【完結】政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
第八章 零士さんを愛してる1
今日は二度目の……というよりも前回はほぼ雑談で終わったので、これが正式なブランド立ち上げの審査と言っていい。
「よろしくお願いします」
持参したデザイン画や服が目の前で審査される。
これは、何度経験しても緊張するし、慣れない。
「前職では今どきの商品を作っていたようですが、やはりクラッシック調が得意みたいですね」
「はい」
前回、作るのが好きなのはクラッシック調だとすでに伝えてあった。
「一般商業ラインでは難しいですが、需要がないわけではありません」
社内モデルに私の服を着せ、ラインなどが確認される。
たっぷりフリルのブラウスとスカート。
どこか粗はなかっただろうかと気が気ではない。
「このスカート、ツーウェイなんですよね?」
「はい。
リボンを縛ってパニエを穿くことで、バッスル風になります」
リボンを結び、モデルにパニエを穿いてもらって実際に見せた。
「面白いですね」
担当の女性は感心するようにうんうんと頷いている。
これは……手応えあり?
「それで、結婚衣装ですが……」
話題は、マネキンにかけられた仮縫い状態のドレスたちに移っていく。
「社長はこれをブランドイメージ据えて展開したいと仰っていましたが……」
これはダメとか?
不安な気持ちで続きを待つ。
「完成が楽しみです」
女性がにっこりと私に笑いかける。
これって……そういうことですか?
気分は一気に上がりかけたものの。
「いくつか、こちらから要望を出させていただきます」
「はい」
背筋を伸ばし、彼女の話を聞いた。
趣味ではなく商業ベースにのせるには、いろいろ制約や条件があるのは会社勤めを経験してわかっている。
言われるダメ出しや変更点を真剣に聞いた。
自分でもわかっていなかった問題点などが上げられて、ありがたい。
「では、これらを踏まえてまた次回、よろしくお願いします」
「はい」
よし、頑張るぞー!
……は、いい。
それでこれは……?
「あの……。
採用なんでしょうか、不採用なんでしょうか……?」
どちらか判断がつかなくて、おそるおそる聞く。
「はい?
採用以外になにかあるんでしょうか……?」
女性はなにを聞かれているのかわからないといったように、何度かぱちぱちとまばたきをした。
「はい……?」
私もわからなくて彼女と顔を見あわせ、同じようにまばたきをする。
まさか、忖度……はないよね?
「先にいただいたデザイン画を元に、社内で事前協議を行いました。
クラッシックラインのブランドは当社にはありませんし、面白いです。
実績も問題ありませんし、プレ企画で反応を見てみてそれから本格始動……と社長にお伝えしていたのですが、聞いてないですが?」
「え、えーっと……。
はははっ」
とりあえず笑って誤魔化した。
それでこのあいだ出ていくとき、零士さんはなんか意味深に笑っていたわけだ。
「お仕事の話はここまで……といっても、こちらもブランドイメージになるわけですから、仕事には変わりないんですが」
休憩する暇もなく、次へと移る。
「ウェディングドレス試着、しましょうか」
「よろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げて、準備に移る。
仮縫いドレスの調整を誰に頼むか零士さんに相談した結果、会社の方がしてくださることになった。
仕事中にこんな私的なお願いをしてもいいのか気になったが、これもきちんと仕事として取り扱って業務に支障がないようにするし、それにブランドイメージになるんだから仕事だろ、と零士さんは言ってくれてほっとした。
準備されたパーティションの向こうで着替える。
本当はモデルさんと同じく、男性がいようとその辺で着替えるつもりだった。
今までも仕事ではそれが普通だったし。
しかしながら零士さんの大反対が出て、わざわざパーティションが準備される運びとなった。
「ほんと、ヤキモチ妬きだよね」
着替えながら数日前の零士さんが思い出されて笑いが漏れる。
『仕事だろうがなんだろうが、俺以外のヤツの前で着替えるなんて論外だ!』
「よろしくお願いします」
持参したデザイン画や服が目の前で審査される。
これは、何度経験しても緊張するし、慣れない。
「前職では今どきの商品を作っていたようですが、やはりクラッシック調が得意みたいですね」
「はい」
前回、作るのが好きなのはクラッシック調だとすでに伝えてあった。
「一般商業ラインでは難しいですが、需要がないわけではありません」
社内モデルに私の服を着せ、ラインなどが確認される。
たっぷりフリルのブラウスとスカート。
どこか粗はなかっただろうかと気が気ではない。
「このスカート、ツーウェイなんですよね?」
「はい。
リボンを縛ってパニエを穿くことで、バッスル風になります」
リボンを結び、モデルにパニエを穿いてもらって実際に見せた。
「面白いですね」
担当の女性は感心するようにうんうんと頷いている。
これは……手応えあり?
「それで、結婚衣装ですが……」
話題は、マネキンにかけられた仮縫い状態のドレスたちに移っていく。
「社長はこれをブランドイメージ据えて展開したいと仰っていましたが……」
これはダメとか?
不安な気持ちで続きを待つ。
「完成が楽しみです」
女性がにっこりと私に笑いかける。
これって……そういうことですか?
気分は一気に上がりかけたものの。
「いくつか、こちらから要望を出させていただきます」
「はい」
背筋を伸ばし、彼女の話を聞いた。
趣味ではなく商業ベースにのせるには、いろいろ制約や条件があるのは会社勤めを経験してわかっている。
言われるダメ出しや変更点を真剣に聞いた。
自分でもわかっていなかった問題点などが上げられて、ありがたい。
「では、これらを踏まえてまた次回、よろしくお願いします」
「はい」
よし、頑張るぞー!
……は、いい。
それでこれは……?
「あの……。
採用なんでしょうか、不採用なんでしょうか……?」
どちらか判断がつかなくて、おそるおそる聞く。
「はい?
採用以外になにかあるんでしょうか……?」
女性はなにを聞かれているのかわからないといったように、何度かぱちぱちとまばたきをした。
「はい……?」
私もわからなくて彼女と顔を見あわせ、同じようにまばたきをする。
まさか、忖度……はないよね?
「先にいただいたデザイン画を元に、社内で事前協議を行いました。
クラッシックラインのブランドは当社にはありませんし、面白いです。
実績も問題ありませんし、プレ企画で反応を見てみてそれから本格始動……と社長にお伝えしていたのですが、聞いてないですが?」
「え、えーっと……。
はははっ」
とりあえず笑って誤魔化した。
それでこのあいだ出ていくとき、零士さんはなんか意味深に笑っていたわけだ。
「お仕事の話はここまで……といっても、こちらもブランドイメージになるわけですから、仕事には変わりないんですが」
休憩する暇もなく、次へと移る。
「ウェディングドレス試着、しましょうか」
「よろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げて、準備に移る。
仮縫いドレスの調整を誰に頼むか零士さんに相談した結果、会社の方がしてくださることになった。
仕事中にこんな私的なお願いをしてもいいのか気になったが、これもきちんと仕事として取り扱って業務に支障がないようにするし、それにブランドイメージになるんだから仕事だろ、と零士さんは言ってくれてほっとした。
準備されたパーティションの向こうで着替える。
本当はモデルさんと同じく、男性がいようとその辺で着替えるつもりだった。
今までも仕事ではそれが普通だったし。
しかしながら零士さんの大反対が出て、わざわざパーティションが準備される運びとなった。
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