まめたのはな

はるのゆき

まめたのはな

まめたのはなは、すごいはな。
どんなにおいもすぐにわかるすごいはな。
まめたがはなをクンクンとならすと、ばしょも、かたちも、おおきさも、かずだってあっというまにわかっちゃう。

あるひ、うさぎのみみちゃんがあわてたようすでまめたのところにやってきました。
「まめたさん、わたしのだいじなみみかざりをどこかにおとしてしまったの」
「それはたいへんだ。ぼくのはなでさがしてあげるよ」
まめたはみみちゃんのみみのにおいをかぐと、クンクンとはなをならしました。
「おはなばたけのあかいチューリップのしたに、にんじんのかたちのみみかざりがおちてるよ」
「まめたさんありがとう」
そういって、うさぎのみみちゃんは、おはなばたけのほうにはしっていきました。

あるひ、くまのべあくんがこまったようすでまめたのところにやってきました。
「まめたくん、ぼくのだいすきなはちみつがどこにもみつからないんだ」
「それはたいへんだ。ぼくのはなでさがしてあげるよ」
まめたはべあくんのてのにおいをかぐと、クンクンとはなをならしました。
「べあくん、もりのおおきなきのうろのなかに、みつばちのすがあるから、すこしみつをわけてもらうといいよ」
「まめたくんありがとう」
そういって、くまのべあくんはもりのほうにはしっていきました。

あるひまめたは、はなをてでおさえながらやぎのめいせんせいのところにむかいました。
やぎのめいせんせいは、どんなびょうきもあっというまになおしてくれるすごいおいしゃさんです。
「めいせんせい、ぼくのはながクンクンならないんです」
「それはたいへんだ。わたしがみてあげよう」
めいせんせいはまめたのはなをじっとみると、りょうほうのてでなでなでしました。
「おはなのつかいすぎで、はながぷっくりはれてしまったよ。すこしはなをひやすといい。」
「めいせんせいありがとう」
そういってまめたはおうちにかえろうとしましたが、めいせんせいがいいました。
「まめたくん、しばらくわたしのところでゆっくりするといい」
そういってめいせんせいは、おふとんをしいて、あたたかいミルクをだしてくれました。

すると、そのはなしをきいたうさぎのみみちゃんが、かわいいチューリップのはなたばをもってきてくれました。
「まめたさん、このチューリップをみてはやくげんきになってね」

くまのべあくんも、おいしそうなはちみつをもってきてくれました。
「まめたくん、このはちみつをなめてはやくげんきになってね」

まめたのおはなはすごいはな。みんなとなかよくなれるすごいはな。

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