人狼中学校

ヒロ

味方は味方か?

校長室を出た三人は人狼を探すことにした。
「ハルどこ行く?」
「う〜んそうだな……」
少し間があいて答えた。
「今日俺たちが隠れるところを探すのはどうだ?」
「お〜いいね。そうしよう!」
「澤田はそれでいいのか?」
「いいんじゃないですか。」
「じゃあ歩きながら決めようぜ。」
3人は並んで廊下を歩く。俺、澤田、優の並びだ。
歩いていると澤田とぶつかり澤田の方を見る。
澤田は気づいてない顔をしている。少ししてもう一度ぶつかったが一回目より弱く感じた。
澤田の方を見ると俺の方を見ているように感じた。
気のせいだと気にしない事にした。
「優さん?」
「うん?」
「あの……トイレに行ってもいいですか?」
「いいよ。行って来い。」
「俺も行ってくるわ」
「おお。じゃあここで待っとくわ」
「悪いな。行って来るわ」
俺と澤田はトイレに入っていった。
「ハルさん?」
「うん?」
「ちょっと声抑えてください。」
かなり真剣な顔つきだ。
「どうした?」
「今から言うことは誰にも言わないでください。実は僕、人狼が誰なのか分かったんです。」
「え?」
こいつ何を言ってんだ?俺達が分からない人狼をこうも簡単に分かるなんて……
「驚かずに聞いて下さい……」
ゴクっという音が澤田にも聞こえたんじゃないかと思った。
「人狼はポケットの中です。」
そう言って澤田はトイレを出ていった。
俺はポケットに手を入れると紙が入っていた。
開いて見るとそこにはN.ゆうと書いてあった。
俺は声が出ないくらい驚いた。
「あいつが人狼……」
混乱していると声が聞こえた。
「ハル〜まだか~?」
ハッとしてトイレを出た。
「腹痛かったのか?」
「ちょっとな……」
「ちょっと休むか?」
「そうしよう……」
そうは言ったが、全然しんどくはなかった。
ただ澤田の紙が気になっていて顔が暗いのは確かだ。
気になり澤田の方を見た。
澤田は優の方を見ている。
一体何がどうなってんだ?優を信じるか、澤田を信じるか……
人狼が動くまでまだ時間がある。それまで見極めよう。




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