人狼中学校

ヒロ

だ〜れだ?

俺達はまず、校長室に向かうことにした。
廊下を歩く音がいつもより鮮明に聞こえる。と言うのも、廊下には誰一人としていないからだ。
俺は不思議に思い、優に聞くことにした。
「俺達以外のやつらって何処に行ったんだろな?」
「確かにどこに行ったんだろな」
「皆さん教室に居るんじゃないですか?」
「え?でも音なんか聞こえないぞ」
「オイ!ハル!」
優が指を指している方を見る。
「教室に何かあるのか?」
よく見るとそこには隙間があった。と言っても扉と扉の、1センチも無いようなところだ。
恐る恐る覗いてみた。
「え!?」
そこには、何人もの生徒がいたのだ。
「あいつら、もしかしてずっとここにいるのか?」
「分からねぇがかなり人数はいるぞ。」
「音もたてずに、よくここにおれるよな」
俺は寒気を感じた。無音の教室にあれだけの生徒がいるなんて……
確かに人狼に見つからないようにするためとはいえ、驚きを隠せなかった。
俺達は教室をあとにして校長室に向かった。
「うお!」
校長室に入るとそこには校長先生が倒れていた。
俺はまた吐き気がした。
「うぅ……」
「ハルさん大丈夫ですか?」
「あぁ……」
「おいハル!」
うつむいていた顔を上げた。
「この跡見てみろよ」
指差したところを見るとそこは頭だった。
「これ何かで殴られてるぞ」
「本当ですね」
「ああ」
「もう60歳こえてるしな。抵抗もできなかったんだろうな」
「でも変じゃないですか?」
「確かにそうだな。」
俺と澤田は同じことを考えていた。
「何が変なんだ?」
優はわかっていないようだ。
「何で校長が殺されたんだろう?」
「そうなんですよね」
「そうなの決まってるさ、適当だろ。」
「本当にそうかな?」
「僕が思うに校長先生を殺すことで、混乱させようとしてるんじゃないんかな?」
「それなら辻褄が合うな」
「そうか?俺はこう思うけどな」
「え?」
二人は声が合わさった。
「人狼が教師だったら、校長に恨みを持ってる奴もいるんじゃないか?」
「確かにそうだな……」
「僕は違うとそうは思わないですけどね……」
「まぁ俺は人狼じゃあないから分からないけどな」
「そうだよな」
「……」
「これからどうするよ?」
「昼飯には早いから、もう少し人狼を探そうぜ」
「そうしましょう……」
校長室を出て人狼を見つけることにした。


コメント

コメントを書く

「その他」の人気作品

書籍化作品