巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第一章 始まりが雨でなく運命?

始まりの迷宮で邂逅(9)

「どうしてこうなった?」正面の闘いを見つめながら驚愕する。

 突如開始された戦闘行為。収束させる方法がないかと考える。
「ちょっと待ったぁ!」呆然としながらも見守り発した絶叫だ。

「ええーケーちゃん。それちげぇよ。いきなり告白しちゃうの?
 どっちにどっちだアーッハッハ」叫んで高笑いしている永依。

「ねるとんのネタじゃねぇよ。ねーちゃんにチクりてぇよぉ……
双方落ちついてね。距離おいていいからその場で床に席ろうよ。
ウサ耳さんに言葉の意味は通じる? 理解できるなら嬉しいな」


 変わらないネタ三昧おバカは無視してウサ耳の少女に伝える。

「あぁ。ウサ耳さんと呼ばれるのは困るかな。会話も問題ない」
 素直なウサ耳の少女だ。強いのに思考は柔軟だと嬉しかった。

「えぇなんでよ。みた目と声かぁいい。男の言葉最悪じゃーん」
 右往左往のおバカさん。不満な声で応じるウサ耳少女は健気。

「は? たんなるウサギなんだ。体だけが人間の女に変化した。
デカくて首が二つの黒犬を倒したんだ。その心臓喰らったのさ」


「首が二つもある黒い犬っ!? あーしも倒したら美少女戦士の
セーラー服のヒロインなれたり。月に変わってお仕置きだよ♫」

 おバカ娘と能力が天元突破。常識を持たないウサ耳の少女だ。
話題ごとドンドン流れる。妙な方向に転がるだけで収束しない。

『始まりの迷宮』邂逅した瞬間だ。お互いの価値観と境遇の差。
プラスとマイナスがお互い招いて同族嫌悪で絶望的に反発する。


「ハハハハ」お互い笑顔だ。見つめあうだけの両者を前に悩む。
呆然としながら思考を放棄した。疲労感まで倍返しされたから。

「まぁいい。勝負済んで友情が芽生えるのも少年漫画の定番さ。
ルール決めと勝負の決着だよね。どんな感じに勝者判定するか」

 だがしかし闘争本能は即応する。双方の意識だけが先行した。


「あぁ。正面からの闘いなら不満もない。むしろ嬉しいからな」
 ウサ耳少女も自信満々だった。最初から闘争本能が全開だよ。

「ふーん。あーしはいろんな準備いるかなー。時間欲しいよね」
 円陣に着座しながら軽い応答。なにか考える永依が謎すぎる。


「双方に異存ないなら審判やるけどさ。出入禁止にならない?」
 階層主不在でも使用できるかわからない。素朴な疑問だった。

「そんなの誰もわからない。機械音の管理人さん次第なんだよ」
 知識だけの加護を得たウサ耳少女は本質を理解できていない。

 煽り文句に承諾する永依が逆に思いつき言葉で提案している。
「日本政府にバレるまでならさ。勝手に使ってもいんじゃね?」


 価値観とか知識が決定的に噛みあわない二人だ。理解も不能で
最善策は不可能でも常識的顛末。その程度で穏便に済ませたい。

「別に犯罪じゃないけどさ。それでも早いほうが問題ないよね」

「わかったー。すぐにでも決闘しよっか。それとなんだけどさー
勝ったらでいいよ。ご褒美とかを賭ける対象できたりしねえ?」


「うんなにかしらの成果だよね。勝負としてヤル気もでるかな」
 ふたたび価値観のちがいで脱線した。即座に話題を戻すのだ。

「別に必要ない……この場所の上にあるはずの公園に捨てられた
ウサギなんだよ。それがいつの間にか身体ごと進化したんだが」


「「へぇ。かわいそうな状況だよね。どこか悲しくなる内容」」

 ウサ耳少女の自分語りが始まる。伝えられた過去には驚きだ。

「なんか頭のなかで声が響いて本能の赴くままに進んだだけさ。
最後に黒犬を倒して心臓を喰らう。そこで人間に変化したのさ」

「「それがすごいよ。変身できたんだ」」見事なオウム返しだ。

 理解されたことでウサ耳少女も嬉しいらしい。満面の笑顔だ。
「ほんとわけわからないよ」顔を伏せて悩む仕草も可憐だった。


「そっか。ぬいぐるみウサギみたいな動物? 人間の言葉を話す
相手に騙されたりとか妙な契約を結ばされたりもしないんだね」

 理解不能で斜め上な永依の言葉に目を丸くするウサ耳少女だ。
「なんだそれ」本気で意味がわからないと首を傾げながら悩む。

「それ定番じゃねーの『ボクと契約して魔法少女になってよ?』
みたいなヤツだ。そいつが悪いカミサマの手先みたいなんだよ」


 すでに興味本位なだけで完全アウトの方向に変化する言葉だ。
「エーちゃんそれ絶対マズいから。そのまんまのパクリじゃん」

 ギリギリでアウトになる永依だ。言葉を耳にして頭を抱える。

「わからないが魔法ってなに? おかしな攻撃なんて無理だよ」

「ふーん。迷宮なんだから魔法を使えるはずだよ。残念すぎる」
 ウサ耳少女にはご立腹の永依。少女が永遠に憧れる魔法使い。

「当然じゃん。オレも魔法使いになりたくねぇ。恥ずかしいよ」
 難しく考えずにツッコんだ。永依から即座のブーメラン攻撃。


「それ。意味ちげぇしょ」「いやー。これも定番ネタじゃん?」

 繰りひろげられるのは漫才みたいな会話だ。あっけにとられて
放心しているウサ耳少女だった。内容はわかるが理解できない。

 円陣で適切な距離を空けた着座。それでも不思議な関係だよ。

 それぞれ問題が解決すれば未来は変わる。誰もしらない事実。

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