!!」

 フレッドがそんなことを言う。
 彼女のドレスをはだけさせたのはフレッドなのだが。
 ずいぶんな言い草だ。
 普段の紳士で優しいフレッドはどこへ行った。

「黙れ! お前なんかに見られても何も感じねぇよ!!」

 アリシアさんは再び鎌を振りかぶる。
 そして、それをフレッドに向かって振るった。

「おせーんだよ!」

 フレッドはそれを避けようともせずに突っ込む。
 そのままアリシアさんの懐に入り込み、思いっきりアッパーを繰り出した。

「ぐふぅっ!?」

「どうだ、僕のパンチは効いただろう?」

 さっきからずっとだけれど、フレッドは女相手にも容赦しないね。
 手加減無しなら、フレッドが勝ちそうだ。

(ここはタイミングを見てアリシアさんに加勢して……。そのまま二人を無力化すれば、あるいは……)

 私は頭の中でそんなことを考えていた。
 だが、事態はさらに予想外の展開を見せる。

「ぐっ! はぁ、はぁ……。いいや、全然痛くも痒くもないぜ? この程度じゃなぁ!!」

「なにぃっ!?」

「イザベラ様に思いが届かなかった時の痛みに比べれば、蚊が止まったようなモンだよ!! おらあああぁっ!!!」

「ぐっはあああぁっ!?」

 アリシアさんがフレッドに強烈な一撃を食らう。
 彼は口から血を吐き出しながら、後方へ弾け飛んでいった。

「フレッドっ!?」

 私は思わず叫んでしまう。
 まさか、アリシアさんがここまで強いとは思わなかった。

「くそっ、なんなんだお前!?」

「はっ、わたしだって負けられねーんだ! 好きな人のためにも、ここで負けられない!! わたしの思いは世界で一番強い!!」

「何言ってやがる! 僕の思いの方が強いに決まってるだろ!!」

 二人は少し離れたところから睨み合っている。
 ここまでの近接戦で、もはやボロボロ……。

(割って入るならここかな?)

 私がそんなことを考えた瞬間だった。

「もうチマチマした攻撃は飽きたぜ……。僕の全力を見せてやるよ!」

「同感だ! わたしの全力でお前を消し飛ばす!!」

 二人の闇の瘴気が激しく燃え上がったのだった。

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