【完結】政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
第二章 新婚旅行は超ハードスケジュール!5
零士さんが指したのは、プラチナのパヴェリングだった。
センターが細くくびれ、アクセントになっている。
「素敵です……!」
零士さんが店員に合図し、出してもらう。
それを彼は私の左手を取って薬指に嵌めた。
「サイズもちょうどいいみたいだし、いいんじゃないか?」
「そうですね……」
実際に指に着けてみると、さらによく見えた。
「でも、最初の店で決めてしまうのもあれだよな。
もう何軒か見てみよう」
零士さんが店員に断り、店を出る。
ちょっと残念。
あれ、けっこう気に入ったんだけどな。
でも零士さんの言うとおり、他にもっといいのがあるかもしれないし。
そのあと、さらに何軒か見てまわった。
結局決まらずに、カフェでお茶にする。
「微妙に、なんか違うんだよなー」
アイスコーヒーのストローを咥え、零士さんはブツブツ言っている。
デザインは好きだがダイヤが大きすぎとか、このデザインでパヴェリングじゃない方がいいとかずっと不満を漏らしていた。
「いっそ、オーダーにするか」
それはいい考えかも。
それなら、零士さんの希望どおりに作れる。
「オーダー、賛成です」
「そうか!
帰国したら早速手配しよう」
了承が得られて、零士さんは嬉しそうに頷いた。
でもあれ、惜しかったな。
しかしファッションリングで買うほど、手軽な値段でもなかったし。
諦めよう。
「わるい、ちょっと待っていてくれないか」
お茶も飲み終わり、零士さんが腰を浮かせるので立とうとしたら止められた。
「どうかしたんですか?」
「ん?
ちょっとな。
ケーキでも食べて待ってろ。
食べたそうな顔してただろ」
「あいたっ」
その長い指で私に軽くデコピンし、ニヤリと笑って零士さんは店を出ていった。
「……子供扱い」
九つも下だとそうかもしれないけれど。
それでも素直に追加でケーキを頼む。
「バレてたんだ……」
大人の女性に見られたくて、美味しそうなケーキは我慢してマカロンを摘まむだけに留めた。
……零士さんに釣り合いたい。
それでなくても今日、私は零士さんにお子様抱っこされて移動している。
お兄さんとお買い物? とまで聞かれた。
ここでは日本よりもさらに若く見られるから、小さな子供扱いされても仕方ない。
でも、零士さんの小さな妹と見られるのは嫌だ。
仮にも……妻なのだ。
「待たせたな」
ケーキも堪能し終わり、零士さんまだかなーなんて待っていたら、彼が戻ってきた。
「用は終わったんですか」
「まあな」
零士さんに促されて立ち上がる。
支払いはすでに終えていたらしく、そのまま店を出た。
「行きたいところがあるんだが、いいか?
ちょっと歩くけど」
私を抱き抱え、零士さんが聞いてくる。
「私はいいですけど、零士さんは大丈夫ですか?
やっぱり、私も歩いた方が……」
「清華を抱えて歩くくらい、なんの問題もない。
それにしても清華は軽いなー。
しっかり食べてるのか?」
心配そうに彼が顔をのぞき込む。
「……食べてますよ」
少し熱い顔で、レンズの向こうから見つめる瞳から目を逸らした。
……零士さん、格好いいのズルい。
ちょっとしたことでどきどきしてしまう。
十分くらい歩いて零士さんが私を連れてきたのは、街の中にある小さな教会だった。
「……こんなところに教会があるんですね」
私を降ろした零士さんと一緒に教会に入る。
小さいながらも歴史を感じさせ、素敵な雰囲気だった。
センターが細くくびれ、アクセントになっている。
「素敵です……!」
零士さんが店員に合図し、出してもらう。
それを彼は私の左手を取って薬指に嵌めた。
「サイズもちょうどいいみたいだし、いいんじゃないか?」
「そうですね……」
実際に指に着けてみると、さらによく見えた。
「でも、最初の店で決めてしまうのもあれだよな。
もう何軒か見てみよう」
零士さんが店員に断り、店を出る。
ちょっと残念。
あれ、けっこう気に入ったんだけどな。
でも零士さんの言うとおり、他にもっといいのがあるかもしれないし。
そのあと、さらに何軒か見てまわった。
結局決まらずに、カフェでお茶にする。
「微妙に、なんか違うんだよなー」
アイスコーヒーのストローを咥え、零士さんはブツブツ言っている。
デザインは好きだがダイヤが大きすぎとか、このデザインでパヴェリングじゃない方がいいとかずっと不満を漏らしていた。
「いっそ、オーダーにするか」
それはいい考えかも。
それなら、零士さんの希望どおりに作れる。
「オーダー、賛成です」
「そうか!
帰国したら早速手配しよう」
了承が得られて、零士さんは嬉しそうに頷いた。
でもあれ、惜しかったな。
しかしファッションリングで買うほど、手軽な値段でもなかったし。
諦めよう。
「わるい、ちょっと待っていてくれないか」
お茶も飲み終わり、零士さんが腰を浮かせるので立とうとしたら止められた。
「どうかしたんですか?」
「ん?
ちょっとな。
ケーキでも食べて待ってろ。
食べたそうな顔してただろ」
「あいたっ」
その長い指で私に軽くデコピンし、ニヤリと笑って零士さんは店を出ていった。
「……子供扱い」
九つも下だとそうかもしれないけれど。
それでも素直に追加でケーキを頼む。
「バレてたんだ……」
大人の女性に見られたくて、美味しそうなケーキは我慢してマカロンを摘まむだけに留めた。
……零士さんに釣り合いたい。
それでなくても今日、私は零士さんにお子様抱っこされて移動している。
お兄さんとお買い物? とまで聞かれた。
ここでは日本よりもさらに若く見られるから、小さな子供扱いされても仕方ない。
でも、零士さんの小さな妹と見られるのは嫌だ。
仮にも……妻なのだ。
「待たせたな」
ケーキも堪能し終わり、零士さんまだかなーなんて待っていたら、彼が戻ってきた。
「用は終わったんですか」
「まあな」
零士さんに促されて立ち上がる。
支払いはすでに終えていたらしく、そのまま店を出た。
「行きたいところがあるんだが、いいか?
ちょっと歩くけど」
私を抱き抱え、零士さんが聞いてくる。
「私はいいですけど、零士さんは大丈夫ですか?
やっぱり、私も歩いた方が……」
「清華を抱えて歩くくらい、なんの問題もない。
それにしても清華は軽いなー。
しっかり食べてるのか?」
心配そうに彼が顔をのぞき込む。
「……食べてますよ」
少し熱い顔で、レンズの向こうから見つめる瞳から目を逸らした。
……零士さん、格好いいのズルい。
ちょっとしたことでどきどきしてしまう。
十分くらい歩いて零士さんが私を連れてきたのは、街の中にある小さな教会だった。
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