悪役令嬢にはブラック企業で働いてもらいます
手助けにきてもらいます
「えーっと、6月から忙しくなると伺ったので手伝いで来ました。相澤守です」
朝、新入社員の私達に挨拶に来たのは、花見で見かけた相澤だった。
「相澤ぁああっもがっ」
相澤を見た衝撃で思わず叫んでしまうところを、総司に押さえつけられて止められる。
「休憩時間にゆっくり話しましょう」
***
休憩時間。
といっても、いつもの通りだったら、私は理沙の作ったサンドイッチを食べながら仕事中...なんだけれど今日は相澤が本物か、八木杉の隣でゼリードリンクを飲んでいる相澤の元へと急いだ。
「相澤!!!相澤じゃない!!どうしてここにいるのよ!相澤!相澤!あいざわー!」
私は本当に相澤なのかウロウロジロジロ確認して、本当にあの時花見にいた相澤という事を理解した。
相澤だわ!!本物よ!!
「どうしてって朝全部説明したんですけど」
相澤は、どうやら6月から忙しくなるここの会社にヘルプとしてやってきたらしい。
てかこれ以上忙しくなるってどうなってんのよ。五月に至っては休みが一日しかなかったのよ。
「五月から六月にかけて忙しくなると伺ったんで...」
「そうだね。六月休みないもんね」
「えっ...あ、はい、そ、そうですね。(いきなり話しかけられた!怖い、友達でもないのに。花見の時も全然話さなかったし」
相澤はおどおどして俯いていた。
「八木杉...」
私は、八木杉の言う事が理解できずに目を見開いてゆらりと八木杉のデスクに歩いていく。
「やぎ...すぎ...?今、なんて?」
「え?ろ、六月休み...ないもんねって」
「なぁああああによそれぇええええ!!!」
「おおぉ!」
私は八木杉の襟首をつかんでガンガン揺らした。
「やめなよみっともない」
総司の制止も聞こえない。八つ当たりしないとやっていけないわよ!こんなの!!
「ぐっ...」
いきなり心臓に鋭い痛みが走る。
「や、め、な、よみっともない」
心臓の痛みに思わず八木杉を離し胸を押さえて一歩、二歩後ずさるけれど、痛みは一向に治らない。
「大丈夫?灰子ちゃん?」
「だ...ぐっ...ぐうぅ...」
そう、私は総司に逆らうと心臓に痛みが突然伴う呪いにかかっているのよ。
だからこそ、私はこんなブラック企業で日夜働かされているの。そうじゃなけりゃこんなところで働かないわよ!!
「やめ...ます」
必死に声を絞り出すとスゥッと痛みが引いて、振り返ると悪魔の笑顔を貼り付けた総司が微笑んでいた。
私の背中を心配そうにさする理沙が可哀想だと思わないの!?
そして一番可哀想なのは私よ!
「八つ当たりしたお前が悪い」
口パクした総司は、相澤に向き直る。
「六月の間だけなんですか?ヘルプは」
「あぁ...はい。(イケメンだ...陽キャのイケメンだ...花見でも見かけてたけどやばい...ボクみたいな陰キャが話してもいいのか?答えてもいいのか?)こっちも上の人がギリギリで、ボクみたいな新入社員しかヘルプに出せなかったみたいで」
相澤は、総司を見て眩しそうに目を細めた。
「そうなの、何はともあれよかったわ。相澤、聞きたいことがあったらなんでも聞きなさい」
「いや、溝沼さんは逆に聞くことの方が多いんじゃないですかね」
「何よ総司!!」
「え...あの、じゃあ一つだけいいですか」
「なんでもいいわよ!」
「六月に休み一日しかないって...マジですか?」
相澤は引いていた。
相澤の所は週休1日は休みがあるんだっけ。私にとっては、それの方があり得ないわよ。
朝、新入社員の私達に挨拶に来たのは、花見で見かけた相澤だった。
「相澤ぁああっもがっ」
相澤を見た衝撃で思わず叫んでしまうところを、総司に押さえつけられて止められる。
「休憩時間にゆっくり話しましょう」
***
休憩時間。
といっても、いつもの通りだったら、私は理沙の作ったサンドイッチを食べながら仕事中...なんだけれど今日は相澤が本物か、八木杉の隣でゼリードリンクを飲んでいる相澤の元へと急いだ。
「相澤!!!相澤じゃない!!どうしてここにいるのよ!相澤!相澤!あいざわー!」
私は本当に相澤なのかウロウロジロジロ確認して、本当にあの時花見にいた相澤という事を理解した。
相澤だわ!!本物よ!!
「どうしてって朝全部説明したんですけど」
相澤は、どうやら6月から忙しくなるここの会社にヘルプとしてやってきたらしい。
てかこれ以上忙しくなるってどうなってんのよ。五月に至っては休みが一日しかなかったのよ。
「五月から六月にかけて忙しくなると伺ったんで...」
「そうだね。六月休みないもんね」
「えっ...あ、はい、そ、そうですね。(いきなり話しかけられた!怖い、友達でもないのに。花見の時も全然話さなかったし」
相澤はおどおどして俯いていた。
「八木杉...」
私は、八木杉の言う事が理解できずに目を見開いてゆらりと八木杉のデスクに歩いていく。
「やぎ...すぎ...?今、なんて?」
「え?ろ、六月休み...ないもんねって」
「なぁああああによそれぇええええ!!!」
「おおぉ!」
私は八木杉の襟首をつかんでガンガン揺らした。
「やめなよみっともない」
総司の制止も聞こえない。八つ当たりしないとやっていけないわよ!こんなの!!
「ぐっ...」
いきなり心臓に鋭い痛みが走る。
「や、め、な、よみっともない」
心臓の痛みに思わず八木杉を離し胸を押さえて一歩、二歩後ずさるけれど、痛みは一向に治らない。
「大丈夫?灰子ちゃん?」
「だ...ぐっ...ぐうぅ...」
そう、私は総司に逆らうと心臓に痛みが突然伴う呪いにかかっているのよ。
だからこそ、私はこんなブラック企業で日夜働かされているの。そうじゃなけりゃこんなところで働かないわよ!!
「やめ...ます」
必死に声を絞り出すとスゥッと痛みが引いて、振り返ると悪魔の笑顔を貼り付けた総司が微笑んでいた。
私の背中を心配そうにさする理沙が可哀想だと思わないの!?
そして一番可哀想なのは私よ!
「八つ当たりしたお前が悪い」
口パクした総司は、相澤に向き直る。
「六月の間だけなんですか?ヘルプは」
「あぁ...はい。(イケメンだ...陽キャのイケメンだ...花見でも見かけてたけどやばい...ボクみたいな陰キャが話してもいいのか?答えてもいいのか?)こっちも上の人がギリギリで、ボクみたいな新入社員しかヘルプに出せなかったみたいで」
相澤は、総司を見て眩しそうに目を細めた。
「そうなの、何はともあれよかったわ。相澤、聞きたいことがあったらなんでも聞きなさい」
「いや、溝沼さんは逆に聞くことの方が多いんじゃないですかね」
「何よ総司!!」
「え...あの、じゃあ一つだけいいですか」
「なんでもいいわよ!」
「六月に休み一日しかないって...マジですか?」
相澤は引いていた。
相澤の所は週休1日は休みがあるんだっけ。私にとっては、それの方があり得ないわよ。
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