巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

エピローグ~ハーレムメンバー増員中!?

女の子はたくましい(2)

『昔から地球にいたらしい人外美女に出逢う確率と計算式は?』

 そもそも応じる相手がいるだけで喜ばしい質問なんだろうね。
だがしかし現実は物語よりもシビアだ。お約束の展開もリアル。

「バカにすんなよ!」いきなり怒りだすとか「人外ってなんだ?
いるはずがねぇ。美女(笑)』そんな嘲笑でも普通の反応だろう。

 だがしかしこちらは普通じゃない。誰かに呪われる存在かも?
もしくは徹底的に嫌われているのだろう。それに間違いないね。

 おかしな人間とか不思議な現象。昔から周囲はそればかりだ。
どうするべきか。異世界に転生できるかなと逃避したくなるね。


「あなたって人間じゃないの? わたしを助けてくれませんか」
 ため息をついて逃げるべきだった。すべてが後の祭りだけど。

「なんであそこで逃げなかったんだろうね」いつも悩むだけだ。
すこし時間は戻り……夕闇の道頓堀から東心斎橋まで歩く二人。


 閣下は有名人だろう。もちろん経営者で政治家のお金もちだ。
紀州でも有名な一部上場企業の代表者。代表取締役社長なんだ。

 もちろん金銭が目的の輩。近づく人間もそれなりの数だろう。
ただ尋常じゃない勘の良さ。明晰な頭脳と鋭い観察力を備える。

 とくに危機意識で動物的な第六感に恵まれて災いは回避する。
こちらが逆に妙なモノに好かれてしまう。引きの強さもあるね。

 ここだけは呼びこんだり避ける行動も許されていないらしい。

「そこのオニーサン。ちょっとだけ時間あればこっちにきてよ」
 妙なイントネーションなんだ。実際に日本人じゃないだろう。

 すこし陰りのある表情だった。純粋な白人種で圧倒的な美女。


 誰がどう考えてもおかしい。最初から無視するべきだったか。
綺麗な声に導かれ逃げ場のない状況だ。蜘蛛の巣だったのかな。

 腰まであるんだろう。真っ黒の髪は絹糸のようと表現したい。
黒いロングスカートワンピースをまとう容姿は童話の魔女だね。

 夕暮れ時でもミナミの裏通りだ。お馴染みの辻占い師だろう。
初対面の印象は純粋にそれだけだ。おおきな黒いシルクハット。

 それが余計に魔法使いを想像させたのかもしれない。失敗だ。

 自称魔法使い。おかしな知人がいるから……普通ならスルー。

 魔法にかけられたように近づいた。恰好のエサなんだろうね。
どこかおかしくて前を進む閣下。その姿もいつしか消えていた。


「おかしな波動が見えます。人間じゃないよね」美女の微笑み。

「波動? なんだそりゃ」おもわずコント風味に応じるだけだ。

「言葉では説明できませんよね。人間にあるはずのない能力?」

「あぁ。それなら分かる。ダンジョンで奇妙な技能は授かった」
 悩みながら斜め上に瞳をそらす美女だ。普通に笑顔で応じた。


「ダンジョン! この世界にそんなものが……いつの話です?」
 表情を変える美女だ。ちいさなテーブルを蹴倒して駆けよる。

「えっ? ダンジョンが誕生したのは先月の23日。すこし前」
 真面目に即応した。両掌を組んだ美女が目前で懇願している。

「ダンジョンに入れないかな? なんでもするからお願いです」

「んー入れなくもないんだけどね。なにか急ぐ理由があるの?」
 聖女の祈る姿勢だ。両掌を組み首を下げる美女には抗えない。

 なにかされても困るけどさぁ。いつの間にかの前向きだった。
「えっと一族の秘密とか……助けてもらえるんなら素直に……」


 そこからは噓くさい説明だ。すべて真実と理解できたのは時間
経過してから……それも後戻りができなくなってからの出来事。

 この美女が純粋な意味でヴァンパイアだった。世界を超越して
迷いこんだ。永遠を生きる旅人は生体エネルギーに飢えていた。

 生き血をすすり眷属を増やせるはずもないが栄養必須らしい。

 おかしな結界で周辺を囲っていたらしく解除してから合流した
閣下まで冷汗なんだ。残念ながら酒どころじゃなくなったよね。

 そのまま御堂筋でタクシー乗車すると靱本町に戻り大騒ぎだ。


「ケーちゃんナンパやりすぎ。そのうち刺されんじゃねぇの?」
 笑いながら永依がからかう。むかつくけれど言葉を返せない。

 綺麗な女性に惹かれたわけじゃないさ。声をかけられたんだ。

「ケージくんが歩けば美女に出逢う。犬も歩けば棒にあたるって
ことわざのとおりで三世紀も昔から幸運説がある。逆の意味では
災難だと考える説もあるぐらいよね。佳二くんどっちだろう?」

 微笑みながら美里さんが伝えてくる。内容に困るだけなんだ。


 そもそも逆ナン……だけど問題はそこじゃないか。引き強さと
悪運の結果だよ。行動するだけでおかしな状況に巻きこまれる。

 引きこもりに戻るべきかな……芽生えた悩みが尽きないんだ。

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