狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
極道の妻として⑥
いつもの尊なら、美桜の反応を嬉々とした表情で見遣ってから、行為へとゆっくり移行していくのだが。
「なら、可愛い奥さんのお望み通り、たっぷりと甘やかせてやるから、俺にどうされたいか言ってみろ」
「……え?」
素直な美桜の反応に対して尊から返された言葉は、いつもとは少々違っていた。
まさか尊からなにをされたいかなどという問いかけが返ってこようとは夢にも思わなかった美桜の声は裏返ってしまう。
「『え』じゃないだろ。どうされたいか言葉で言ってくれないとわからない」
「……そ、そうですけど」
「ほら、早く言ってみろ」
けれども尊の言葉での攻め立ては緩むどころか、強まる一方で。
尊からの要求に、途端に勢いを失い小さく身を竦めた美桜がギュッと胸にしがみついているのをやんわりと引き剥がし、正面から意地の悪い表情で見据えてくる。
尊の黒く煌めく瞳には、行為の最中に見せる妖しい光が宿っているように見える。
どうやら今夜は少し様子が違っているようだ。
おそらく、いつになく素直なお強請りをした美桜の言動が尊の嗜虐心を刺激してしまったのだろう。
もしくは、こういうことに慣れているのだろうから、数多の女性ともっと濃厚で刺激的な、大人の駆け引きを愉しんできたのだろう。
そんな尊にしてみれば、初心すぎる美桜との行為では物足りないのかもしれない。
  美桜の脳裏に様々な仮説が浮上しせめぎあう。その結果。
ーーそうだとしても、妻には変わりなんだから、同じように扱われるなんて嫌だ。
  導き出された結論によって、美桜は突き動かされてしまう。
「他の女性にもそうだったんですか? だったら言いません。同じなんて嫌です」
言ってしまった直後、はっと我に返ってしまった美桜は大いに焦った。
ーーこれじゃまるで嫉妬だ。好きだと言ってるも同然だ。
これまで、せっかく尊への気持ちをひた隠しにしてきたのに、全てが水の泡になってしまう。
美桜が焦りに焦っていると、虚を突かれたようにポカンとしてしまっていた尊がニヤリと意地の悪い笑みを湛えた唇で弧を描いた様が視界に割り込んできた。
たちまち妙な緊張感に見舞われた美桜の鼓動が早鐘を打ち始める。
もちろん、恐怖心からではない。尊になにを言われなにをされるのだろうかという、期待感に胸が高鳴っているのだ。
「可愛いお強請りの次は嫉妬か。俺の奥さんは随分嫉妬深いんだなぁ」
「ち、違いますッ」
「じゃあなんだ?」
「そ、それは、だって。一応奥さんなんですから、他の女性と一緒は嫌だってだけです」
「ふうん、わかった。だったらこれからたっぷりと身体に教え込んでやる。こんな風に優しくするのも、大事にしてるのも、妻である美桜にだけだってことをな」
「ーーえ?」
「当然だろう、夫婦なんだからな。妙なことを考える余裕なんて俺が今すぐなくしてやる」
「あっ、んぅ……んんッ」
混乱気味の美桜の思考を強引に奪い去るようにして、尊に噛みつくようなキスをお見舞いされてしまった美桜は、宣言通り、数秒足らずで思考もろとも蕩かされてしまう。
そうしてあれよあれよという間に、帰宅後着物から着替えていたニットワンピーの裾を大胆に胸元までたくし上げられていた。
「なら、可愛い奥さんのお望み通り、たっぷりと甘やかせてやるから、俺にどうされたいか言ってみろ」
「……え?」
素直な美桜の反応に対して尊から返された言葉は、いつもとは少々違っていた。
まさか尊からなにをされたいかなどという問いかけが返ってこようとは夢にも思わなかった美桜の声は裏返ってしまう。
「『え』じゃないだろ。どうされたいか言葉で言ってくれないとわからない」
「……そ、そうですけど」
「ほら、早く言ってみろ」
けれども尊の言葉での攻め立ては緩むどころか、強まる一方で。
尊からの要求に、途端に勢いを失い小さく身を竦めた美桜がギュッと胸にしがみついているのをやんわりと引き剥がし、正面から意地の悪い表情で見据えてくる。
尊の黒く煌めく瞳には、行為の最中に見せる妖しい光が宿っているように見える。
どうやら今夜は少し様子が違っているようだ。
おそらく、いつになく素直なお強請りをした美桜の言動が尊の嗜虐心を刺激してしまったのだろう。
もしくは、こういうことに慣れているのだろうから、数多の女性ともっと濃厚で刺激的な、大人の駆け引きを愉しんできたのだろう。
そんな尊にしてみれば、初心すぎる美桜との行為では物足りないのかもしれない。
  美桜の脳裏に様々な仮説が浮上しせめぎあう。その結果。
ーーそうだとしても、妻には変わりなんだから、同じように扱われるなんて嫌だ。
  導き出された結論によって、美桜は突き動かされてしまう。
「他の女性にもそうだったんですか? だったら言いません。同じなんて嫌です」
言ってしまった直後、はっと我に返ってしまった美桜は大いに焦った。
ーーこれじゃまるで嫉妬だ。好きだと言ってるも同然だ。
これまで、せっかく尊への気持ちをひた隠しにしてきたのに、全てが水の泡になってしまう。
美桜が焦りに焦っていると、虚を突かれたようにポカンとしてしまっていた尊がニヤリと意地の悪い笑みを湛えた唇で弧を描いた様が視界に割り込んできた。
たちまち妙な緊張感に見舞われた美桜の鼓動が早鐘を打ち始める。
もちろん、恐怖心からではない。尊になにを言われなにをされるのだろうかという、期待感に胸が高鳴っているのだ。
「可愛いお強請りの次は嫉妬か。俺の奥さんは随分嫉妬深いんだなぁ」
「ち、違いますッ」
「じゃあなんだ?」
「そ、それは、だって。一応奥さんなんですから、他の女性と一緒は嫌だってだけです」
「ふうん、わかった。だったらこれからたっぷりと身体に教え込んでやる。こんな風に優しくするのも、大事にしてるのも、妻である美桜にだけだってことをな」
「ーーえ?」
「当然だろう、夫婦なんだからな。妙なことを考える余裕なんて俺が今すぐなくしてやる」
「あっ、んぅ……んんッ」
混乱気味の美桜の思考を強引に奪い去るようにして、尊に噛みつくようなキスをお見舞いされてしまった美桜は、宣言通り、数秒足らずで思考もろとも蕩かされてしまう。
そうしてあれよあれよという間に、帰宅後着物から着替えていたニットワンピーの裾を大胆に胸元までたくし上げられていた。
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