青も虹も黒
ある日の部活終わり (8/73)
「それでは今日の練習を終わりにします。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
長距離ブロック長の鈴木に続いて挨拶をした後、競技場に向かって一列になる。
「ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
いつものように練習の締めの挨拶が終わり、振り向いて荷物置き場に向かう。
「前澤(まえざわ)と岸(きし)とアツシ、ちょっと来て」
これはいつもと違う。後ろで監督が1年の長距離ブロックの3人を呼ぶ。ここではまだ3人の方を見ないようにしていたが、3人の表情は想像がつく。荷物置き場で着替えをする。汗で濡れた上の肌着だけを素早く着替えながら3人と監督の方を見る。他の部員も3人のことを話題にはしない。大体の内容はみんな想像できているし、空気が悪くなることもみんなわかっている。忘れ物がないか確認をしてから帰る。
「お疲れー。」
「お疲れー。」
「お疲れ様です。」
競技場を出る前に監督と3人の方を見る。ついに、退部させるのか。
気持ちが落ち込む。今日も辛い1日になってしまった。
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