乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

111話 イザベラ参戦

 フレッドが想定以上に強い。
 闇の瘴気の影響で、力が暴走しているのだ。
 このままだと、体に良くない影響があるという。
 エドワード殿下、カイン、オスカーには頑張ってほしいのだけれど、残念ながら苦戦していた。

「皆さん。私も加勢しますよ!」

 私はそう言って、彼らに駆け寄っていく。

「イザベラ嬢!? 今のフレッドは危ねえぞ!!」

「女のお前は引っ込んでいろ! イザベラ! ここは俺達で何とかする!!」

「その通りですね。危険なことは私達に任せていただきたい!」

 カイン、エドワード殿下、オスカーが揃って止めてくる。
 その言葉のチョイスにそれぞれの性格が出ているなぁ。

「フレッドは私の家族です! 黙って見ているなんて、できませんわ」

 私はそう言い、一歩前に出る。
 そして、右手を前に突き出した。

「【我が願いに応じ、聖なる光よ。悪しき闇を打ち払え】」

 私はそう唱える。
 これは光魔法だ。
 『ドララ』の知識がある私は、当然光魔法の文言くらいは知っている。
 闇の瘴気に侵されたフレッドを無力化するには、光魔法が最適だ。

「おおっ! イザベラ嬢は、そんな魔法まで使えたのか!」

「いえ、待ってください。これは……」

 カインが感嘆する一方で、オスカーは心配顔だ。
 よく見ているなぁ。
 やっぱり、イケメン四人の中でも、魔法の知識や分析力はオスカーが随一だね。

「【ホーリー・レイ!!】」

 私が魔法を唱えると、光のレーザーが一直線に伸びていった。
 だが、それはフレッドに届く直前で霧散してしまう。
 やっぱり駄目か。
 アリシアさんの手ほどきで発動はできるようになったのだけれど、まだまだ出力が心もとない。
 やはり、もっと練習が必要だ。

「イザベラ! やりたいことは分かったが、やはり無理だ。ここは俺達に――」

「いえ、次はもっと近づいてみます。皆さんは援護をお願いしますわ」

 私はエドワード殿下の言葉を遮り、再び詠唱を始めた。
 さっきは十メートル以上離れていたから、威力不足だったんだ。
 私は、じりじりとフレッドに詰め寄る。

「ぐっ! 言うことを聞かない女め……! 仕方ない、俺達で援護するぞ!」

「お任せください。【アイス・アロー】」

 エドワード殿下の指示に従い、オスカーが援護してくれる。
 彼の放った魔法が、フレッドに襲い掛かる。

「【プラント・ウォール】」

 だが、それは植物の壁によって阻まれてしまった。
 私は、それを横目に見ながらフレッドへさらに近づいていく。

(よし。ここまで近づければ……)

 出力的には問題なくなるだろう。
 私のかけがえのない義弟を、無事に浄化したいところだ。

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