【コミカライズ】私の身体を濡らせたら
1.鶴亀コンビ-7
『一緒に食べよう』とか言われるのではと思ったから、違ってホッとした。
「出張で朝早い時とか、たまに泊まるんだ」
「海外にもよく行かれるんですよね? この前も夕方の番組で高井さんのお店が紹介されていましたよね」
「見てくれたんだ。嬉しいよ」
女性の大半は喜ぶ、爽やかな笑顔。なのに、私は喜ぶどころか嫌悪しかない。
いや、決めつけちゃだめよ。
私は自分がここに来た理由を思い出した。
もしかしたら、純粋に私を好きでいてくれているのかもしれない。
こんな風に、直感で疑ってはいけない。今までもそうやって、直感でいい人だと思って何度失敗したことか。
今回も、外れるかもしれない。
直感が外れて、高井さんがノーマルな男性だったら、私はとても大きなチャンスを逃すことになる。
だからと言って、無条件に信じることも出来ないしな……。
「高井さんのお店って、学生もよく利用されてますよね?」
「うん」
「北二十四条店……だったと思うんですけど、前に行った時はお客さんのほとんどが学生でした。あの辺だと、どこの学生ですかね?」
「ああ! あの辺はK高だね。セーラー服でしょ? 時々、F高の子も来るかな? セーラーだけどスカーフじゃなくてネクタイはF高だね」と、高井さんが嬉々として話し始めた。
「麻衣ちゃんはどこの高校? 制服はブレザー? セーラー? どっちも捨てがたいけど、やっぱりセーラーが似合うだろうね」
『似合うだろうね』と現在進行形で言われ、背筋が寒くなった。
私、三十二歳だけど……。
「俺は、麻衣ちゃんには夏の白セーラーにギャザーが多めのスカートが似合うと思うんだけど、麻衣ちゃんはどう?」
どう……って……。
「制服……詳しいんですね?」
「そう? 麻衣ちゃんだって、好きでしょう?」
「え?」
「制服、好きなんだよね?」
「私は別に……」
ゾッとした。
笑顔が一転し、ホラー映画のシリアルキラーさながらの冷ややかな視線と片方の口角だけが上がっているのは不気味でしかない。視線は私の視線を外れ、ゆっくりと下がっていく。
「麻衣ちゃんのセーラー服姿、見てみたいな」
胸に視線を感じ、高井さんが何を想像しているのかと考えるだけで、吐きそうだった。
とにかく、これで、今回は私の直感が間違っていなかったことがハッキリした。
「そろそろ、部屋に行こうか」
「えっ!?」
高井さんが手を上げてウエイターを呼び、会計を頼んだ。クレジットカードを渡す。
少々お待ちください、と言ってウエイターがクレジットカードを持って行ってしまった。
「あの、私――」
「三十四階の部屋からも、これと同じ夜景が見えるよ」
三十四階って、まさかスイート!?
ウエイターがクレジットカードと明細を高井さんに渡す。
「じゃあ、行こう」と言って、高井さんが立ち上がる。
私も、立ち上がるしかなかった。
「すみません、お化粧室に行ってきます」
「エレベーターホールで待ってるよ」
「出張で朝早い時とか、たまに泊まるんだ」
「海外にもよく行かれるんですよね? この前も夕方の番組で高井さんのお店が紹介されていましたよね」
「見てくれたんだ。嬉しいよ」
女性の大半は喜ぶ、爽やかな笑顔。なのに、私は喜ぶどころか嫌悪しかない。
いや、決めつけちゃだめよ。
私は自分がここに来た理由を思い出した。
もしかしたら、純粋に私を好きでいてくれているのかもしれない。
こんな風に、直感で疑ってはいけない。今までもそうやって、直感でいい人だと思って何度失敗したことか。
今回も、外れるかもしれない。
直感が外れて、高井さんがノーマルな男性だったら、私はとても大きなチャンスを逃すことになる。
だからと言って、無条件に信じることも出来ないしな……。
「高井さんのお店って、学生もよく利用されてますよね?」
「うん」
「北二十四条店……だったと思うんですけど、前に行った時はお客さんのほとんどが学生でした。あの辺だと、どこの学生ですかね?」
「ああ! あの辺はK高だね。セーラー服でしょ? 時々、F高の子も来るかな? セーラーだけどスカーフじゃなくてネクタイはF高だね」と、高井さんが嬉々として話し始めた。
「麻衣ちゃんはどこの高校? 制服はブレザー? セーラー? どっちも捨てがたいけど、やっぱりセーラーが似合うだろうね」
『似合うだろうね』と現在進行形で言われ、背筋が寒くなった。
私、三十二歳だけど……。
「俺は、麻衣ちゃんには夏の白セーラーにギャザーが多めのスカートが似合うと思うんだけど、麻衣ちゃんはどう?」
どう……って……。
「制服……詳しいんですね?」
「そう? 麻衣ちゃんだって、好きでしょう?」
「え?」
「制服、好きなんだよね?」
「私は別に……」
ゾッとした。
笑顔が一転し、ホラー映画のシリアルキラーさながらの冷ややかな視線と片方の口角だけが上がっているのは不気味でしかない。視線は私の視線を外れ、ゆっくりと下がっていく。
「麻衣ちゃんのセーラー服姿、見てみたいな」
胸に視線を感じ、高井さんが何を想像しているのかと考えるだけで、吐きそうだった。
とにかく、これで、今回は私の直感が間違っていなかったことがハッキリした。
「そろそろ、部屋に行こうか」
「えっ!?」
高井さんが手を上げてウエイターを呼び、会計を頼んだ。クレジットカードを渡す。
少々お待ちください、と言ってウエイターがクレジットカードを持って行ってしまった。
「あの、私――」
「三十四階の部屋からも、これと同じ夜景が見えるよ」
三十四階って、まさかスイート!?
ウエイターがクレジットカードと明細を高井さんに渡す。
「じゃあ、行こう」と言って、高井さんが立ち上がる。
私も、立ち上がるしかなかった。
「すみません、お化粧室に行ってきます」
「エレベーターホールで待ってるよ」
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