天壌無窮の守人
第四幕 二話 絶望、鋼鉄の人馬宮
振り上げられた巨大な足は地面を大きくえぐり取るように薙ぎ払われた。
舗装された地面は大きくえぐり取られ、まるで塹壕かの様な有様となっていた。改めて今敵対している兵器の恐ろしさを知ることが出来る。足を薙ぎ払うだけでこうなのだ、当たったら木っ端みじんになる事だろう、と考えていると地面から目的のもののエネルギーが微量に流れているのが分かった。すると同時に先ほどえぐられた地面が徐々に元通りになっていっているのだ、どうやらいくらでも暴れていいように自動修復機能としてあのエネルギーが使われているらしい。
一旦あたり周辺を見回す、遮蔽物になりそうなものは無くただだだっ広い空間でしかない。このような状況では非常に分が悪い。
「ノック!1発でかいのアイツに撃てるか?足元を狙ってくれ!」
「おうよ!」
少し離れた場所にいるノックに大声で頼むとすぐに威勢の良い返事が返ってきた、そしてすぐに行動へと移す。
「ふんっ!!」
エネルギーの奔流がサジタリウスの元まで一直線に飛んでいき直撃する瞬間、驚くべきことが起こったのだ。
サジタリウスが消えたのである、ではどこに行ったかというと…飛んでいた。あの一瞬で跳躍していたのである、そして上空では右腕に装着された兵器の砲門がこちらへと向けられていた。
脳内の危険アラートがガンガンと鳴り響く、すぐさまその場から飛び退く。直後光の柱が背後にそびえ立った、そしてサジタリウスの着地音がズシンと響く。
転がりながら体勢を整え直し着弾箇所を見ると赤く焼け焦げ小さなクレーター状になっていた、身体中から嫌な汗が噴き出す。あの場所にいたままだったらきっと一瞬で蒸発してしまっていただろう。
ノックの方をちらりと見る、どうやら今回は標的にされていないため無事だったらしいがそれでも体がこわばっているのが見て取れる。サジタリウスの方へと視線を戻すと左腕に取り付けられた大盾を前方に構えていた、そして足を曲げ…突進してきた。
一瞬のことであった。その巨体から繰り出される運動エネルギーは相当のものであり当たった瞬間にはお陀仏であろう。今回は見誤ったのか頭上を掠るように通過していった。少しでも動いていたら…なんて考えている暇はない、早く対応策を見つけなければあっという間にやられてしまう。
隙らしい隙は今のところほとんどないと言っていいだろう、あるとすれば先ほど上空に飛んだ瞬間ではあるがノックの力を使うことを考えると必ず2回使わないと当てることが出来ない。また現状どれだけ効果があるかもわからないのため絶望的な状況であることに変わりない。
「ノック!何かアイツの弱点は無いのか!」
「すまねぇ!こいつは相手にしたことが無いんだ!敵から鹵獲したものとはいえそうとうな兵器だ!そうそう動かすものでもねぇんだ!」
と絶望的な返事が返ってくる、どうするどうすると必死にサジタリウスの対処法を考えていると思考が止まるような出来事が起きた。サジタリウスが流暢に喋ったのである。
『いい加減諦めたらどうだ、お前らに勝ち目などない大人しく殺されるがいい』
無機質な声が響く、そういえば以前ノックに代理戦争兵器のことを聞いた時に第1世代の兵器には必ずAIが搭載されていたと言っていた。
人間が搭乗し操縦すると必ず判断によるタイムラグが発生するためそのタイムラグを少なくするために搭載されているらしい。だが、話せるほどのAIなら…と考えていると、サジタリウスの右腕が上空へと向けられた。
直後光の柱が上空へと立ち上り一定高度まで上昇していくと分裂し流星群のように落ちてきたのである。
「なっ!?」「嘘だろオイ!?」
光の柱が次々に周囲へと着弾していく、遮蔽物の無いこの場でこれら全部を避けるのは難しく、左腕に痛みが走る。確認すると丸々左腕が無くなっていた。
「あ”ぁ”っ!?」
ドーパミンが出ているせいかなんとか気絶しないですんだものの痛みが酷い、すぐに応急処置をしなければと思いながらもノックの方を見ると、
ノックが光の柱に胸を貫かれている様子が見えたのだった。
舗装された地面は大きくえぐり取られ、まるで塹壕かの様な有様となっていた。改めて今敵対している兵器の恐ろしさを知ることが出来る。足を薙ぎ払うだけでこうなのだ、当たったら木っ端みじんになる事だろう、と考えていると地面から目的のもののエネルギーが微量に流れているのが分かった。すると同時に先ほどえぐられた地面が徐々に元通りになっていっているのだ、どうやらいくらでも暴れていいように自動修復機能としてあのエネルギーが使われているらしい。
一旦あたり周辺を見回す、遮蔽物になりそうなものは無くただだだっ広い空間でしかない。このような状況では非常に分が悪い。
「ノック!1発でかいのアイツに撃てるか?足元を狙ってくれ!」
「おうよ!」
少し離れた場所にいるノックに大声で頼むとすぐに威勢の良い返事が返ってきた、そしてすぐに行動へと移す。
「ふんっ!!」
エネルギーの奔流がサジタリウスの元まで一直線に飛んでいき直撃する瞬間、驚くべきことが起こったのだ。
サジタリウスが消えたのである、ではどこに行ったかというと…飛んでいた。あの一瞬で跳躍していたのである、そして上空では右腕に装着された兵器の砲門がこちらへと向けられていた。
脳内の危険アラートがガンガンと鳴り響く、すぐさまその場から飛び退く。直後光の柱が背後にそびえ立った、そしてサジタリウスの着地音がズシンと響く。
転がりながら体勢を整え直し着弾箇所を見ると赤く焼け焦げ小さなクレーター状になっていた、身体中から嫌な汗が噴き出す。あの場所にいたままだったらきっと一瞬で蒸発してしまっていただろう。
ノックの方をちらりと見る、どうやら今回は標的にされていないため無事だったらしいがそれでも体がこわばっているのが見て取れる。サジタリウスの方へと視線を戻すと左腕に取り付けられた大盾を前方に構えていた、そして足を曲げ…突進してきた。
一瞬のことであった。その巨体から繰り出される運動エネルギーは相当のものであり当たった瞬間にはお陀仏であろう。今回は見誤ったのか頭上を掠るように通過していった。少しでも動いていたら…なんて考えている暇はない、早く対応策を見つけなければあっという間にやられてしまう。
隙らしい隙は今のところほとんどないと言っていいだろう、あるとすれば先ほど上空に飛んだ瞬間ではあるがノックの力を使うことを考えると必ず2回使わないと当てることが出来ない。また現状どれだけ効果があるかもわからないのため絶望的な状況であることに変わりない。
「ノック!何かアイツの弱点は無いのか!」
「すまねぇ!こいつは相手にしたことが無いんだ!敵から鹵獲したものとはいえそうとうな兵器だ!そうそう動かすものでもねぇんだ!」
と絶望的な返事が返ってくる、どうするどうすると必死にサジタリウスの対処法を考えていると思考が止まるような出来事が起きた。サジタリウスが流暢に喋ったのである。
『いい加減諦めたらどうだ、お前らに勝ち目などない大人しく殺されるがいい』
無機質な声が響く、そういえば以前ノックに代理戦争兵器のことを聞いた時に第1世代の兵器には必ずAIが搭載されていたと言っていた。
人間が搭乗し操縦すると必ず判断によるタイムラグが発生するためそのタイムラグを少なくするために搭載されているらしい。だが、話せるほどのAIなら…と考えていると、サジタリウスの右腕が上空へと向けられた。
直後光の柱が上空へと立ち上り一定高度まで上昇していくと分裂し流星群のように落ちてきたのである。
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ドーパミンが出ているせいかなんとか気絶しないですんだものの痛みが酷い、すぐに応急処置をしなければと思いながらもノックの方を見ると、
ノックが光の柱に胸を貫かれている様子が見えたのだった。
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