人狼中学校

ヒロ

一時間目

俺達は用務倉庫に入ると、音を鳴らさないように鍵をかけた。
「ハル……」
優の声がした。とても小さな声だ。恐らく静かなこの状況でなければ聞こえていないだろう。
「何?」
「俺ら以外の奴ってどこに隠れてんだろな?」
「分かんねぇ。」
俺は人狼に見つかるかも知れないという恐怖から、話を続かないようにした。
「今何時だ?」
俺は声に出さずに、左手に着けている時計を見せた。
「まだ15分しか経ってないじゃないか」
俺達は眠たいのを我慢しながらゲームが終わるその時を待っている。
時間がかなり過ぎて、時計が12時50分を差したときだった。誰かが廊下を走る音が聞こえる。
俺達は口に手をあてて、お互いの顔を見た。優も全く同じ事を思ったのだろう。
足音が近づいてくる。俺は驚いた、1つだと思っていた足音が2つになったのだから。
「う!!」
優は思わず声が出た。が、すぐに声を殺した。
足音が過ぎ去り肩の力が抜けると同時に、1時のチャイムが鳴った。やっと一日目の人狼ゲームが終わった。

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