ぐれ〜む〜ん-貴方、妖精になりなさい!-

+_+

プレオープン【お帰りなさいませご主人様♡】(2)








と言われ言ったものの、その後

「思ったよりはここも使えそうね」

ホコリは被り放題。なんとか店は建っているが壊れ荒れ果てた内装。そう、彼女がこれから使用するメイドカフェ予定地。
酷いカビ臭さ。こんな物どうしろというのか。
一花は何事もないようにあたりを物色しては使える使えないの分別を始めた。

「マスクとかないんですか?ここすごく不衛生ですよ」

「何いってんの、こんなんでああだこうだ言ってたら働いていけ無いわよ〜、あ、これは使えそう」

せめてあと一人か二人くらい人がいれば違うのに、この時点で何も言わないということは当てもないのだろうと思ったが

「他に雇ってる人とか居ないんですか?」

「それは妖精の貴方が連れてくるんでしょ、メイドカフェってそういうものだって聞いてたんだけど〜」

やはり駄目だ。僕には身よりもなければ友達も存在しないこの世界でどう見つけろというのか。
カウンター席の裏側に扉を見つける

「一花さん!ここに扉ありますよ!あけますね」

「いいわよ」

重くて開かない。ずっと閉じたままなのだろうか。力を込めてぐっと引っ張ってみる
すると、取っ手が取れそのまま後ろに大きく尻餅をついた。ゆっくりと扉が開く。

「ちょっと!何壊してるのよ!」

「すみません!!!って!…なんだこれ」

空いた扉の中にはメイド服を着せられたボロボロの女の子がいた。死んだように眠っているのか寝息すらも聞こえない。

「あら、珍しい。旧型のアンドロイドじゃない。今じゃ使われることもないし廃止された型だわ。処分が難しいから不法投棄されたのかもね〜。アンドロイドの不法投棄は今じゃ罰金どころじゃ済まないし」

「あ、アンドロイド!?え、人間じゃないですか!!」

「そう、だから廃止されたのよ。見分けがつかないくらい精工で一時期は流行ったけど処分が大変らしくてね〜。その後の型が更に感情などを持つAIプログラムで区別が全くつかなくなってしまった事から法律上廃止。でも、旧型なら法律に引っかからないから起動できれば人員にできるんじゃない?」

そう言うと彼女はアンドロイドの頭をポンポンと叩いて運び出し、電源スイッチの場所を探している。どうやら旧型アンドロイドというやつは充電不要な構造らしい。
電源スイッチを見つけたらしく怖いから押してと強要してくる

「ななな!なんでこんなところにスイッチがあるんですか!?」

驚くことにスイッチの場所が見事に実ったたわわの突起を押す仕組みらしい。自分はこの18年間彼女もいたことが無い上にピンクなものに触れたことが殆ど無い。
勿論、同人の漫画は多少は読むが未成年な学生故に資金的にもそこまで買い漁ることもでき無いし親や姉妹にバレるのを防ぐだめに即処分!という人生を送っていた。更にだ、自分だけならまだしもここに女性がいるのだ。その女性の前でこのような破廉恥な行為を行うのは道徳的に考えてもおかしいだろう。

「可笑しい?何がよ。あ!ぁぁあ!分かった!!今私の胸と見比べたのね!!!私のが酷く小さいからでしょう!?可笑しいのは私ってこと!?そ、それに…こういうのは男の子がするものよ…。。。」

「ちちちち!!ちがいますよ!!てか心の声聞こえてたんですか!?」

「ダダ漏れよ!!って!ほら!!!今!乳って言った!!チチって確かに聞いたわよ!!」

「だ!だからそれは!!動揺して噛んだだけでそんな!お●ぱいの事じゃ!!」

「ほら!今お●ぱい!って確かに!!あんた見かけによらず変態なんじゃないの!?」

「だから!誤解ですって!!誤解っ!!!あ!」

何とか誤解を解こうと焦って立ち上がると足元にあったボロボロの椅子ともつれる。そのまま一花の方へ倒れ込む。

「ぎゃぁぁぁぁあ!!!ちょっちょちょちょちょ!!!触ってる触ってる!!さっきまではからかいのつもりだったのに!!本当に触ってくるとか!サイテー!!」

「うわぁぁああ!!!!違っ違くてこれは!!うっっ!!まってちょ、マジで!!うげっっっ…んんんん…」

一花は叫び、和樹は下半身を蹴られ蹲る。そう、地獄絵図である。






キュインキュインキュインキュインキュインギュギュキュキューーン







突然何かが回りだす音と共に、その機械少女は青い光に包まれて目を覚ましたのである。










「おはようございます。豚野郎共」








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