最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第939話 護衛隊の屯所内
コウゾウ達が言っていた護衛隊の屯所はヌー達が呑んでいた酒場からは、反対側の町の入り口付近に建てられていた。ちょうどソフィ達が一番最初に断られた端口の宿の隣にあった。
その佇まいは詰所というよりは、言われなければ屯所とは気づけないような、まるっきりそのまま表通りにある宿である。
ソフィの考えていたことが顔に張り付いていたのだろう。コウゾウはそんなソフィに、言葉を向けてくるのであった。
「見た目はそこらにある宿と変わらんだろう? そもそもここは普通の町では無く、あくまで旅籠だからな。サカダイに護衛依頼が来た時に、元々取り壊す予定だった宿を急遽、俺達の在所として宛がわれたってわけだ」
コウゾウは広くてむしろ有難いがと付け加えて、そのままソフィ達を中へ招き入れるのだった。
玄関口から中を見るとどうやら複数の部屋の襖を取り除いて一つの部屋として扱っているらしく、その部屋では多くの者達が至る所で忙しそうにしていた。
やがてコウゾウが戻ってきたのを察した何人かがこちらに向かってくるのが見えた。
「隊長! お疲れ様です」
「おお、そっちはどうだ?」
「先程の騒ぎを起こした者達は、中々口を割りませんね」
「そうか。どうやら報告は虚偽の可能性がある。まずはこっちで話を詳しく聞いてみるからお前達は、出さないように、地下の一室に入れておけ」
「分かりました! そのように!」
どうやら今話しかけてきた彼らはコウゾウの部下のようで命令された後、忙しく地下への階段を下っていった。
「とりあえず、詳しく話を聞きたい。すまないが聴取に付き合ってくれ」
コウゾウは上着を脱ぎながらソフィ達を屯所の中を案内する。ソフィ達がコウゾウの後をついて行くと、忙しく仕事をしていた他の護衛隊の人間達は顔をあげてソフィ達を見るのだった。
ソフィもこちらを見て来る者達を見返しながら、さっと『漏出』を使って、一人一人の情報を得ようとするが、この場に居る者達のほとんどが、戦力値が『測定不能』と表記されていた。
どうやらこの屯所の中に居る人間達は、全員が直ぐに戦える戦闘員で、侮れない力を有している様子であった。
大部屋の中を歩いて行くと、やがて襖がある場所の前に辿り着く。その襖が仕切り代わりのようで、挟んで奥に小部屋があるようだった。
コウゾウはその襖を開け放つとソフィ達を中に入れる。どうやらこの場所で聴取を行うようである。襖の奥の部屋は、畳八畳分くらいの小部屋だった。ソフィ達全員が入るとコウゾウは襖を閉める。
「悪いが座布団はねぇから、畳の上に適当に座ってくれ」
エイジとソフィがコウゾウの居る場所の前に座り、テアとヌーは襖付近に座るのだった。
「――!」(お前、酒臭い!)
「ちっ、うるせぇなぁ。さっきまで呑んでたんだから酒臭いのは当たり前だろうが」
「――!!」(ソフィさん、場所変わって欲しい!!)
「馬鹿野郎。てめぇは俺以外に話が通じねぇんだから、大人しく横で座っていろや」
どうやら相当テアは酒が嫌いなのだろう。ヌーの横は嫌だと騒いでいる様子だった。
「ふふっ……、我慢するのだなテア殿」
「クククク! 我慢しろだとよテア。残念だったな、ここにお前の仲間はいねぇ!」
「――」(もう、分かったよ)
テアは溜息を吐きながらも観念したようで、大人しくヌーの隣に座るのだった。エイジはその二人のやり取りを見て、面白そうに笑うのであった。ソフィも自然に二人の様子に笑みをこぼす。
ヌー達を見ていたコウゾウだったが、彼も仕事でソフィ達をここに連れてきた以上、遊んではいられない。
「さて、盛り上がっているところ悪いんだが、早速こちらの話をさせてもらえるかな?」
そう言ってコウゾウは、ソフィ達から事情聴取を行うのであった。
その佇まいは詰所というよりは、言われなければ屯所とは気づけないような、まるっきりそのまま表通りにある宿である。
ソフィの考えていたことが顔に張り付いていたのだろう。コウゾウはそんなソフィに、言葉を向けてくるのであった。
「見た目はそこらにある宿と変わらんだろう? そもそもここは普通の町では無く、あくまで旅籠だからな。サカダイに護衛依頼が来た時に、元々取り壊す予定だった宿を急遽、俺達の在所として宛がわれたってわけだ」
コウゾウは広くてむしろ有難いがと付け加えて、そのままソフィ達を中へ招き入れるのだった。
玄関口から中を見るとどうやら複数の部屋の襖を取り除いて一つの部屋として扱っているらしく、その部屋では多くの者達が至る所で忙しそうにしていた。
やがてコウゾウが戻ってきたのを察した何人かがこちらに向かってくるのが見えた。
「隊長! お疲れ様です」
「おお、そっちはどうだ?」
「先程の騒ぎを起こした者達は、中々口を割りませんね」
「そうか。どうやら報告は虚偽の可能性がある。まずはこっちで話を詳しく聞いてみるからお前達は、出さないように、地下の一室に入れておけ」
「分かりました! そのように!」
どうやら今話しかけてきた彼らはコウゾウの部下のようで命令された後、忙しく地下への階段を下っていった。
「とりあえず、詳しく話を聞きたい。すまないが聴取に付き合ってくれ」
コウゾウは上着を脱ぎながらソフィ達を屯所の中を案内する。ソフィ達がコウゾウの後をついて行くと、忙しく仕事をしていた他の護衛隊の人間達は顔をあげてソフィ達を見るのだった。
ソフィもこちらを見て来る者達を見返しながら、さっと『漏出』を使って、一人一人の情報を得ようとするが、この場に居る者達のほとんどが、戦力値が『測定不能』と表記されていた。
どうやらこの屯所の中に居る人間達は、全員が直ぐに戦える戦闘員で、侮れない力を有している様子であった。
大部屋の中を歩いて行くと、やがて襖がある場所の前に辿り着く。その襖が仕切り代わりのようで、挟んで奥に小部屋があるようだった。
コウゾウはその襖を開け放つとソフィ達を中に入れる。どうやらこの場所で聴取を行うようである。襖の奥の部屋は、畳八畳分くらいの小部屋だった。ソフィ達全員が入るとコウゾウは襖を閉める。
「悪いが座布団はねぇから、畳の上に適当に座ってくれ」
エイジとソフィがコウゾウの居る場所の前に座り、テアとヌーは襖付近に座るのだった。
「――!」(お前、酒臭い!)
「ちっ、うるせぇなぁ。さっきまで呑んでたんだから酒臭いのは当たり前だろうが」
「――!!」(ソフィさん、場所変わって欲しい!!)
「馬鹿野郎。てめぇは俺以外に話が通じねぇんだから、大人しく横で座っていろや」
どうやら相当テアは酒が嫌いなのだろう。ヌーの横は嫌だと騒いでいる様子だった。
「ふふっ……、我慢するのだなテア殿」
「クククク! 我慢しろだとよテア。残念だったな、ここにお前の仲間はいねぇ!」
「――」(もう、分かったよ)
テアは溜息を吐きながらも観念したようで、大人しくヌーの隣に座るのだった。エイジはその二人のやり取りを見て、面白そうに笑うのであった。ソフィも自然に二人の様子に笑みをこぼす。
ヌー達を見ていたコウゾウだったが、彼も仕事でソフィ達をここに連れてきた以上、遊んではいられない。
「さて、盛り上がっているところ悪いんだが、早速こちらの話をさせてもらえるかな?」
そう言ってコウゾウは、ソフィ達から事情聴取を行うのであった。
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