乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
107話 闇の瘴気
フレッドの様子がおかしくなり私がアタフタしていたところ、エドワード殿下、カイン、オスカーの三人が現れた。
「エドワード殿下、カイン、オスカー様……。どうしてここに?」
私が訊ねると、オスカーが答えてくれた。
「実は、最初から尾行していたのです」
「……はぁ?」
「私の誘いを断って、弟君と秋祭りへ行く。それは結構ですが、イザベラ殿が心配だったので、こっそり後をつけていたんですよ」
オスカーはストーカーだったの?
しかも、よりによって私達のデートを覗いていたというのか?
私は怒りを通り越して呆れてしまう。
だが、すぐにハッとした。
彼がストーキングしていたからこそ、窮地を脱することができたのだ。
「……それで? エドワード殿下とカインも一緒なのですか?」
私は納得しつつ、エドワードとカインの方を見る。
二人はバツが悪そうだ。
彼らの場合は、わざわざ剣術の腕比べまでしていたからねぇ。
あれで秋祭りの件はキッパリと諦めてくれたと思っていたのだけれど。
「すまない。カインがどうしても行くと言って聞かなかったんだ」
「悪かったよ、イザベラ嬢。エドの奴が譲らなかったんでな」
エドワードとカインは、二人揃って謝ってきた。
だが、その罪は互いに擦り付けようとし合っている。
私は苦笑する。
まあ、この二人の仲がそこそこ良いことは知っているし、いいんだけどね。
しかし、そんなことを言っている場合ではない。
今はそれよりもフレッドの方が問題なのだ。
「あの、フレッドはどうしてしまったんですか? 急に変になってしまったんです」
私はフレッドを見ながら言う。
フレッドは黙ったままだ。
「正直に言えば、詳細は分からねぇ」
「ですが、我らの王国の歴史を紐解いてみれば、百年前にも異変があったようです」
カインとオスカーがそう言う。
詳細は不明だけど、ヒントらしきものはあるということね。
「……歴史?」
私は首を傾げる。
「ああ。大地の遥か下――”奈落”から闇の瘴気が漏れ出し、人々の精神を汚染したという事件があったらしい」
「その時は、光の巫女が浄化したと伝わっています」
「えっ……!?」
エドワード殿下とオスカーの説明に、私は驚く。
まさかここで、乙女ゲームのシナリオに関わる話が出てくるとは思わなかったからだ。
光の巫女――つまりは光魔法の達人のことだ。
アリシアさんの凄い版みたいな感じね。
将来的には、アリシアさんも光の巫女と呼ばれるようになるだろう。
「それなら、話は早いわ。アリシアさんを呼んできて、浄化してもらいましょう!」
そう言えば、アリシアさんはどこに?
せっかくの秋祭りなのに、遊びに来ていないのかしら?
「うっ!?」
私の頭に不意に痛みが走った。
なんだ、今の感覚は?
まるで、何か大切なことを忘れてしまっているような……。
……ダメだ、思い出せない。
まぁいい。
そんなことより、まずはアリシアさんだ。
彼女を探さないと……。
「エドワード殿下、カイン、オスカー様……。どうしてここに?」
私が訊ねると、オスカーが答えてくれた。
「実は、最初から尾行していたのです」
「……はぁ?」
「私の誘いを断って、弟君と秋祭りへ行く。それは結構ですが、イザベラ殿が心配だったので、こっそり後をつけていたんですよ」
オスカーはストーカーだったの?
しかも、よりによって私達のデートを覗いていたというのか?
私は怒りを通り越して呆れてしまう。
だが、すぐにハッとした。
彼がストーキングしていたからこそ、窮地を脱することができたのだ。
「……それで? エドワード殿下とカインも一緒なのですか?」
私は納得しつつ、エドワードとカインの方を見る。
二人はバツが悪そうだ。
彼らの場合は、わざわざ剣術の腕比べまでしていたからねぇ。
あれで秋祭りの件はキッパリと諦めてくれたと思っていたのだけれど。
「すまない。カインがどうしても行くと言って聞かなかったんだ」
「悪かったよ、イザベラ嬢。エドの奴が譲らなかったんでな」
エドワードとカインは、二人揃って謝ってきた。
だが、その罪は互いに擦り付けようとし合っている。
私は苦笑する。
まあ、この二人の仲がそこそこ良いことは知っているし、いいんだけどね。
しかし、そんなことを言っている場合ではない。
今はそれよりもフレッドの方が問題なのだ。
「あの、フレッドはどうしてしまったんですか? 急に変になってしまったんです」
私はフレッドを見ながら言う。
フレッドは黙ったままだ。
「正直に言えば、詳細は分からねぇ」
「ですが、我らの王国の歴史を紐解いてみれば、百年前にも異変があったようです」
カインとオスカーがそう言う。
詳細は不明だけど、ヒントらしきものはあるということね。
「……歴史?」
私は首を傾げる。
「ああ。大地の遥か下――”奈落”から闇の瘴気が漏れ出し、人々の精神を汚染したという事件があったらしい」
「その時は、光の巫女が浄化したと伝わっています」
「えっ……!?」
エドワード殿下とオスカーの説明に、私は驚く。
まさかここで、乙女ゲームのシナリオに関わる話が出てくるとは思わなかったからだ。
光の巫女――つまりは光魔法の達人のことだ。
アリシアさんの凄い版みたいな感じね。
将来的には、アリシアさんも光の巫女と呼ばれるようになるだろう。
「それなら、話は早いわ。アリシアさんを呼んできて、浄化してもらいましょう!」
そう言えば、アリシアさんはどこに?
せっかくの秋祭りなのに、遊びに来ていないのかしら?
「うっ!?」
私の頭に不意に痛みが走った。
なんだ、今の感覚は?
まるで、何か大切なことを忘れてしまっているような……。
……ダメだ、思い出せない。
まぁいい。
そんなことより、まずはアリシアさんだ。
彼女を探さないと……。
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