社会人1年目、犬系彼女と同棲する。

りゅう

買い物中





 「あ、これかわいい…ねえ、りゅうちゃん、どう思う?まゆに似合う?」

 まゆがかわいらしいワンピースを持って僕の方を笑顔で振り向いてくれる。その仕草もめちゃくちゃかわいいし、持っているワンピースもきっとまゆにめちゃくちゃ似合う。

 「うん。めっちゃ似合うと思うよ」
 「えへへ。嬉しいなぁ。じゃあ、久しぶりに買っちゃおうかな」
 「うん。いいと思うよ。あ、まゆ、みほちゃんが呼んでるよ。その服持ってるから行ってあげて」

 僕たちから少し離れた場所で服を見ていたみほちゃんがまゆを呼んでいるのを見て僕はまゆに声をかける。まゆはありがとう。と言ってみほちゃんの方へと向かって行く。まゆがみほちゃんと楽しそうに服を見ている間に……

 「りゅうちゃん、どこ行ってたの?」
 「ちょっといい感じの服見つけたから見てたの。みほちゃんは何かいい服見つけた?」
 「うーん。良さげなのはあったけど私に合うサイズなくてショック…別のお店見に行きたい」

 みほちゃんは本当に残念そうにしていた。みほちゃんがちらっと見た服を見るとたしかにみほちゃんに似合ってそうだった。まゆが着てもめちゃくちゃかわいい気もするけど…

 「じゃあ、まゆ、さっきの服買ってこようかなぁ」
 「あ、もうお会計済ませたから大丈夫だよ。さ、行こ」
 「「え?」」

 しれっとお会計済ませたことを伝えるとまゆとみほちゃんがびっくりしていた。

 「え?お会計済ませたって?」
 「まゆにめちゃくちゃ似合ってたから僕がまゆに着て欲しい。って思ったから買っちゃった。だからこれ、着てくれたら嬉しいなぁ」

 そう言いながらまゆに服が入った袋を渡すとまゆは戸惑った感じで受け取ってくれる。

 「お姉ちゃん…本当にいい彼氏見つけたね……」
 「う、うん。え、りゅうちゃん…本当にいいの?」
 「うん。僕がまゆに着て欲しくてプレゼントしたんだから気にしないで!むしろ受け取ってくれてありがとうだよ」

 まゆは服が入った袋を大切そうに抱きしめてありがとう。と何度も言ってくれる。

 「今度お出かけする時絶対着るね…」
 「うん。ありがとう。楽しみだなぁ」
 「お姉ちゃん…羨ましい……りゅうさん、私も服欲しいなぁ……」

 僕とまゆのやり取りをジト目で見ていたみほちゃんにそう言われる。みほちゃんも僕にとってかわいい妹みたいなものだから、何かいい感じの服があれば買ってあげることにした。まゆからみほの分はまゆが出すから…と小声で言われたが聞こえてないフリをしておいた。久しぶりの買い物でまゆにプレゼントできて満足満足。






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