全てを支配する式破。転生したら最低最悪の支配者と言われ命を狙われるのですが。

ロイド

第十八話 支配順位

- 第十八話 支配順位 -
ある炎の渦の元に居たのは,色夏だった。その炎の渦からは1つの巨大な影が浮かび上がる。大体3mはある人物だ。その影は炎の渦から姿を表せば身体中が炎で纏われ人とは思えない姿をしていた。そんな状況を見て色夏は。

『炎で纏ってるだけかしら?』
『そんなんじゃ私の敵でも無いわよ。』

〘良い気になるのでは無い。〙
〘私はこの場所の守護者,フィーブァ勝つ事は不可能だと証明してやる。〙

色夏は多くの強敵と戦ってきたので炎如き敵では無い,そう思っていたのだ。
だが其れは凶と出てしまうのであった。
色夏は知る事になるどれ程やつが「無敵」だと言うことを。
そんな事を知らない色夏は攻撃を仕掛ける。右手を真っ直ぐ突き出し手の平を晒せば紫色の弾が黒い稲妻を放ちながら現れフィーブァに解き放った。

『深淵闇魔法!  紫電稲妻弾!!(パープルライトニング)』

と、地形を飲み込むような勢いでフィーブァに襲いかかる。其れは鼓膜が破れる可能性がある爆音が響き、黒い稲妻が辺りに解き放たれる。それを見たフィーブァは大袈裟に大笑いする。

〘クハハハ!!!!!〙
〘この程度で私を倒そうと?〙

『知らないわよ!やるだけやるしかないじゃない!』
『(式破に死ぬなって言われてるんだから・・・・・・・!!)』

色夏は式破の言った言葉が深く刺さり「死」からは絶対に避けるという意思と共にフィーブァに挑んでいるのである。そしてフィーブァは迫り来る紫電稲妻弾を殺意しかない目で睨み付けたた。
その目は真っ白に輝き炎で包まれたフィーブァにとってはとても目立つ目の色だった。そして、その目が紫電稲妻弾を捉えては,その瞬間 紫電稲妻弾は色夏の元へ光速で跳ね返されたのだ。色夏は其れを目で捉えたが反射神経が低過ぎて色夏は自分の紫電稲妻弾とぶつかりあった。辺りは大爆発を繰り広げ砂煙や煙が辺りに広がっていた。

〘所詮人間.....。〙
〘可哀想な結末だ。〙

フィーブァはとても哀れに思ってそうな仕草で色夏が居た方向を見つめた。
「自身の魔法で跳ね返されて死んだ」そう思っていたのである。そして、砂煙と煙が無くなる時だった。突然、煙がど真ん中だけ人が通ったかのような不自然な煙の形となったのだ。フィーブァは目をつぶっておりその事に気づいて居なさそうだ。だが、人は居なく誰も居なかったのだ。しかし、1つの聞き覚えのある声が静かな空間に響き渡る。

『喰らいなさい!!』

上空から鳴り響く声は紛れも無く色夏そのものの声だった。そして、色夏は纏わりつく赤いオーラと共にフィーブァに向かって上空から攻撃を仕掛ける。落下しているのでその速度は段々と速くなり時には光速にまで到達した。そして、フィーブァにその拳がぶつかる瞬間フィーブァが呟き始める。

〘まさか生きて居たとは。〙
〘良いだろう,教えてやる。この私は正に「熱」を支配するという事を。〙

「熱」とは、身体の体温やこの世の殆どの元に熱が入っており,その他にも魔法や能力にも熱が入っている。其れを支配し「熱」がある限り無敵の存在である。そして,フィーブァは色夏の拳を体で受け止めたのだ。全く持ってダメージが入らず。フィーブァは色夏の手を掴み,前方にある家に投げ飛ばしたのだ。

『ッッー!!!』
『熱を支配するって.....。そうだわ!!
思い出した!』

色夏は家に衝突して壁にめり込む。吐血をしながらも「熱」について考えた始める。そして、はっと思い出したらしく色夏は崩壊した家からゆっくりと出てきて頭を血を流しながらフィーブァを見る。

『フィーブァ。貴方,支配順位って知ってるかしら?』

〘支配順位?よく分からないがクラスがあると言う事だろう?〙
〘それがどうした。〙

『貴方の通りクラスがあるのよ。
一番下が属性の支配。1番上が「真実」の支配よ。』

『その下が理屈や理の支配。』

〘それがどうした!何が言いたい!〙

と、この世には支配系が多すぎる為クラスで分けられたりする。
そして、「真実」から始まり「属性」の支配。
真実・・・・・・・・・・・・属性
と支配のクラスが高い能力を持つものが支配を上書きし支配能力を無効化出来る。そして色夏は悪魔のような顔をして発言する。

『貴方は「熱」.....。』
『私は.....。「空」よ。』

〘「空」.....?〙
〘まさか!!ば、馬鹿な!!式破の能力の1つ!!〙

『「熱」は「空」より弱いわ。』
『つまり,貴方は「熱」を使えない。』

「熱」は「属性」よりも2個上くらいの強さ。それに比べ「空」は中間辺りなので,支配順位に従い。フィーブァは「熱」を使えず「空」が有効的になる。

〘だが、まだ命令の魔眼が!!〙

フィーブァは強い口調で色夏に言ったが色夏は手を顎に当て上を見る。

『命令の魔眼?あぁ、私の魔法を跳ね返した能力ね。残念だけど、「空」が有るから効かないわよ。』

フィーブァは歯噛みしながら強い殺意で色夏を睨む。そして、自分5手を思っいきり握り締めて。

〘図に乗るのでは無い!!〙
〘たかが女に!!負ける訳がかないのだ!〙

フィーブァは片手を色夏の方に翳し平から赤黒く染まった炎を出現させては其れをボールのような形に纏めては一斉に解き放つ。まるで街中を包むような明かりが有り色夏の姿がハッキリと見えるくらいだった。

『たかが女?いいえ,私は.....』

迫り来るボール上になった炎。色夏は其れを,紫電稲妻弾で意図も容易く相殺し「空」のオマケの能力である空間移動を使用しフィーブァに近付いて。

〘ッ!?図に乗るなァァァ!!!〙

炎で包まれていた手を更に炎で包み巨大な炎で色夏に大声を出しながら拳を振り翳す。その時,色夏は普段では出ることの無い程のにやけ顔を見せ。

『式破支配に守られて来た.....。』
『色味色夏(イロミシキカ)よ。』
『空間魔法・空破』

色夏は空間を破壊する程の力でフィーブァを殴り溺死状態に追いやった。空間に少し亀裂が入っており色夏は其れを見ては思いっきりこじ開ける。そして、フィーブァを見ては。

〘ッッ.....。空間に穴が.....。何をする気だ!〙

溺死状態になりながらも必死に声を出し後ろに引きづりながら恐れを出す。
色夏はそんなフィーブァを「空破」で力が上昇しているので軽々と持ち上げ空いた空間の前に立つ。

『空間と空間の狭間。未知の領域ね。入ったら最後空間破壊系の能力が無い限り,出れないわ。』

こじ開けたのは空間と空間を繋ぐ狭間であった。そんな場所に色夏は狭間にフィーブァを投げ込んだのだ。

〘やめろぉ!!閉じるなァァ!!〙

もう立ち上がれない程の力を失い四つん這いになりながら哀れに進んでくる。だが、色夏は許すはずもなく。空間を閉じた。フィーブァは狭間の世界で息を絶える事になった。

『中々面白い相手だったわ。』

ため息をつきながら空を眺めていると何かと声が聞こえてくる。辺りからでは無い。脳内に話し掛けている。その声は式破の物だった。

「色夏?大丈夫か?」

と、テレパシーで色夏を心配して連絡を寄越して来たらしく。色夏も答える。

『えぇ、大丈夫。それより、他の皆は?』

冷静に他の皆の事が気になる。たが、その答えは予想外のものだった。

「其れが.....連絡が取れねぇんだ。何か、通信妨害をされてるような感じで.....。」

他の皆にも連絡をしてみたが一向に返信が来なく。ようやく取れたのが色夏だったらしい。一体何が起きているのか。

「とりあえず今からそっちに行く!だから.....」

と、何かを言おうとした瞬間,大きなノイズが走る。テレパシーの妨害など滅多にない。脳内に語り掛けているのにノイズが入るとはおかしな現象。そしてノイズが終われば式破の声が。

「そこから1歩も動くな。」

と、まるで別人のような声に変わり果て通信が途絶える。色夏は何をしたらいいのかわからなく,動けずに居た。
そして、後ろからガサガサと音が聞こえる。色夏は咄嗟に振り向いて警戒する。そして草むらから出てきたのは式破であった。

「大丈夫か!?慌てて空間移動したから変なとこ出たけど。いきなりノイズが走って.....助けてって言ってたから.....。」

『え?私そんなこと言ってないよ。
そんな事より私も似たような現象が起きたわ。ノイズが走って1歩も動くな.....って。』

「テレパシーのハッキングか.....?」

2人はまるで別人と話していたかのような話が噛み合わず、式破は冷静にテレパシーのハッキングと考える。すると何処からとも無く2人の目の前に何者が着地したのだ。砂煙が上がり,1つの影が見える。2人は戦闘体勢に入り,その影を見た。そこから現れたのは,人間の見た目をした物だった髪と目が緑色で目の深淵には謎のコード0や1がずらっと並んでいた。

〘やっぱりハッキングはいいなぁ。2人を直ぐ集められた。強敵の2人をなぁ.....。〙

悪魔のような顔を見せながら物凄い殺意を放ち押し潰されそうな勢いだった。そして式破は冷静に口を開く。

「テメェは誰だ?テレパシーのハッキングとは変わった野郎だが。」

〘クフフ.....。俺はハック・ネクロ。モモ・ネクロの兄さ。〙

モモに兄が居たというのは2人共初めて知った。以前情報を式破が調べた時兄がいるなど何にも書いていなかった。ハッキングで兄がいるというのすらも書き換えた可能性がある。

「兄.....? そんな奴が何の用だ。」

〘ラグエル様の命令の元に従い。貴方達2人は始末させて貰う。〙

冷静な顔で2人を見つめ。式破は微かに笑う。

「出来るといいねぇ。」

舐めたような言い方をしては欠伸をする。其れに気づいたハックは許せるはずもなく,唐突に式破に攻撃を仕掛ける。其れに合わせて式破も動いたのである。

いざ決戦───。そして3人の行方は!?

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