怪奇探偵社
(1)プロローグ(第1章、異端)
柏木 蓮は街を彷徨っていた。
どこに行けばいいのか、もう、分からなかった。 
大学卒業後、何十回目か分からない不採用通知。なぜ不採用になるかは分かっていた。
…でも、自分でそれを直せたら苦労はしない。
幼い頃から、幽霊や妖怪と呼ばれているそれらが、蓮には見えていた。はっきりと。声まで聞こえ、話した事もある。
幼かった蓮が周囲や両親から気味悪がられ忌避されるようになるのも、時間はかからなかった。
優しい霊や妖怪達は蓮に良くしてくれたが、悪霊に取り憑かれるようになってからは近ずいて来なくなった。
悪霊は蓮の生気を容赦なく吸い取り、死にかけた事も何度かあった。
それでも蓮は大きくなり、なんとか大学卒業までできた。だが、いよいよ就活という時、問題が起きた。
高校や大学の面接はよかった。あまり悪霊程強い霊がいなくて、まだ取り憑かれても平気だった。
だが、就活で行くとこがほぼ全て悪霊がいる。面接官にも取り憑いてる。
面接官と目を合わせようとすると、どうしても悪霊とも目が合ってしまって、悪霊が取り憑いてくる。
それで毎回蓮は面接中に倒れてしまうのだ。
進路指導の先生達には鬼のように怒られ、就活で背中にはどんどん悪霊が溜まっていく。
体調は悪くなる一方で、負のループは大学を卒業してからも続いた。
病院で検査しても悪霊のせいでこうなっているのだ、原因など分かるはずもない。
遂には親にも見放され、絶縁されてしまった。
貰った最後の金も大事に使っていたが底をついて、明日、いや今日からはホームレスに混ざって生活しなければならない。
絶望とはこういう事か…
もう、辛いとかそういうのを越している。
身体が鉛のように重く、正直立っているのすらやっとだった。生気がどんどん吸われていくのを感じる。
きっとホラー映画のゾンビと同じ…いや、ゾンビの方が顔色が良いかもしれな………
____視界が暗転する。
遂に柏木 蓮は気を失ってしまった。
 
どこに行けばいいのか、もう、分からなかった。 
大学卒業後、何十回目か分からない不採用通知。なぜ不採用になるかは分かっていた。
…でも、自分でそれを直せたら苦労はしない。
幼い頃から、幽霊や妖怪と呼ばれているそれらが、蓮には見えていた。はっきりと。声まで聞こえ、話した事もある。
幼かった蓮が周囲や両親から気味悪がられ忌避されるようになるのも、時間はかからなかった。
優しい霊や妖怪達は蓮に良くしてくれたが、悪霊に取り憑かれるようになってからは近ずいて来なくなった。
悪霊は蓮の生気を容赦なく吸い取り、死にかけた事も何度かあった。
それでも蓮は大きくなり、なんとか大学卒業までできた。だが、いよいよ就活という時、問題が起きた。
高校や大学の面接はよかった。あまり悪霊程強い霊がいなくて、まだ取り憑かれても平気だった。
だが、就活で行くとこがほぼ全て悪霊がいる。面接官にも取り憑いてる。
面接官と目を合わせようとすると、どうしても悪霊とも目が合ってしまって、悪霊が取り憑いてくる。
それで毎回蓮は面接中に倒れてしまうのだ。
進路指導の先生達には鬼のように怒られ、就活で背中にはどんどん悪霊が溜まっていく。
体調は悪くなる一方で、負のループは大学を卒業してからも続いた。
病院で検査しても悪霊のせいでこうなっているのだ、原因など分かるはずもない。
遂には親にも見放され、絶縁されてしまった。
貰った最後の金も大事に使っていたが底をついて、明日、いや今日からはホームレスに混ざって生活しなければならない。
絶望とはこういう事か…
もう、辛いとかそういうのを越している。
身体が鉛のように重く、正直立っているのすらやっとだった。生気がどんどん吸われていくのを感じる。
きっとホラー映画のゾンビと同じ…いや、ゾンビの方が顔色が良いかもしれな………
____視界が暗転する。
遂に柏木 蓮は気を失ってしまった。
 
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コメント
ノベルバユーザー602658
だんだんと正気を吸いとられていって変化していくのが、面白く良かった。