【異能な転生者】主人公が成長していく物語

ノベルバユーザー588811

第1話 前世よりも上手に生きるために(前編)

第1話 前世よりも上手に生きるために(前編)

前世では俺はアルベルトと名乗っていたけど、ガルシア帝国から 侵略されて出兵したけど自分の国の兵士に裏切られて背中に毒矢を打たれてしまった。

自分の国の味方だと思っていた剣士の3人が俺を金で裏切り毒矢を放ってきた。

まさか、こう言う結果になるとは思っていなかった。

本当に、どんなに強くたって、一瞬の油断があれば人を簡単に殺せるんだ。

あの時、索敵魔法を展開しても、敵をサーチすることしかしなかった。

まさか味方に矢を打たれるなんて。

それだけ、俺が強いという証明にもなるけど、一番の戦力を失うことで、俺の国のルーファス王国は、総崩れした。

戦場でも、押していたところもあったけど、非常に汚い方法で敵対してきた。

それが、俺が毒矢を背中に打たれてから起きたことだ、俺は毒矢を受けてから、知り合いに剣を突き立てられた。

その方法が汚い、まぁ、戦争に綺麗の汚いもないのかもしれないが、領土を侵攻して村を襲い、殺すのではなく家族を人質に取り、夫だけ連れ去る方法だ。

その夫に剣を持たせて、後ろから脅すこと。

家族も人質に取られて、また、自分も後ろから狙われる。

そうすると前の奴を、殺すしか手段はなくなる。

それで自国の兵士を増やすわけだ。

しかも自分の兵は温存できる。


俺は最後にライラに会えたことが不思議だったけど、あのあとはライラは、どうしたんだろう?

優しいライラ‥‥‥俺に目をかけてくれて、本当に助けられた。

俺が死んだ後のライラのことだけが気がかりだ。

敵の兵士に襲われたりしていなけりゃいいけど。

親から捨てられて、初めて好きな人ができて、これからっていう時に、戦争が起きてしまった。

せっかくライラと愛し合っていたのに、離れることになるなんて‥‥‥。


あの戦争で、どれぐらいの人が死んだんだろう。

俺が率いていた魔法師部隊も、かなりの人数が死んだと思う。

数千人か、数万人の死者が出たはずだ。

死んだ人は、埋められることはない。まとめられて焼かれるだけだ。

本当に俺が死んだあと、ライラはどうなったのか…?

ライラみたいに、優しい子を、どうして戦争に巻き込むのか?

先に死んだ俺には、わからない。

ライラ‥‥‥



結局は俺の国のルーファス王国は侵略されて滅亡し、ガルシア帝国に併合されてしまったが、そのガルシア帝国も、どうしてか理由はわからないけど滅亡して国自体が変わってしまっている。

だからガルシア帝国も今はない。

ルーファス王国とガルシア帝国の一部が、今はオーリス王国と言う国になっている。

戦争に明け暮れていたガルシア帝国と違って、今の王族は、平和的な考えを持っている。

支配している王族で国の印象が変わってくる、悪い王族が支配すれば税金が高くなる、それが国民の不平不満になる。

オーリス王国の前にあったルーファス王国を併合したガルシア帝国の形跡は無くなり、オーリス王国で暮らしている人たちも、笑顔があり、活気がある街並みを築いている。



オーリス王国のはずれに小さな村があった、その村には長年、子供を待ち望んでいた夫婦がいたが、子宝に恵まれることはなく、結婚してから5年目で子供を授かった。

村には年老いた産婆しかいないため、出産に立ち会った産婆が驚くほど大きな声で泣き出した。

生まれたのは大きな声でなく男の子で、産婆さんも「この子は大物になるよ」と言っていたほどだが、この産婆さんが、どこの家でも出産に立ち会えば、同じことを言う決まり文句だった。

しかし、そんなことは知らない両親は、それを聞いて喜んでいた。

生まれてきた赤ん坊が元気に泣き声をあげる。

「やったぞー」と父親も大声を上げる。

「俺の跡継ぎだ、よくやってくれた」と母親を労う。

父親は、跡継ぎが生まれたのと、生まれてきた赤ん坊が可愛くてしょうがない様子だ。

結婚して5年間、子供ができなかったので、もう諦めかけたところだったが、ついに、自分も父親になるんだと、初めて実感が湧いて喜びは、すごく大きいものだった。

夫婦の家では裕福とは言えないけど、父親が畑仕事をしたり、母親も手伝ったりして、村では普通の経済状態だった。

夫は、時々は、弓を持って森に入り、狩猟をしていたが、そんなに簡単には狩れるわけはなく、時々、食卓のテーブルに獲ってきた獲物が乗る程度だった。

畑の事情は、いい時もあれば、不作の時もあり、収入は一定ではないが、不作が続くことはなく、まぁまぁな経済状態を維持していた。

狩猟をする時には、獲物だけではなく、魔物に襲われることもあるし、逃げている最中に崖から落ちることもあるため、用心する必要がある。

特には大きな獲物が取れると村中で分配することもあった。

贅沢はできないが、普段の食事で困る事はなかった。

また、獲物だけではなく村周辺には木の実が多くなっているため、それを食べて賄っていることもある。

そして村の近くに川もあり魚料理ができた。



父親が生まれたばかりの子供を母親から受け取り、落としはしないかビクビクしながら自分の子供を抱き抱かかえる。

「お〜よし、よし」 父親が可愛くて頬ずりをしたもんだから、また、大声で泣き始めた。

「もう、あなたったら」と言って、父親から子供を受けとり、「ダメな父親ね〜」と言っていた。

「まだ、慣れていないんだよ」と言いながら、父親は、指で子供のほっぺたを突いた。

「あ〜柔らかいな〜」

「あなた、それは生まれたばかりですから」と言って母親は子供をあやしている。

徐々に子供が泣き止んでくる。子供が大声で泣くということは元気な証拠だと言われている。

子供が泣いても嬉しそうな父親。

母親の横で寝ている子供に、父親が面白い顔をして、あやし始めるけど生まれてすぐは目が見えない。

生まれて間もないのでタオルに包まれた子供の母親が「あなた、この子の名前は?」

父親が、「そうだなぁー」

しばらく考えていた父親が、「そうだ俺の父親の名前をもらったらどうだろう。クリスと言う名前なんだけど」

母親が「いい名前だと思うわ」

泣き止んだ子供をベットから起こして、父親が赤ん坊を抱っこして「お前は今日からクリスだ」

そして赤ん坊に話し始めた。

「お前のおじいちゃんはなぁ、すごい能力を持っていたんだぞ、残念ながら俺は親父の能力を受け継ぐことができなかったけど、もしかしたら、お前がおじいちゃんの能力を受け継ぐかもわからないからな」

「もう、あなたったら」と母親が、呆れながら言った。

しばらくは母親は働くことができないため、父親は、頑張って畑仕事をした。

そして時には、獲物狩りに行き、肉料理をすることもあり、栄養をつけて母乳を出やすくするように考えた。

母親もすぐに働けるようになり、初めは日に当たらないように籠を玄関に玄関に置いて、その中に入れていたが数ヶ月経つと木の下に籠を置いて、両親が働く近くに置くようにした。

幸福な日々が家族を包んでいる。

俺はすくすくと成長して、1歳、3歳、5歳と成長をして親のお手伝いができるようになっていく。

ご飯の手伝いをすることは、もちろんだが、父親の畑の手伝いやお弁当を持ってくることは、日常だった。

俺と同じ年に、隣の家にも女の子が生まれた。その子の名前はアリシアという。

同じ歳ということもあり、家も近くなので、母親同士も仲が良く、俺たちは二人して遊んでいた。

特には、俺はアリシアの家に預けられたり、また、うちがアリシアを預かったりすることも多かった。

お風呂にも一緒に入ることもあった。

うちにはお風呂がないため、大きなタライを用意して水を温めて適温になったら、子供を入れることが、お風呂だ。

だから手間がかからないように、二人で入ってもらった方がいいわけだ。

俺たちは生まれた年が同じで、一緒に成長をしてきたが、アリシアの方が体格は大きくなっている。

つまりアリシアの方が成長が早い。

5歳となり‥‥‥8歳となり、体格さは開くばかり。

身長でもアリシアの方が背が高い。

二人で家の柱で身長を測っても、アリシアの方が高い、測らなくても目で見ても一目瞭然でアリシアの勝ちなんだけど。

そして10歳になった頃、村の外で遊んでいいと言うことが許された。

村の外には、大きな木がいっぱいあって登ることもできるし、浅い川があるから、川遊びができるようになった。

川では、泳いだり、魚を取ったり、川ガニを取ったり、丘を走ったり、競争したり、村の中ではできないような遊びができて、楽しかった。


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