カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
episode 1 入籍は突然に
「納得されないかもしれませんが、そう説明するほかないですからね……。後の処理は吉崎家が何とかされるんじゃないですかね。自分の可愛い娘のした選択ですし」
けろっとした表情でそう言うものだから、有馬さんは拍子抜けしたのか、苦笑いを浮かべて頷いた。
「畏まりました。ではそのように伝えます」
通常ならば無線で伝達するのだが、ことが事なだけに、有馬さんは他のスタッフに直接説明すべく、控室を出て行った。
「月城様、本日の予定は全てキャンセルということでよろしいですか?」
一番言いにくいことを口にしてくれた杏に、私は視線で感謝を伝えた。
「あ、いや、ちょっと、菱崎さんと二人にしていただけませんか?その後、今後の予定をお話しするので」
「わかりました……」
話したところで結果は変わらないだろうに、いったい何を話すというのだろう?
杏の表情からはそんな思いが滲み出ていたが、「失礼いたします」と一礼して控室を出た。
二人きりになってしまった……。
なんと声を掛けたらいいかわからず、居心地の悪い控室で小さく溜め息を漏らした。
「由華ちゃん、俺……捨てられちゃったねぇ」
蒼空は眉を寄せて困ったように笑ったが、無理に明るく振舞っている気がして、私は胸が締め付けられた。
「新婦に逃げられました、なんてこと、どの面下げて言えるわけ?冗談じゃないよね」
大きな窓に視線を向けてそう言った蒼空の心情を思うと、声を掛けるのも憚られた。
けろっとした表情でそう言うものだから、有馬さんは拍子抜けしたのか、苦笑いを浮かべて頷いた。
「畏まりました。ではそのように伝えます」
通常ならば無線で伝達するのだが、ことが事なだけに、有馬さんは他のスタッフに直接説明すべく、控室を出て行った。
「月城様、本日の予定は全てキャンセルということでよろしいですか?」
一番言いにくいことを口にしてくれた杏に、私は視線で感謝を伝えた。
「あ、いや、ちょっと、菱崎さんと二人にしていただけませんか?その後、今後の予定をお話しするので」
「わかりました……」
話したところで結果は変わらないだろうに、いったい何を話すというのだろう?
杏の表情からはそんな思いが滲み出ていたが、「失礼いたします」と一礼して控室を出た。
二人きりになってしまった……。
なんと声を掛けたらいいかわからず、居心地の悪い控室で小さく溜め息を漏らした。
「由華ちゃん、俺……捨てられちゃったねぇ」
蒼空は眉を寄せて困ったように笑ったが、無理に明るく振舞っている気がして、私は胸が締め付けられた。
「新婦に逃げられました、なんてこと、どの面下げて言えるわけ?冗談じゃないよね」
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