金丸耕平の休日--伊勢老舗旅館編--

佐々木寄道

6話

「オロチ!オロチどこいった?」オロチの全長は山1つ分程ある。オロチは暗闇をまとっていた。ヤマタノオロチ「なんだ?!」化け物にふさわしい顔つきをした蛇が8つの顔を表した。「そこにいたのかオロチ。不味いことになった。男を殺り逃した。」ヤマタノオロチ「チッ…!」




金丸は目の前にいる美しい青年に見とれていた。ヤマトタケル「はじめまして、ヤマトタケルと申します。」金丸「金丸さんって、なぜ私の名前を知っているのですか?」金丸は少し落ち着きを取り戻し始めた。ヤマトタケル「私には人の名前がわかります。」金丸「??」 金丸はまた動揺し始めた。そして、金丸はあまり深く考えないように決めた。

気づくといつの間にか狐仮面の女の子は、仮面を上にズラしていた。その可愛らしいお顔を金丸に見していた。

ヤマトタケル「金丸さん聞いて下さい。実は金丸さんがあの日、伊勢神宮で妹のミコに出会ったように、あの日あの場所でオロチに接触した人物がいるのです。オロチは波長の合う者にしか出会うことはできません。しかもかなり稀な事です…」

金丸「オロチ?」ヤマトタケル「ヤマタノオロチです。私達はかつてより長い戦いを行う運命にあるのです。私は一度オロチを罠にはめて倒しました。しかし、オロチは現代に転生しました。」金丸「ヤマタノオロチって死んだんじゃなかったの?しかもなんかの物語だよね?そもそも君やミコちゃんって何人なの?僕は夢を見ているの?なにこれ?」

ヤマトタケル「金丸さん、あまり深く考えないようにして下さい。私達は一刻を争う事態にあるからです。金丸さんは既にそのオロチと似た波長の者に狙われている可能性が十分にあります。」金丸「へ?狙われてんの僕?」ヤマトタケル「はい。おそらく気づかれています。」金丸「気づかれている?!」ヤマトタケル「ええ…」




事件発覚から6時間後伊勢警察署では緊急会議が行われていた。部屋の入口には木の札に黒い太文字で「老舗旅館サンセット夫婦殺人事件」と書いてある。

伊勢警察の芝原刑事部長(55歳)は会議をまとめていた。会議室には20人余りの警察官がいる。芝原「川下!説明してくれや!」川下「今朝7時にサンセット旅館で夫婦の死体が発見されました。被害者女性31歳は死亡、男性41歳は病室で意識を失い重体となっています。凶器は見つかっておらず。胸には3、4箇所の刺し傷がありました。」

芝原「ほんまどないなっとんねや?」芝原は関西出身である。芝原「ほんでなんか見つかったんかいな?」川下「ベッドの下に蛇の抜け殻がありました。指紋、毛髪等は一切出ていません。」芝原「先日もあったばっかやろ、殺人鬼が伊勢におるんゆうことかいな?」芝原の独特な話し方は、部下達をより一層緊張させていた。川下「断定はできませんが、可能性は否定できんでしょうな。」芝原「東京の倉科はん、来てんのやろ?」倉科「はい、今回の事件色々な視点が考えられるでしょう。私もしばらくはこちらで捜査のお手伝いをさせて頂きます。」芝原「ふ~ん、そうでっか、そやかて、あんたの力みしてみーや。東京さんの力やで」倉科「ええ!」芝原「よっしゃ!現場は倉科はんに任せますわ!川下つこうたって下さい!以外に切れるんですわコイツ(笑)」倉科「はい。」 川下「部長、他の2件についてなんですが……」会議は重たい空気に包まれながら、それぞれの主観が話されていた。




金丸がトイレに行って30分が経過していた…仁科「先生遅いな!まぁたどっか寄道してんの。」仁科は伊勢神宮に続き2度目の待たされにイライラしていた。

仁科「また携帯繋がんないし……」それもその筈、仁科と金丸はおんなじ世界にはいるけれど、金丸は今、神出ずる伊勢市内に存在する裏の部分にいるのだから…

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