幻魔世界のマヨイビト

ノベルバユーザー586521

第三話 怪物

「な、何が起こった!?」
突然として起こった出来事で渚は、焦りつつ、周りを見渡す。
周りは砂ぼこりで視界がさえぎられ、どうゆう状況かが、確認できず。
(くっそ、なんも見えねぇ。カレンは大丈夫か?)
渚は、何も見えない状況でカレンが心配になる。
「カレン大丈夫かー!!」
大声でカレンの無事を確認しようとする。すると、
「キャー!!」
カレンの悲鳴が聞こえてくる。
「カレン!?」
渚はとっさに、悲鳴が聞こえてきた方向に走る。そして、
「あっ、カレン!!」
砂ぼこりか晴れ、向こうにカレンの姿を発見する。
「カレン!!大丈夫かー!!」
渚は駆け寄ろうとする。すると、
「ん?あいつ、なんて言ってるんだ?」 
カレンがこちらを向き、何かを喋っていることに気が付く。だが、渚には何を言っているか分からなかった。それもそのはず、カレンのいる場所は渚から距離があり、なおかつ、渚は先の轟音で耳を少しやられている。そんな状態で聞こえるわけもなく。カレンの叫びは渚に聞こえることは無かった。
(くっそ、こうなったら。)
渚は諦めずに、カレンに近づくと、
「ナギサ、逃げてください!!」
「え!?ちょ、待て。何があ__。」
カレンの叫びに、何があったのかと、聞こうとした瞬間。後ろに気配を感じ、振り向くと、
「……は?」
そこには、赤い肌に、大きな角、どこまでも大きい体。そして、牛に似た顔やシッポの怪物。
渚は、驚きのあまり、動けなかった。
すると、怪物は右腕を上げる。
「逃げてください!!」
カレンは必死に叫ぶが、渚には聞こえていなかった。
(ヤバい。なんだよコイツ。何かしてくるのが分かるのに、動けねぇ。)
渚の驚きは恐怖に変わり、体を動かすことが完全的に出来なくなっていた。
「ナギサ!!お願いです、逃げてください!!ナギサ!!
ナギサ!!」
カレンは必死に叫び続ける。だが、その叫びも虚しく。怪物は右腕を振り下ろす。
(ヤバい、やられる!!)
渚が、そう思った瞬間、
「ナギサーー!!」
カレンが叫ぶ。それと同時に、渚の体が中に浮き、ギリギリの所で怪物の右腕を回避する。
ドゴーン!!
そして、怪物の右腕は地面を割る。
「あっっっぶねーー!!ギリギリ助かったー。てか、さっきの風は、なんだ?」
と、カレンの方を見る。
「大丈夫ですかナギサ!!」
と、遠くから、ナギサを心配そうに見る。
「お、おう。大丈夫だ!!」
(てか、さっきの風はなんだったんだ?)
と、疑問に思っていると
ウヴォー
と、煙の中から怪物が顔を出す。
「やっば!!」
と、後ずさると、
「下がってください。ナギサ!!」
カレンは叫ぶと、手を前に出す。
「何してるんだ、アイツ?」
突然、カレンの前に円状の紋章らしきものが、光を発しながら、構築されていく。
そして、それが完成すると、その中心から風で出来た、剣のような形をしたものが出てくる。
「『風弾』」
と、カレンが言うと、その風の塊が勢い良く発射される。そして、怪物の肩に命中する。

ブオオー!!
怪物は痛がっているのか、さっきよりも大きい声で鳴く。
「まだです!!」
カレンはすかさず、ふところに隠していたナイフを抜き、怪物に向かって走り出す。
「ハッ!」
怪物に近くまで来たカレンは、近くの木を蹴って高く飛ぶ。そして、怪物の首に向かってナイフを振るう。 
「勝てる!!」
渚は勝利を確信する。

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