気付いたら、豪傑系悪役令嬢になっていた SE
三人のビッテンフェルト編 二話 黒と白の激突 前哨戦
露出狂の如き大胆な破廉恥ルックで、シュエットのリングから呼び出されたのは、なんと私とそっくりの人物だった。
しかも、驚いて出した言葉まで同じだ。
その人物は立ち上がると、油断なく辺りを見回した。
突然の事に戸惑いながらも辺りを観察して情報収集する所はとても的確な判断である。
何事があっても対処しようとかすかに身構え、作るその表情は冷静で知的さ思わせた。
そして強い(確信)!
絶対に只者ではない。
「なんという事じゃ! ワシに関係し、最も強いとされる者を呼んだら別の次元の貴様まで呼び寄せてしまった!」
シュエットが動揺して言う。
説明的だな。
という事はつまり、この私は別の次元の私という事か。
なるほど、只者ではないはずだ。
だって私だもの。
もう一人の私《クロエ》だって、シュエットの言葉に私の方を見て「なるほど、只者ではないはずだ」って顔をしている。
でも、どのクロエだろうか?
ゲームの世界だけでも、七通りの私が存在しているのだ。
あ、でもその内の一つでは十五歳の時に死んでいる。
アルディリアルートのクロエだ。
このクロエは、どう見ても今の私と同じぐらい。
なら、十八歳か……。
いや、今の私は永遠の十七歳だから。
きっと十七歳だ。
だから、アルディリアルートの生前から呼ばれたという事はないはず。
……考えるより、聞いてみるのが早いか。
何て聞けばわかるかな?
あなたの世界のカナリオは、誰とくっついた?
って聞くのがいいかな。
そうして口を開きかけた時だ。
「あなたの世界のカナリオは、誰とくっついた?」
私が聞くよりも先に、相手の方がそれを聞いた。
私が言おうとしていた言葉とまったく同じだ。
こんな聞き方は、ゲームの事を知っていなければできない。
という事はつまり……。
このクロエは、生まれ変わった別の私《黒恵》だという事だ。
私以外にも、生まれ変わった黒恵の記憶を持ったクロエがいたという事か……。
「多分、私はあなたと同じだよ」
日本語で答えた。
もう一人の私は、私の答えに驚いた。
でも、すぐに理解したようだ。
流石は私。
「面白い状況だね。時間があれば、じっくりとあなたとは話をしたい所だ」
「私もだよ。まぁ、時間があればね」
私達は言葉を交わして、シュエットと謎のビッテンフェルトの方を向いた。
「あれは何かな? 敵として見ていいの?」
「私の味方になってくれるのなら、敵として見て欲しいな」
「実はあなたと戦う事にも興味があるんだけどね……。あっちも捨てがたいんだよね」
もう一人の私は、謎のビッテンフェルトを指して答えた。
「貴様は、何者だ?」
そのくだりはもうやった。
「我が名は、ビッテンフェルト……。アールネスの敵を断つ剣なり」
相手も付き合ってくれる。
意外とノリがいい?
もしかして、あれも別次元の私だったりして。
「ふぅん。正直言って状況はわけがわからない……。だが、そんな事はどうでもいい。貴様と戦えるのならば、私は貴様に敵対する」
私が味方になるのなら、こんなに心強い事はない。
「くっ……誤算じゃ……。まさか、あやつの味方を増やしてしまうとは……。二人掛りで来られては勝てぬのではないか……?」
シュエットは焦った様子で心配そうに謎のビッテンフェルトへ訊ねた。
「でしょうね。しかし、そうはならぬでしょう」
「何?」
シュエットが聞き返した。
「彼女は気高く……そして、強者との戦いを好む……。容易い戦いなど望まぬでしょう」
へぇ、あの人は私の考えをよくわかっている。
いや、わかっているのはビッテンフェルトの性分という物か。
「もちろんだ。このような強者……。二人掛りでなど、勿体無い……。無論、一対一で相手をさせてもらう」
もう一人の私が言った。
私も同じ気持ちだったが。
味方になってもらってもあんまり変わらない気がしてきた。
「「では、私から……」」
私達は同時に声を出した。
「ここは私が……」
「いや、私が……」
譲らない私達。
こんな問答をしていても「どうぞどうぞ」なんて言ってくれる人なんていないぞ。
あまりにも譲り合わないので、最終的にじゃんけんした。
負けた……。
あれの相手はもう一人の私が先だ。
「では、相手をさせてもらおうか……」
「喜んで……」
二人が構えを取って向かい合った。
私はそんな二人の戦いを大人しく観戦する事にした。
一応、シュエットが何かしでかさないか気を配っておく。
もう一人の私は、当然私と同じ構えだ。
対して、謎のビッテンフェルトは忠実なビッテンフェルト流闘技の構えを取っていた。
流石は、ビッテンフェルトを名乗るだけある。
構えが完璧だ。
見るだけで、構えの形の意図を完璧に理解しているのがわかる。
そこには一分の隙もない。
先に手を出したのは、謎のビッテンフェルトだ。
拳を放ち、もう一人の私はそれに応じて拳を返す。
その初撃をきっかけに、二人の攻防が織り成されていく。
もう一人の私の動きは私の動きと変わらない。
ビッテンフェルト流闘技とゲームアクションを組み合わせた全く新しい格闘技だ。
戦い方も相手の動きを見てからの物が多い。
恐らく、彼女の実力は今の私の実力と同じだろう。
謎のビッテンフェルトもまた、ビッテンフェルト流闘技に独自のアレンジを加えた戦い方をしている。
でもそれは、ビッテンフェルト流闘技を忠実に守り、なおかつ自分の体格に合うよう進化させたような印象のある戦い方だ。
もう一人の私の闘技が「奇」であるならば、こちらは「正」であろう。
ただ……。
どこかで見た事がある……。
謎のビッテンフェルトの技。
いや、技そのものではなく、動きの癖というのだろうか?
私はあの人物を知っている。
パッと思い浮かばないのだが、私はあの人物と戦った事があるような気がする。
そんな考えを巡らせている時に、互角だった二人の戦況が一方へ傾いた。
天を突くように高く蹴り上げられた足。
その蹴りにガードをかち上げられたもう一人の私。
次いで、高く上がった足から踵が落とされた。
きっちりと組めないながらも、何とか防ごうとするもう一人の私。
だが、そんな物で防げるほどその踵は軽くなかった。
踵はガードを打ち壊し、もう一人の私の脳天を直撃した。
押し潰されるように、石畳の地面へ叩きつけられた。
石畳が砕け、地面が陥没する。
沈黙するもう一人の私。
かと思えば、唐突に謎のビッテンフェルトの足が跳ね上がった。
もう一人の私が起き上がった反動で、足が押し上げられたのだ。
「おおおおぉぉぉぉっ!」
戸惑う謎のビッテンフェルトの隙を衝き、雄叫びを上げたもう一人の私が拳を振るう。
拳を防いだ相手の腕。
それを守っていた手甲が拳の形に凹んだ。
ミチッ、という肉と骨の軋む音が聞こえてくるようだった。
二撃目が放たれる。
それに合わせるように、謎のビッテンフェルトも拳を振るった。
互いの拳が、互いの顔を打ち合った。
もう一人の私の顔が拳で歪み、謎のビッテンフェルトのフルフェイスにひびが入った。
「やはり、強いな。クロエ・ビッテンフェルト」
謎のビッテンフェルトが呟くと同時に、もう一人の私がその場で倒れた。
謎のビッテンフェルトの勝利である。
私と互角の私が負けた、か……。
あの実質的に勝ちをもぎ取った踵落とし。
あそこへ持っていくまでの戦略の組み立て方は実に見事だった。
拳を主導で攻めつつ、意識を拳に集めながらのあの蹴りだ。
そこへ至るまでの道筋、完璧なシナリオと言ってもいい。
「やった! 勝ったのじゃ!」
シュエットが無邪気な声で叫んだ。
「クハハッ! この調子で、そっちの奴もけちょんけちょんにしてしまえ!」
シュエットが私を指差して言った。
「私は一向に構いませんが……」
謎のビッテンフェルトが、渡米していたために世紀最大の親子喧嘩を見逃してしまった三つ編みツンデレっ漢のような事を言う。
「恐らく、勝つ事はできぬでしょう」
「なんじゃと!?」
「今の戦い、あまりにも熾烈でありました。消耗も酷く、今の状態では打ち負けましょう」
謎のビッテンフェルトの鎧は所々が歪んでいたり、砕けていたりしている。
もう一人の私が残したダメージのためだ。
「くぅ……せっかくなけなしの力を使ったというのにぃ……」
シュエットがとてつもなく焦った様子で呻く。
「行けばいい」
私は二人に言った。
「なんじゃと?」
「見逃してあげると言っているの」
聞き返すシュエットへ答えた。
そのまま続ける。
「消耗した相手と戦ってもつまらない。どうせ行く所はわかってるんだ。だから次は、こちらから会いに行く」
私は謎のビッテンフェルトへ顔を向けた。
「だから、それまでに回復しておけ」
「ほう……。あなたなら、私に敗北をくださるか? 今の戦いを見ても、そう言えるか?」
「やれぬと思うか?」
正直に言えば五分五分だ。
やってやれない事は無いという感じだろう。
私が言うと、謎のビッテンフェルトは頷いた。
「信じよう……。他ならぬあなたの言葉だ」
謎のビッテンフェルトは背を向ける。
「ふん! その甘さが命取りにならんといいがな!」
そんな捨て台詞を吐くシュエット。
拳を振り上げてがーっ! と吠える真似をしてやる。
するとシュエットは驚いて、謎のビッテンフェルトの影に隠れた。
「行くぞ!」
シュエットが言って、歩き出す。
その後を謎のビッテンフェルトがついていった。
残された私は、倒れたもう一人の私を介抱する事にした。
しかも、驚いて出した言葉まで同じだ。
その人物は立ち上がると、油断なく辺りを見回した。
突然の事に戸惑いながらも辺りを観察して情報収集する所はとても的確な判断である。
何事があっても対処しようとかすかに身構え、作るその表情は冷静で知的さ思わせた。
そして強い(確信)!
絶対に只者ではない。
「なんという事じゃ! ワシに関係し、最も強いとされる者を呼んだら別の次元の貴様まで呼び寄せてしまった!」
シュエットが動揺して言う。
説明的だな。
という事はつまり、この私は別の次元の私という事か。
なるほど、只者ではないはずだ。
だって私だもの。
もう一人の私《クロエ》だって、シュエットの言葉に私の方を見て「なるほど、只者ではないはずだ」って顔をしている。
でも、どのクロエだろうか?
ゲームの世界だけでも、七通りの私が存在しているのだ。
あ、でもその内の一つでは十五歳の時に死んでいる。
アルディリアルートのクロエだ。
このクロエは、どう見ても今の私と同じぐらい。
なら、十八歳か……。
いや、今の私は永遠の十七歳だから。
きっと十七歳だ。
だから、アルディリアルートの生前から呼ばれたという事はないはず。
……考えるより、聞いてみるのが早いか。
何て聞けばわかるかな?
あなたの世界のカナリオは、誰とくっついた?
って聞くのがいいかな。
そうして口を開きかけた時だ。
「あなたの世界のカナリオは、誰とくっついた?」
私が聞くよりも先に、相手の方がそれを聞いた。
私が言おうとしていた言葉とまったく同じだ。
こんな聞き方は、ゲームの事を知っていなければできない。
という事はつまり……。
このクロエは、生まれ変わった別の私《黒恵》だという事だ。
私以外にも、生まれ変わった黒恵の記憶を持ったクロエがいたという事か……。
「多分、私はあなたと同じだよ」
日本語で答えた。
もう一人の私は、私の答えに驚いた。
でも、すぐに理解したようだ。
流石は私。
「面白い状況だね。時間があれば、じっくりとあなたとは話をしたい所だ」
「私もだよ。まぁ、時間があればね」
私達は言葉を交わして、シュエットと謎のビッテンフェルトの方を向いた。
「あれは何かな? 敵として見ていいの?」
「私の味方になってくれるのなら、敵として見て欲しいな」
「実はあなたと戦う事にも興味があるんだけどね……。あっちも捨てがたいんだよね」
もう一人の私は、謎のビッテンフェルトを指して答えた。
「貴様は、何者だ?」
そのくだりはもうやった。
「我が名は、ビッテンフェルト……。アールネスの敵を断つ剣なり」
相手も付き合ってくれる。
意外とノリがいい?
もしかして、あれも別次元の私だったりして。
「ふぅん。正直言って状況はわけがわからない……。だが、そんな事はどうでもいい。貴様と戦えるのならば、私は貴様に敵対する」
私が味方になるのなら、こんなに心強い事はない。
「くっ……誤算じゃ……。まさか、あやつの味方を増やしてしまうとは……。二人掛りで来られては勝てぬのではないか……?」
シュエットは焦った様子で心配そうに謎のビッテンフェルトへ訊ねた。
「でしょうね。しかし、そうはならぬでしょう」
「何?」
シュエットが聞き返した。
「彼女は気高く……そして、強者との戦いを好む……。容易い戦いなど望まぬでしょう」
へぇ、あの人は私の考えをよくわかっている。
いや、わかっているのはビッテンフェルトの性分という物か。
「もちろんだ。このような強者……。二人掛りでなど、勿体無い……。無論、一対一で相手をさせてもらう」
もう一人の私が言った。
私も同じ気持ちだったが。
味方になってもらってもあんまり変わらない気がしてきた。
「「では、私から……」」
私達は同時に声を出した。
「ここは私が……」
「いや、私が……」
譲らない私達。
こんな問答をしていても「どうぞどうぞ」なんて言ってくれる人なんていないぞ。
あまりにも譲り合わないので、最終的にじゃんけんした。
負けた……。
あれの相手はもう一人の私が先だ。
「では、相手をさせてもらおうか……」
「喜んで……」
二人が構えを取って向かい合った。
私はそんな二人の戦いを大人しく観戦する事にした。
一応、シュエットが何かしでかさないか気を配っておく。
もう一人の私は、当然私と同じ構えだ。
対して、謎のビッテンフェルトは忠実なビッテンフェルト流闘技の構えを取っていた。
流石は、ビッテンフェルトを名乗るだけある。
構えが完璧だ。
見るだけで、構えの形の意図を完璧に理解しているのがわかる。
そこには一分の隙もない。
先に手を出したのは、謎のビッテンフェルトだ。
拳を放ち、もう一人の私はそれに応じて拳を返す。
その初撃をきっかけに、二人の攻防が織り成されていく。
もう一人の私の動きは私の動きと変わらない。
ビッテンフェルト流闘技とゲームアクションを組み合わせた全く新しい格闘技だ。
戦い方も相手の動きを見てからの物が多い。
恐らく、彼女の実力は今の私の実力と同じだろう。
謎のビッテンフェルトもまた、ビッテンフェルト流闘技に独自のアレンジを加えた戦い方をしている。
でもそれは、ビッテンフェルト流闘技を忠実に守り、なおかつ自分の体格に合うよう進化させたような印象のある戦い方だ。
もう一人の私の闘技が「奇」であるならば、こちらは「正」であろう。
ただ……。
どこかで見た事がある……。
謎のビッテンフェルトの技。
いや、技そのものではなく、動きの癖というのだろうか?
私はあの人物を知っている。
パッと思い浮かばないのだが、私はあの人物と戦った事があるような気がする。
そんな考えを巡らせている時に、互角だった二人の戦況が一方へ傾いた。
天を突くように高く蹴り上げられた足。
その蹴りにガードをかち上げられたもう一人の私。
次いで、高く上がった足から踵が落とされた。
きっちりと組めないながらも、何とか防ごうとするもう一人の私。
だが、そんな物で防げるほどその踵は軽くなかった。
踵はガードを打ち壊し、もう一人の私の脳天を直撃した。
押し潰されるように、石畳の地面へ叩きつけられた。
石畳が砕け、地面が陥没する。
沈黙するもう一人の私。
かと思えば、唐突に謎のビッテンフェルトの足が跳ね上がった。
もう一人の私が起き上がった反動で、足が押し上げられたのだ。
「おおおおぉぉぉぉっ!」
戸惑う謎のビッテンフェルトの隙を衝き、雄叫びを上げたもう一人の私が拳を振るう。
拳を防いだ相手の腕。
それを守っていた手甲が拳の形に凹んだ。
ミチッ、という肉と骨の軋む音が聞こえてくるようだった。
二撃目が放たれる。
それに合わせるように、謎のビッテンフェルトも拳を振るった。
互いの拳が、互いの顔を打ち合った。
もう一人の私の顔が拳で歪み、謎のビッテンフェルトのフルフェイスにひびが入った。
「やはり、強いな。クロエ・ビッテンフェルト」
謎のビッテンフェルトが呟くと同時に、もう一人の私がその場で倒れた。
謎のビッテンフェルトの勝利である。
私と互角の私が負けた、か……。
あの実質的に勝ちをもぎ取った踵落とし。
あそこへ持っていくまでの戦略の組み立て方は実に見事だった。
拳を主導で攻めつつ、意識を拳に集めながらのあの蹴りだ。
そこへ至るまでの道筋、完璧なシナリオと言ってもいい。
「やった! 勝ったのじゃ!」
シュエットが無邪気な声で叫んだ。
「クハハッ! この調子で、そっちの奴もけちょんけちょんにしてしまえ!」
シュエットが私を指差して言った。
「私は一向に構いませんが……」
謎のビッテンフェルトが、渡米していたために世紀最大の親子喧嘩を見逃してしまった三つ編みツンデレっ漢のような事を言う。
「恐らく、勝つ事はできぬでしょう」
「なんじゃと!?」
「今の戦い、あまりにも熾烈でありました。消耗も酷く、今の状態では打ち負けましょう」
謎のビッテンフェルトの鎧は所々が歪んでいたり、砕けていたりしている。
もう一人の私が残したダメージのためだ。
「くぅ……せっかくなけなしの力を使ったというのにぃ……」
シュエットがとてつもなく焦った様子で呻く。
「行けばいい」
私は二人に言った。
「なんじゃと?」
「見逃してあげると言っているの」
聞き返すシュエットへ答えた。
そのまま続ける。
「消耗した相手と戦ってもつまらない。どうせ行く所はわかってるんだ。だから次は、こちらから会いに行く」
私は謎のビッテンフェルトへ顔を向けた。
「だから、それまでに回復しておけ」
「ほう……。あなたなら、私に敗北をくださるか? 今の戦いを見ても、そう言えるか?」
「やれぬと思うか?」
正直に言えば五分五分だ。
やってやれない事は無いという感じだろう。
私が言うと、謎のビッテンフェルトは頷いた。
「信じよう……。他ならぬあなたの言葉だ」
謎のビッテンフェルトは背を向ける。
「ふん! その甘さが命取りにならんといいがな!」
そんな捨て台詞を吐くシュエット。
拳を振り上げてがーっ! と吠える真似をしてやる。
するとシュエットは驚いて、謎のビッテンフェルトの影に隠れた。
「行くぞ!」
シュエットが言って、歩き出す。
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