最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第605話 大魔王フルーフの逆襲
フルーフは自分の極大魔法で開けた大穴を突っ切りながら、空を駆け上がっていく。
やがて地下を抜けて地上にあるイザベラ城の一階に到着する。
フルーフの開けた大穴から恐ろしい速度でヌーが迫って来るのを感じてそちらを一瞥し、フルーフはその場であたりを見回す。
「実験体よ! 止まれ、止まりなさい!」
イザベラ城を見回していたフルーフは、声が掛けられた方を見る。
そこには先程まで寝かされていた『煌聖の教団』の最高幹部の一人である『リベイル』が居た。
フルーフは一度だけリベイルの姿を見たが、次の瞬間には追ってくるヌーから逃げる為に行動を開始する。
一直線に自分に向かってくるフルーフに、リベイルは一瞬動揺をさせられるが、直ぐに気を持ち直してオーラを纏い始める。
そしてリベイルは直ぐにフルーフに対して、有効的な効果を発揮する『神聖魔法』を発動させる。
――神聖魔法、『聖動捕縛』。
「全くどいつもこいつも芸が無い! ワシがお主らの捕縛を解除して外に出てきたという事の意味を、少しは頭で考えぬかぁっ!」
フルーフの目が金色に輝くと『呪縛の血』の羅列を一部分変えた『新魔法』を無詠唱で発動させて、あれ程苦労して解除していた『神聖魔法』の特効をあっさりと無効化してみせる。
神聖魔法の効力を失くして、ただの動きを封じる程度の魔法に成り下がった『聖動捕縛』をフルーフは強引に自身の魔力をぶつけて、先程編み出した『新魔法』を発動させる。
青い光がリベイルの『聖動捕縛』を包み込み、次の瞬間には『リベイル』の魔法は無効化されるのだった。
「なっ……!?」
魔族に特効を及ぼす筈の神聖魔法は、フルーフの『魔』の位が完全に上を行き、消え失せた。そして先程とは比べ物にならない程の動揺を見せるリベイルに肉薄したフルーフは攻撃を開始する。
――呪文、『呪蝕』。
リベイルの耐魔力が一気に全て消失し抵抗力を失う。
エルシスが生み出した神聖魔法『聖光耐滅魔』も似たような効力ではあるが、あちらはその者が持つ『耐魔力を一定値まで戻す』魔法であり、フルーフが生み出した呪文『呪蝕』は、相手がオーラ等で増幅させた耐魔力を普段通りにするのではなく、完全に『相手の防御力を一般人レベル以下』にしてしまう呪いである。
(※勿論反作用があり、使った詠唱者も一時的に耐魔力の半分を失う)
一瞬でリベイルは魔法防御力というべき、耐魔力をゼロにされてしまう感覚を味わう。
「残念じゃが今のワシは少々苛立っておる。お主もワシに手加減を期待せぬ事じゃ」
フルーフの言葉を間近で聞いたリベイルは、これから起こる事を予測して震えが走る。
「ひっ、ひぃっ!!」
『高速転移』で一気にその場から離脱しようとするリベイルの背後から『金色のオーラ』に包まれたフルーフはノータイムで魔法を発動させる。
――神域魔法、『凶炎』。
現在では『魔王』レアの代名詞とも呼べる魔法だが、この魔法は『フルーフ』が本家本元である。
魔法抵抗力が消失しているリベイルを、黒き炎が飲み込み襲いかかる。
「うぎぃあああっ!!」
一瞬でリベイルの身体が燃え上がり、次の瞬間には絶命してしまうのだった。
耐魔力が一切ない状態で『金色のオーラ』で増幅されたフルーフの渾身の一撃ともいえる『神域魔法』をその身に浴びて生き残る事など出来る筈がなかった。
リベイルの魂が肉体から抜け出して『代替身体』の方へと向かうが、更にそれを見たフルーフは呪いをリベイルに向ける。
――呪文、『苦呪追従』。
『苦呪追従』は、その者が生前に起きた最後の苦しみを再び、来世に向かう者に与える呪いである。
(※この呪文を魔法に置き換えると『神域領域』に該当する)。
この呪いを掛けられたリベイルは、如何に『代替身体』に逃げ遂せたとしても、フルーフが発動させた時点で再びリベイルの記憶と共に、幻が意思を持つ事となり『呪いの対象』となった『凶炎』が、リベイルの身に降りかかる為、次から次に『代替身体』に魂を移し変えたところで、呪いはいつまでもリベイルを追いかけて永遠に絶命を繰り返させられる事だろう。
フルーフが『苦呪追従《カース・トラッキング》』を解く意思を持たなければ、たとえ大賢者ミラによって状態異常を回復を試みられたところで、リベイルの身体は二度と解呪される事は無い。
リベイルの魂に呪いを植え付けたフルーフは、もうリベイルなど無視をしてこちらに向かってきているヌーに対して身構えながらそのまま次の魔法の『スタック』を始めるのだった。
ヌーが大穴から空を飛んでくる僅かな時間で『煌聖の教団』の最高幹部であった『リベイル』という大魔王は、フルーフに敗れてしまったのであった。
……
……
……
やがて地下を抜けて地上にあるイザベラ城の一階に到着する。
フルーフの開けた大穴から恐ろしい速度でヌーが迫って来るのを感じてそちらを一瞥し、フルーフはその場であたりを見回す。
「実験体よ! 止まれ、止まりなさい!」
イザベラ城を見回していたフルーフは、声が掛けられた方を見る。
そこには先程まで寝かされていた『煌聖の教団』の最高幹部の一人である『リベイル』が居た。
フルーフは一度だけリベイルの姿を見たが、次の瞬間には追ってくるヌーから逃げる為に行動を開始する。
一直線に自分に向かってくるフルーフに、リベイルは一瞬動揺をさせられるが、直ぐに気を持ち直してオーラを纏い始める。
そしてリベイルは直ぐにフルーフに対して、有効的な効果を発揮する『神聖魔法』を発動させる。
――神聖魔法、『聖動捕縛』。
「全くどいつもこいつも芸が無い! ワシがお主らの捕縛を解除して外に出てきたという事の意味を、少しは頭で考えぬかぁっ!」
フルーフの目が金色に輝くと『呪縛の血』の羅列を一部分変えた『新魔法』を無詠唱で発動させて、あれ程苦労して解除していた『神聖魔法』の特効をあっさりと無効化してみせる。
神聖魔法の効力を失くして、ただの動きを封じる程度の魔法に成り下がった『聖動捕縛』をフルーフは強引に自身の魔力をぶつけて、先程編み出した『新魔法』を発動させる。
青い光がリベイルの『聖動捕縛』を包み込み、次の瞬間には『リベイル』の魔法は無効化されるのだった。
「なっ……!?」
魔族に特効を及ぼす筈の神聖魔法は、フルーフの『魔』の位が完全に上を行き、消え失せた。そして先程とは比べ物にならない程の動揺を見せるリベイルに肉薄したフルーフは攻撃を開始する。
――呪文、『呪蝕』。
リベイルの耐魔力が一気に全て消失し抵抗力を失う。
エルシスが生み出した神聖魔法『聖光耐滅魔』も似たような効力ではあるが、あちらはその者が持つ『耐魔力を一定値まで戻す』魔法であり、フルーフが生み出した呪文『呪蝕』は、相手がオーラ等で増幅させた耐魔力を普段通りにするのではなく、完全に『相手の防御力を一般人レベル以下』にしてしまう呪いである。
(※勿論反作用があり、使った詠唱者も一時的に耐魔力の半分を失う)
一瞬でリベイルは魔法防御力というべき、耐魔力をゼロにされてしまう感覚を味わう。
「残念じゃが今のワシは少々苛立っておる。お主もワシに手加減を期待せぬ事じゃ」
フルーフの言葉を間近で聞いたリベイルは、これから起こる事を予測して震えが走る。
「ひっ、ひぃっ!!」
『高速転移』で一気にその場から離脱しようとするリベイルの背後から『金色のオーラ』に包まれたフルーフはノータイムで魔法を発動させる。
――神域魔法、『凶炎』。
現在では『魔王』レアの代名詞とも呼べる魔法だが、この魔法は『フルーフ』が本家本元である。
魔法抵抗力が消失しているリベイルを、黒き炎が飲み込み襲いかかる。
「うぎぃあああっ!!」
一瞬でリベイルの身体が燃え上がり、次の瞬間には絶命してしまうのだった。
耐魔力が一切ない状態で『金色のオーラ』で増幅されたフルーフの渾身の一撃ともいえる『神域魔法』をその身に浴びて生き残る事など出来る筈がなかった。
リベイルの魂が肉体から抜け出して『代替身体』の方へと向かうが、更にそれを見たフルーフは呪いをリベイルに向ける。
――呪文、『苦呪追従』。
『苦呪追従』は、その者が生前に起きた最後の苦しみを再び、来世に向かう者に与える呪いである。
(※この呪文を魔法に置き換えると『神域領域』に該当する)。
この呪いを掛けられたリベイルは、如何に『代替身体』に逃げ遂せたとしても、フルーフが発動させた時点で再びリベイルの記憶と共に、幻が意思を持つ事となり『呪いの対象』となった『凶炎』が、リベイルの身に降りかかる為、次から次に『代替身体』に魂を移し変えたところで、呪いはいつまでもリベイルを追いかけて永遠に絶命を繰り返させられる事だろう。
フルーフが『苦呪追従《カース・トラッキング》』を解く意思を持たなければ、たとえ大賢者ミラによって状態異常を回復を試みられたところで、リベイルの身体は二度と解呪される事は無い。
リベイルの魂に呪いを植え付けたフルーフは、もうリベイルなど無視をしてこちらに向かってきているヌーに対して身構えながらそのまま次の魔法の『スタック』を始めるのだった。
ヌーが大穴から空を飛んでくる僅かな時間で『煌聖の教団』の最高幹部であった『リベイル』という大魔王は、フルーフに敗れてしまったのであった。
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