巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第三章 世界の果てと見えない未来図。

世界の夜明けと共に(3)

 この状況を招いた張本人。ココと同時に消えた鳥羽サクラだ。

 だがしかし背後関係は判明しない。保証人が実在しないのだ。
本人と履歴書が一致しないから関係者も頭を抱えるだけだった。

 裏表に諸事情あるフィッシュオンの特殊状況が波乱を生んだ。
スカウトしてサクラを雇用した理由もカナメ先輩の独断なんだ。

 特殊すぎる環境で一般媒体では従業員を募集していない店だ。

 その実態を理解できる範囲でもカナメ先輩の表面が関係する。
公安の捜査官として潜伏する状況下で関わった事件の当事者だ。

 ミナミの違法風俗店で半強制の売春行為を求められたらしい。


 情報の提供で以前から信頼あるカナメ先輩に相談した結果だ。

 風俗店は廃業に追いこまれて店舗は形態を変更してから改めて
引き継いだ。従業員としては新規で雇用した相手になるらしい。

 昔と聴いて余計にサクラの年齢と性別がチグハグでおかしい。
覇権国のスパイが当時から潜入を目論んだ可能性も考えられる。

『事実は小説よりも奇なり』有名なことわざだろう。かなり昔に
英国詩人が残した言葉の真意。それなりには複雑かもしれない。

『世の中で起こる出来事は虚構小説より奇妙で不可思議である』
 意図した案件も冗談か本心か理解しにくい曖昧な印象なんだ。


 ココがいるだろう場所。ビーコン位置にあるのは漁船だった。

 川崎重工の神戸工場に係留される対象じゃない。姿を見せずに
近づくのが難しい場所だ。だがしかし海を隔てると突堤なんだ。

 正しいGPSの位置情報が判明しただけで詳細は分からない。
日本で他国の船が自由航行できる範囲と状況は制限されている。

 この件で敵対する組織が謎だ。誘拐犯が正式に大元である国家
所属じゃない可能性まである。世界一を誇る人口の軍事国家だ。

 一党による独裁政権で幹部が熾烈に争う状態は理解している。
五輪担当幹部が暴走しただけで国家は関与しない可能性がある。

 サクラちゃんが敵か味方か判明しない状況では行動も厳しい。


 状況を打開するために起案された作戦も難しいものじゃない。
だがしかし現地に到着してmaleが調べると増援されていた。

 出発する際にGPSで確認された位置は中型の漁船が二隻だ。
現地に到着してから確認した結論で船舶が三隻に増加している。

 ただの漁船ではなかった。いわゆる船体がホバークラフトだ。

 軍用船が登場して驚いた。人民軍では揚陸艦搭載の専用艇だ。
分類で小型エアクッション型。揚陸艇と呼ばれている軍用船だ。

 鈴音さんが本部に確認して歩兵は最大十人で乗員も二名必要。

 漁船員を除いても十二名もの海軍歩兵が敵対することになる。
全員で打ちあわせて母艦は現時点で意識しないことに統一した。


 これも幸いした状況で乗員数から想定すると貨物は積めない。

 そもそもが車両もない歩兵で自動小銃の携帯が限界とされる。
ミサイルや迫撃砲など高威力長射程の兵器は搭載されていない。

 俗にいうライフル銃とか小型の拳銃が相手なら近接戦可能だ。
防御面が心配でfemaleと連動させる特殊機能を使用する。

 カナメ先輩と美里さんは志願して真冬の海中から突入だった。

 そもそも自分に無理だ。いけといわれても逃げまわるけどね。
カナメ先輩は意外に海中は暖かいのと笑っていたがきっと嘘だ。

 体につける黒い全身タイツは耐水性にも優れた新素材らしい。


 小口径自動小銃を相手にするなら遠距離対策だ。頭部の被弾を
警戒すれば十分らしい。真冬の海上で銃撃戦は難しいんだろう。

 それなら近接の物理対応が確実らしい。ラクだと全員で笑う。

 臆病すぎる弱虫オタクでもある自分だけ笑えない状況なんだ。

 いつもながら考えさせられる。足代わりガジェットができても
圧倒的に経験不足。脆弱な精神と子供にも負ける体力しかない。

 こんな状態でスーパーヒーローとか呼ばれる行動はできない。
考えるだけで悲しみよこんにちはと自虐させられる情けなさだ。


「ケーちゃんやった。ここから見える橋を渡れば中央市場だね」
 自走する車いすの黙想だった。元気な声かけは背後の永依だ。

「うん。中央市場駅も神戸市営だ。地下鉄の海岸線だったっけ。
こんなのが三宮から新長田を結ぶ路線なんだからびっくりだよ」

 いよいよココがいるだろう船の傍なんだね。改めて意識する。

 闘いの果てに訪れる未来。それが感動か絶望か誰もしらない。

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