最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第582話 揺るぎない覚悟を持った訪問者
――アレルバレルの世界にある『魔界』。
その中央大陸に厳かに存在感を示し続ける魔王城。その魔王城の玉座の間にソフィ達は、根源の玉という『マジックアイテム』について話をしていた。
一体この根源の玉とは、何なのか。
色々と語られたが『煌聖の教団』との戦争の最中に、下手に『根源の玉』を使う訳にもいかない為に、結局は結局その場では分からずじまいだった。
「ひとまず今ある根源の玉はワシが預かっておこう」
ディアトロスはそう言うと、ソフィの手から根源の玉を取り返して、そのままイリーガルからも回収する。
「何故お主が? 我が預かっておこうと思ったのだが……」
ソフィが不満気に自分の手からディアトロスに奪われた『根源の玉』を見つめる。
「お前に持たせておくといつの間にかいなくなっていそうだからな。こんな時に再び『アレルバレル』の世界から居なくなってもらうワケには行かぬ」
ディアトロスにそう言われてしまったソフィは『根源の玉』の検証は、組織の一件が片付いた後でもいいかとばかりに、渋々と納得するのだった。
「む?」
「「?」」
ソフィや九大魔王の面々は、玉座の間の入り口の方を一斉に向く。
ブラストが魔王城近辺に張った『結界』を何者かが抜けて入ってきたためであった。因みにブラストの張った結界の規模は『大魔王・上位領域』である。
(※魔王軍では序列一桁クラス以上の戦力値と魔力値を持つ者でしか破れない結界。
因みにリラリオの世界のソフィの屋敷に張ってあった『結界』の規模は『大魔王・中位領域』 規模に該当する)。
「レアとユファは、こっちにくるのだ」
ソフィが用心の為にレア達を下がらせると同時、魔王城周辺に居る『精霊女王』から『念話』が届いた。
(ソフィ。先程一体の男が魔王城へ入っていったぞ)
(ああ。どうやらそのようだな。結界をこじ開けるではなく、擦り抜けて入ってきたのを感知した)
(私たち精霊達に敵意は感じられなかったが、見たことがない『魔族』だった。気をつけられよ)
(ああ、知らせてくれて感謝するぞ『精霊女王』)
そこで『精霊女王』からの『念話』をきるソフィだった。
(精霊女王の奴は、魔族といっていたな?)
ソフィがこの魔族の『魔力』に思い当たらなかったために魔王軍の者では決してない。
しかしたった一体で入ってくるとなると『組織』の者達でもないだろう。一体誰がこの魔王城に来たのかは分からないが、用心するに越したことは無いと考えるのであった。
「お主達。話を聞くまでは警戒は怠らなくともこちらからは絶対に『攻撃』はするなよ?」
ディアトロスやリーシャ達は、まさか突然に攻撃するような真似はしないだろうが、ブラストが勝手にこの魔王城へ入ってきた事に苛立って『魔力』を高めて始めていたために、先に釘をさした形のソフィだった。
魔力を隠そうともせずに男は、堂々と玉座の間まで近づいてくる。
そして男は玉座の間の扉を開けて、その顔をソフィ達に見せるのだった。
…………
――大魔王ソフィの居城である魔王城。
魔王軍以外の魔物や魔族が、この城に一歩でも踏み入れてしまえば、その命の保証は無いと古くから伝わる魔界を束ねる魔王の住処。私は緊張した面持ちで魔王城に入った。
『煌聖の教団』達の手によってこの城の主『大魔王ソフィ』はやられ去ったと聞いたが、再びこのアレルバレルの世界に、その恐ろしい魔力を私に感知させてみせた。
私はソフィの配下でもなければ『煌聖の教団』にも与していない中立の立場である。
しかしソフィと九大魔王といった魔王軍が居なくなった後の『煌聖の教団』我が物顔で蔓延る世界は、とても生き苦しく住み辛い世界となった。
如何に大魔王ソフィの統治していた時代の『アレルバレル』が、住み良い世界だったかという事を改めてこの私は思い知らされた。
――いや、決してそう思っているのは私だけではない筈である。
大魔王ソフィの『統治』する世界とは、決して平等とは言えない世界ではあるが、少なくとも『煌聖の教団』が掲げる『平等で一人一人が救われる世界』というものよりは本当の意味で遥かに救われる。
『煌聖の教団』にマヤカシの安寧とやらに支配されるくらいならば、この『私』のいや『私たち』も『大魔王ソフィ』の傘下に下ろう。
そう考えてこの男は揺るぎない決心をしながら『魔界中』の魔族が恐れを抱く『魔王城』の廊下を歩いていくのだった。
そしてこの世界で『中立』を貫き続けた男はついに最強の大魔王ソフィが居る『玉座の間』の扉を開けるのだった。
その中央大陸に厳かに存在感を示し続ける魔王城。その魔王城の玉座の間にソフィ達は、根源の玉という『マジックアイテム』について話をしていた。
一体この根源の玉とは、何なのか。
色々と語られたが『煌聖の教団』との戦争の最中に、下手に『根源の玉』を使う訳にもいかない為に、結局は結局その場では分からずじまいだった。
「ひとまず今ある根源の玉はワシが預かっておこう」
ディアトロスはそう言うと、ソフィの手から根源の玉を取り返して、そのままイリーガルからも回収する。
「何故お主が? 我が預かっておこうと思ったのだが……」
ソフィが不満気に自分の手からディアトロスに奪われた『根源の玉』を見つめる。
「お前に持たせておくといつの間にかいなくなっていそうだからな。こんな時に再び『アレルバレル』の世界から居なくなってもらうワケには行かぬ」
ディアトロスにそう言われてしまったソフィは『根源の玉』の検証は、組織の一件が片付いた後でもいいかとばかりに、渋々と納得するのだった。
「む?」
「「?」」
ソフィや九大魔王の面々は、玉座の間の入り口の方を一斉に向く。
ブラストが魔王城近辺に張った『結界』を何者かが抜けて入ってきたためであった。因みにブラストの張った結界の規模は『大魔王・上位領域』である。
(※魔王軍では序列一桁クラス以上の戦力値と魔力値を持つ者でしか破れない結界。
因みにリラリオの世界のソフィの屋敷に張ってあった『結界』の規模は『大魔王・中位領域』 規模に該当する)。
「レアとユファは、こっちにくるのだ」
ソフィが用心の為にレア達を下がらせると同時、魔王城周辺に居る『精霊女王』から『念話』が届いた。
(ソフィ。先程一体の男が魔王城へ入っていったぞ)
(ああ。どうやらそのようだな。結界をこじ開けるではなく、擦り抜けて入ってきたのを感知した)
(私たち精霊達に敵意は感じられなかったが、見たことがない『魔族』だった。気をつけられよ)
(ああ、知らせてくれて感謝するぞ『精霊女王』)
そこで『精霊女王』からの『念話』をきるソフィだった。
(精霊女王の奴は、魔族といっていたな?)
ソフィがこの魔族の『魔力』に思い当たらなかったために魔王軍の者では決してない。
しかしたった一体で入ってくるとなると『組織』の者達でもないだろう。一体誰がこの魔王城に来たのかは分からないが、用心するに越したことは無いと考えるのであった。
「お主達。話を聞くまでは警戒は怠らなくともこちらからは絶対に『攻撃』はするなよ?」
ディアトロスやリーシャ達は、まさか突然に攻撃するような真似はしないだろうが、ブラストが勝手にこの魔王城へ入ってきた事に苛立って『魔力』を高めて始めていたために、先に釘をさした形のソフィだった。
魔力を隠そうともせずに男は、堂々と玉座の間まで近づいてくる。
そして男は玉座の間の扉を開けて、その顔をソフィ達に見せるのだった。
…………
――大魔王ソフィの居城である魔王城。
魔王軍以外の魔物や魔族が、この城に一歩でも踏み入れてしまえば、その命の保証は無いと古くから伝わる魔界を束ねる魔王の住処。私は緊張した面持ちで魔王城に入った。
『煌聖の教団』達の手によってこの城の主『大魔王ソフィ』はやられ去ったと聞いたが、再びこのアレルバレルの世界に、その恐ろしい魔力を私に感知させてみせた。
私はソフィの配下でもなければ『煌聖の教団』にも与していない中立の立場である。
しかしソフィと九大魔王といった魔王軍が居なくなった後の『煌聖の教団』我が物顔で蔓延る世界は、とても生き苦しく住み辛い世界となった。
如何に大魔王ソフィの統治していた時代の『アレルバレル』が、住み良い世界だったかという事を改めてこの私は思い知らされた。
――いや、決してそう思っているのは私だけではない筈である。
大魔王ソフィの『統治』する世界とは、決して平等とは言えない世界ではあるが、少なくとも『煌聖の教団』が掲げる『平等で一人一人が救われる世界』というものよりは本当の意味で遥かに救われる。
『煌聖の教団』にマヤカシの安寧とやらに支配されるくらいならば、この『私』のいや『私たち』も『大魔王ソフィ』の傘下に下ろう。
そう考えてこの男は揺るぎない決心をしながら『魔界中』の魔族が恐れを抱く『魔王城』の廊下を歩いていくのだった。
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