悪役令嬢にはブラック企業で働いてもらいます
話を聞かせてもらいます
総司の奴...。
私になんとかしてくれって事ね。
そうは言ってもどうすればいいのよ。
オフィスに戻って席に着くと、隣の席の理沙が私の顔をじっと覗き込んだ。
「な、何よ理沙」
「何か言われたの?総司さんに」
「え?」
「なんだか、悩んでる顔してたよ」
...理沙は、私の顔を見るだけで私が悩んでいるかどうか、分かっちゃうのね。
いえ、それくらいわかりやすい顔していたのかしら。どちらにしても、そう言われるだけで何故か少しだけ安心している自分がいることに私は密かに驚いていた。
「何でも相談してよ。私、同期の仲間だよ」
「仲間...?」
「うん、仲間で友達。灰子ちゃん相談や愚痴をこぼすなら相澤さんじゃなくて私に、ね」
「え...うん」
「相澤さんに愚痴を聞いてもらったって聞いた時私密かに妬いてたんだよ。理不尽だけど相澤さんにイライラしてた」
理沙があんまり相澤と仕事中関わろうとしなかったのはそういう事だったの...?
 
「仲間...友達、か」
そうよね。
私達同期は仲間だって、八木杉本人が言ったのよ。
そんな仲間に相談せず一人で悩むなんてダメよ。
休憩中、私は八木杉のデスクに行って疲れている顔の八木杉に言った。
「八木杉、飲みにいくわよ!今日!」
「え?」
最初に新入社員の親睦会とか言って飲みに行った時、私はげんなりしていた。
仕事の後、疲れてすぐ寝たいのに。朝早いのに連れていかれて。
でも、今日は私が誘うわ。
「飲みにって...あれから全然飲みになんて行ってなかったよね。どうしたの」
力なく言う八木杉に、私ははっきりといった。
「あんたが言ったのよ。飲み会は仲間と親睦を深めるものだって」
「...」
八木杉は、目を見開いてフッと微笑んだ。
「成る程...分かったよ」
隣の総司が小さく微笑んだ気がした。
理沙はどうするかしら。
前みたいに夜遅くなっちゃうし...。
「灰子ちゃんが行くなら行く」
「わかったわ」
即答だった。
仕事終わり、前みたいに1時に終わって前と同じ居酒屋へ。
八木杉は、前みたいにお酒をぐびぐび飲んだりしていなかった。萎れた根っこみたいな八木杉に、総司に勝手に注文されたオレンジジュースを飲みながら単刀直入に言った。
「八木杉、何か悩んでるでしょ」
八木杉は、びくりとして私を弱々しく見た。
「どうして」
「どうしてもこうしてもないわよ。怯えたドブネズミみたいな顔しちゃって。あんたの様子がおかしいのは、はたから見たら丸わかりよ」
「そっか...」
「総司だって心配してるのよ」
「総司君が...?」
総司は何も言わなかった。
「私も、様子がおかしいなって思ってました」
理沙も八木杉を見てはっきりと言った。
「何かあったなら言いなさいよ。あんたが言ったのよ、私達は仲間だって」
八木杉は俯いて、重い口を開いた。
私になんとかしてくれって事ね。
そうは言ってもどうすればいいのよ。
オフィスに戻って席に着くと、隣の席の理沙が私の顔をじっと覗き込んだ。
「な、何よ理沙」
「何か言われたの?総司さんに」
「え?」
「なんだか、悩んでる顔してたよ」
...理沙は、私の顔を見るだけで私が悩んでいるかどうか、分かっちゃうのね。
いえ、それくらいわかりやすい顔していたのかしら。どちらにしても、そう言われるだけで何故か少しだけ安心している自分がいることに私は密かに驚いていた。
「何でも相談してよ。私、同期の仲間だよ」
「仲間...?」
「うん、仲間で友達。灰子ちゃん相談や愚痴をこぼすなら相澤さんじゃなくて私に、ね」
「え...うん」
「相澤さんに愚痴を聞いてもらったって聞いた時私密かに妬いてたんだよ。理不尽だけど相澤さんにイライラしてた」
理沙があんまり相澤と仕事中関わろうとしなかったのはそういう事だったの...?
 
「仲間...友達、か」
そうよね。
私達同期は仲間だって、八木杉本人が言ったのよ。
そんな仲間に相談せず一人で悩むなんてダメよ。
休憩中、私は八木杉のデスクに行って疲れている顔の八木杉に言った。
「八木杉、飲みにいくわよ!今日!」
「え?」
最初に新入社員の親睦会とか言って飲みに行った時、私はげんなりしていた。
仕事の後、疲れてすぐ寝たいのに。朝早いのに連れていかれて。
でも、今日は私が誘うわ。
「飲みにって...あれから全然飲みになんて行ってなかったよね。どうしたの」
力なく言う八木杉に、私ははっきりといった。
「あんたが言ったのよ。飲み会は仲間と親睦を深めるものだって」
「...」
八木杉は、目を見開いてフッと微笑んだ。
「成る程...分かったよ」
隣の総司が小さく微笑んだ気がした。
理沙はどうするかしら。
前みたいに夜遅くなっちゃうし...。
「灰子ちゃんが行くなら行く」
「わかったわ」
即答だった。
仕事終わり、前みたいに1時に終わって前と同じ居酒屋へ。
八木杉は、前みたいにお酒をぐびぐび飲んだりしていなかった。萎れた根っこみたいな八木杉に、総司に勝手に注文されたオレンジジュースを飲みながら単刀直入に言った。
「八木杉、何か悩んでるでしょ」
八木杉は、びくりとして私を弱々しく見た。
「どうして」
「どうしてもこうしてもないわよ。怯えたドブネズミみたいな顔しちゃって。あんたの様子がおかしいのは、はたから見たら丸わかりよ」
「そっか...」
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「私も、様子がおかしいなって思ってました」
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八木杉は俯いて、重い口を開いた。
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