巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

エピローグ~ハーレムメンバー増員中!?

女の子はたくましい(1)

 2022年1月23日16時56分07秒。その瞬間だった。
――同時刻に強烈な揺れが発生する……地球は滅亡しなかった。

 もちろん世紀末を迎えて久しい。ノストラダムスの大予言など
遠い過去の戯言だ。いきなり資源は枯渇せず人類も衰退しない。

 時折派生する国家の地域紛争。テロリストの台頭も影響した。
これらは世界中に蔓延するパンデミックと経済停滞で収束した。

 そんな時期に世界の64か所。公園で地下ダンジョン誕生だ。

 それらが原因で発生した局部的地震。不審に怯えながら調査に
乗りだす二人組。そこから始まる騒動が……世界を安定させる。


 だがしかし騒動の中心地……靱本町の状況まで改善されない。

 迫る大怪獣の着メロが突然スマホから響いて……頭を抱える。
この返信メールが到着するまで長く待たされた状況は仕方ない。

『新三国同盟』締結から世界に与えた余波。ほんとに凄かった。
突如とした180度の方針転換。当初は各方面から邪推される。

 世界をまとめて恐慌に陥れるほどに軍事力をもつ二大国……。
当初は個人主義と自由経済の弊害。それらに応じる地下活動だ。

 平等かつ公正社会の実現。理想を主軸に活動する体制だった。
広義に社会全体を組織化すること。人々を支える制度が始まり。


 生産手段の共有と管理を目指す共産主義。そのマルクス主義が
崩壊して誕生したロシア。新社会主義で市場経済の抑制と廃止。

 社会保障と福祉国家を主張した状況もいつしか変化を遂げる。

 それぞれ主張の異なる三国だ。共通している長い国内不況……
技術と開発力だけが世界規模で資本主義と自由経済に蝕まれた。

 経済破綻が間近の日本。国内でバブルが弾けて急速に経済力も
悪化した中国だ。KGB支配の影武者が統治に失敗したロシア。

 上下関係もなく互いのデメリットを打ち消しあって進化する。
トライアングル狭間に存在するダンジョンは共同開発の予定だ。


 EU諸国と合衆国においての新三国同盟は改めて脅威だった。
だがしかし反発から社会の変革を目標にする指導者が勝利した。

 フランス社会党。大英帝国労働党。それら連名で合衆国民主党
政権を批判する。世界を巻きこむ協調ですべての準備が整った。

 社会民主主義という概念が急速に現実味を帯びていたようだ。

 ごっちゃ煮とかごちゃ混ぜと揶揄した知識層。それが社会団体
組織の共同体だ。世界規模で暗躍しても一瞬で淘汰されていた。

 ダンジョンと呼ばれる未知領域だ。現実がすべてを凌駕した。


 いくつの国が存在している? 理解できる人間は少数だろう。
社会が認定した数。それだけでも実際に196か国あるらしい。

 世界を脅かす半島国の首都になるピョンヤンだ。ダンジョンが
誕生したことから迎合する。国際連合の所属すべてが採択した。

 加盟国すべての一致だ。改定された名称が新暦の元年になる。

――同一時刻。世界の都市で発生した起点――それが改革の礎に
繋がる記念日だ。『迷宮の日』世界が呼称することに決定した。

 ダンジョンが誕生することで正しく世界は変容を遂げている。


 いつもの部隊長が護衛していない閣下。謝罪が始まりだった。

「ほんま二人には悪いとおもうとるわい。ただなブーとシーとは
兼ねあいもあるのさ。もうちょいとお預けなんだ。すまんのぉ」

「…………」ココは無言だ。「仕方ないよ」永依の表情も暗い。

「ケージはいつも仕事ばっかりじゃあかんぞ。もっと遊べや!」
 なぜか無理に話題を変えた閣下の叫び。おかしな流れ被弾だ。

「理解できませんね。わざわざ遊ぶの?」仕事中毒なんだろう。
 ベル音が鳴る。同時にフィッシュオンの扉をくぐる美女二人。


「あら? ケージ君のそれ。冗談じゃなくてホンキだったかぁ」
 右差し指で上唇を押さえて苦笑い。白衣の女性は鈴音さんだ。

「からかうよりも難物すぎる佳二くん。なんとかしたいよねぇ」
 毅然とした立ち姿。皺のない上下黒スーツ女性は美里さんだ。

「いや性格とか関係ないからね。ダンジョンには入れない状況。
これから三国の意志統一とかもある。理解するしかないけどさ」

 なにをどう伝えればいいかも難しい。発する言葉に淀むんだ。

「会社勤めじゃないからさ。時間は拘束されない。ここで好きに
酒とメシ食える。最近仕事とか遊びの境界もどこかが曖昧でね」

 なんというかな遊んでいるような感覚だよ。いつも流される。


「わかったぜケージ。こっちに泊まりだから北新地かミナミだ。
夕方呑みにいくぞ。それなりの格好だけを意識しておけばいい」

 うーんと頭を抱える閣下だよ。こちらに理不尽すぎる命令だ。

 なぜか反論できないよ。女性陣も仕方ないと諦め顔の無言だ。
酒は好きなんだよ。不満でもないけれどお水のお姉さんは苦手。

 落ちつきがない状況だ。それでも新しい運命の幕開けだった。

コメント

コメントを書く

「現代ドラマ」の人気作品

書籍化作品