最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第441話 騎士VS山伏
「ほう。本来の身体でもあるまいに『代替身体』での状態で、私の本気の一撃を食らって尚、死んではおらぬか」
『代替身体』の今、レアは本来の体の十分の一程の戦力値と魔力値しかなく、本来であれば先程の騎士の一撃で死んでいても可笑しくはなかった。
しかし今こうして気絶をしながらも命に別状なくいられているのは理由があった。
それは龍族の始祖である『キーリ』が、レアの為にと魔力を込めて作った龍族の服が、騎士の放った『焔放虚空』のダメージを大きく軽減してくれていた事で、レアの命を守ったのである。
「だがこれで終わりだ。次は確実に仕留める」
騎士はレアに数歩近づき、そしてトドメとばかりに剣の刃を返す。
――しかしそこでこの場で第三者が現れて、声が投げかけられるのだった。
「もう勝負はついたのではないかな? 小生の目に映るお主はお伽話に出て来る『騎士』のように見えるが、騎士とは弱者の保護や寛大な心を持つ者ではないのだろうか?」
剣に炎を纏わせてレアを葬ろうとしていた、甲冑を纏った騎士はその声に振り返る。
「何だお前は?」
「小生はしがない修験僧也」
「……お前は、別世界の魔族。いや、人間か?」
騎士は異様な恰好をしている目の前の杖を持った男を見ながら、ミラの『組織』に属する人間なのかと疑いの目で見る。
「主はあの小僧とは逆目のような者であるな? 『聖』の恰好をしておるがその実。心は『邪』で溢れかえっておる。小生はお主のような輩は好かぬ。即刻にこの山から立ち去れ」
突然割って入ってきたかと思うと、訳の分からない事を告げてくる目の前の怪しい男に、騎士の男は気分を害したのだろう。
レアから乱入者に向き直ったかと思うと、持っている剣を向ける。
「はっ! いきなり出てきて好き勝手宣いやがって! 私には私の役目というモノがあるのだよ。お前、出しゃばるのはいいが、このまま無事に生きて帰れると思うなよ?」
「ふむ。私にまで剣を向けるというのであれば、小生がお主を『善』へと教導を施してやろう」
「やってみるがいい。分を弁えぬ輩めが、後悔させてやる!」
騎士がそう言うと剣の刃を返して山伏に向かっていく。
剣には炎が巻き付き、そのまま鋭利な刃を以て山伏に襲い掛かる。
しかし次の瞬間、山伏が金剛杖を振った後に口で何かを唱えた。
騎士の剣が山伏を捉えたかと思われたその時、唐突に山伏の姿が消えた。
「……何?」
いつの間にか山伏は遠く離れた山の上に居た。
そして再び山伏は人差し指と親指の二本を口元に持っていき、先程と同じように何かを唱える。
すると次の瞬間、騎士の周りに2メートル程の長さを持つ平面な鏡が出現する。
その鏡は騎士の姿を映すと更にその鏡に反射して、別の角度から鏡が騎士を映し出す。
そしてその鏡に映った騎士を更にに別の角度から次々と、鏡が騎士を映し出す毎にその鏡の数を増やしていく。
「お、おのれ面妖な魔法を使いやがって! こんな鏡全て割ってくれるわ!」
騎士はそう言うと己の魔力を高め始めていく。
そして自身の剣に魔力を付随させていき、再び剣の刃を返す。
――神域魔法、『焔放虚空』。
騎士が魔法を使うと剣が紅く光り始めていき、そのまま剣を周囲の鏡に向けて放つ。
剣圧は剣撃となって放たれた先にあった鏡はあっさりと割れるのだった。
「ふん!」
騎士の男は面妖な術を使う山伏に勝ち誇った笑みを向けたが、その山伏の男は溜息を吐いて騎士の男に対して、同情するような憐れみの表情を浮かべるのだった。
「あーあ、割ってしまったね? 負の連鎖が始まるぞ。主は注意の意識をもっと持つべきだった」
「何をごちゃごちゃと言っておるかっ! ええい煩わしい!」
声を荒げながら騎士は次々と周りの鏡を割って割りまくる。
その様子を見て離れた山から、笑いながら観察を続ける山伏だった。
そして周囲に溢れていた沢山の鏡は全て割られて消えた。
「はぁっ、はぁっ! 次はお前の番だ!」
必死に鏡を割り続けたことで疲れ果てたのか、騎士の男は肩で息をしながらそう告げるのだった。
「さて、これだけの輝鏡を割ったお主に、どれ程の力が残されておるかな?」
そう言うと山伏は離れた場所から一気に騎士に近づいてくる。
「馬鹿めがっ! わざわざ自分から近づいて来たか。どうやら本当に死にたいらしいな!」
剣を返しながら近づいてきた山伏に向けて、飛び掛かっていく騎士の男。
しかし山伏が金剛杖を上下に振ると、騎士はそのまま恐ろしい重圧に襲われて、その場に縛り付けられるかの如く動けなくなり、地面に這いつくばる。
「な、何だ!?」
身体を起こそうとしても動けずに居る騎士の男に、山伏は更に近寄って地面に這いつくばる騎士の甲冑を強引に外す。
すると騎士の金の鮮やかな色をした髪と共に顔が露出する。
「ふむ。一体どのような顔をしておるのかと興味をそそられたが、魔族とやらも人間と余り変わらぬようだな?」
山伏はそう言うと立ち上がり、騎士から離れて行く。
「ま、待て! く……っ! 何故動けぬ!! き、貴様っ! 私を敵に回せば、今後は貴様も『組織』から狙われる立場となり、必ず後悔する事になるぞ!」
お灸をすえ終えたとばかりに、もうこれ以上は許してやろうと考えて離れようとしていた山伏は、その言葉を聞いてピタリと足を止めて振り返った。
騎士は自分の言葉に恐れをなしたと思い、地面に這いつくばりながらにやりと笑う。
「そうだ。分かったならさっさと魔法を解くのだ! 今ならまだ許してやらんこともないぞ?」
山伏は再び騎士の前まで歩いていき、そして口を開いた。
「お主は本当につまらぬ男だな? 小生はお主のようなみっともない男が一番嫌いだ。当分の間、魔力を失わせるだけで許そうとそう思っていたが気が変わった。魔族というのは人間より長生きなのだろう? そうであるならば、これより永きに渡り後悔を抱きながら生きていけ」
山伏の恰好をした男は、シャンシャンと鳴らしながら再び金剛杖を振り、口元に人差し指と親指を持っていきながら何かを詠唱する。
――僧全捉術、『修劫』。
山伏の詠唱の後に地面に這いつくばる、騎士の身体が青く光り始めた。
「お主は今後長い長い修行の道へと駆り出される事となる。後から来る『悔』をその身で理解して、修行への道へと歩むがいい。それもまた徳を積む幸福への一歩なり」
シャンシャンシャンと金剛杖を振りながら、山伏は再び詠唱を始める。
――僧全捉術、『移止境界』。
「……精進致せ」
次の瞬間、騎士の姿が跡形もなく消え失せた。
「しかし小生の術を受けて尚喋る余裕があったか。はてさて魔族とやらは、お師の文献にあった通り人間より強いようだな」
立ったまま気を失っているレアを横にして、山伏は安静にさせてやりながらぽつりと呟く。
脅威が去ったと本能で感じたのか『ベイル・タイガー』の群れが、庇ってくれたレアの元に向かって近づいてくる。
そして身体を横にされた『レア』の顔をペロペロと舐め始める。
どうやらベイル・タイガー達の群れは、レアを仲間と認めたようだった。
「やれ美しや。魔族も『妖魔』もまた、全てが『悪』というわけでもないのだ」
横になっているレアやこの前のソフィの姿を思い出した山伏は、考えるように頷いた後に、すっと次の瞬間には、この場に最初から誰も居なかったかの如く姿を消すのだった。
……
……
……
山伏の術で飛ばされた騎士は、何処かもわからぬ場所に飛ばされていた。
その場所は先程の山があった場所とは違い、湖が見える平地だったが、こんなところにきたことが無い騎士は、狼狽えながら怒りを募らせる。
「く、くそ! あの面妖な人間め……! しかしあの場で私を殺さなかった事を後悔させてやるぞ!」
そう言うと騎士の男は、同盟を組んでいる組織の長であるミラに報告するため『概念跳躍』の『魔法』を使おうと試みる。
しかしいくら魔力を回路に込めようとしても、魔力そのものが無くなったかの如く反応しなかった。
「……ん? 何だ? 魔力が尽きる程魔法を使った訳でもない筈だが?」
いくら魔法を使おうとしても何も反応がない騎士の男は、何度か『魔法』を使おうと試していたが、一向に『魔力』が宿ることが無く『魔法』が発動出来なかった。
騎士の男はそこで先程の変な恰好をしていた人間の言葉を思い出すのであった。
――『お主は今後長い長い修行の道へと駆り出される事となる』。
――『後から来る悔をその身で理解して修行への道へと歩むがいい。それもまた徳を積む幸福への一歩なり』。
「ま、まさか私の魔力を何らかの方法で奪い取った? そ、そんな事が出来るのは『魔王軍』に属する『九大魔王』である『女帝』の『エイネ』ぐらいのものだと思っていたが……」
――これは非常にまずい事である。
この事が同盟を組んでいる『組織』の連中や、ヌーと言った化け物達に気づかれてしまえば、下手をすれば『秘密』を知る邪魔者として排除されてしまうかもしれない。
『念話』を使って知らせようにも多少の魔力が必要であり、今の騎士の男には念話すら送る魔力が無かった。
「まずい、非常にまずい……!」
騎士の男は何も考えられずにここが何処なのか。先程までの世界すら違うのかを理解出来ぬままに、何かに駆られるかの如く、不安を消すように走り始めるのだった。
『代替身体』の今、レアは本来の体の十分の一程の戦力値と魔力値しかなく、本来であれば先程の騎士の一撃で死んでいても可笑しくはなかった。
しかし今こうして気絶をしながらも命に別状なくいられているのは理由があった。
それは龍族の始祖である『キーリ』が、レアの為にと魔力を込めて作った龍族の服が、騎士の放った『焔放虚空』のダメージを大きく軽減してくれていた事で、レアの命を守ったのである。
「だがこれで終わりだ。次は確実に仕留める」
騎士はレアに数歩近づき、そしてトドメとばかりに剣の刃を返す。
――しかしそこでこの場で第三者が現れて、声が投げかけられるのだった。
「もう勝負はついたのではないかな? 小生の目に映るお主はお伽話に出て来る『騎士』のように見えるが、騎士とは弱者の保護や寛大な心を持つ者ではないのだろうか?」
剣に炎を纏わせてレアを葬ろうとしていた、甲冑を纏った騎士はその声に振り返る。
「何だお前は?」
「小生はしがない修験僧也」
「……お前は、別世界の魔族。いや、人間か?」
騎士は異様な恰好をしている目の前の杖を持った男を見ながら、ミラの『組織』に属する人間なのかと疑いの目で見る。
「主はあの小僧とは逆目のような者であるな? 『聖』の恰好をしておるがその実。心は『邪』で溢れかえっておる。小生はお主のような輩は好かぬ。即刻にこの山から立ち去れ」
突然割って入ってきたかと思うと、訳の分からない事を告げてくる目の前の怪しい男に、騎士の男は気分を害したのだろう。
レアから乱入者に向き直ったかと思うと、持っている剣を向ける。
「はっ! いきなり出てきて好き勝手宣いやがって! 私には私の役目というモノがあるのだよ。お前、出しゃばるのはいいが、このまま無事に生きて帰れると思うなよ?」
「ふむ。私にまで剣を向けるというのであれば、小生がお主を『善』へと教導を施してやろう」
「やってみるがいい。分を弁えぬ輩めが、後悔させてやる!」
騎士がそう言うと剣の刃を返して山伏に向かっていく。
剣には炎が巻き付き、そのまま鋭利な刃を以て山伏に襲い掛かる。
しかし次の瞬間、山伏が金剛杖を振った後に口で何かを唱えた。
騎士の剣が山伏を捉えたかと思われたその時、唐突に山伏の姿が消えた。
「……何?」
いつの間にか山伏は遠く離れた山の上に居た。
そして再び山伏は人差し指と親指の二本を口元に持っていき、先程と同じように何かを唱える。
すると次の瞬間、騎士の周りに2メートル程の長さを持つ平面な鏡が出現する。
その鏡は騎士の姿を映すと更にその鏡に反射して、別の角度から鏡が騎士を映し出す。
そしてその鏡に映った騎士を更にに別の角度から次々と、鏡が騎士を映し出す毎にその鏡の数を増やしていく。
「お、おのれ面妖な魔法を使いやがって! こんな鏡全て割ってくれるわ!」
騎士はそう言うと己の魔力を高め始めていく。
そして自身の剣に魔力を付随させていき、再び剣の刃を返す。
――神域魔法、『焔放虚空』。
騎士が魔法を使うと剣が紅く光り始めていき、そのまま剣を周囲の鏡に向けて放つ。
剣圧は剣撃となって放たれた先にあった鏡はあっさりと割れるのだった。
「ふん!」
騎士の男は面妖な術を使う山伏に勝ち誇った笑みを向けたが、その山伏の男は溜息を吐いて騎士の男に対して、同情するような憐れみの表情を浮かべるのだった。
「あーあ、割ってしまったね? 負の連鎖が始まるぞ。主は注意の意識をもっと持つべきだった」
「何をごちゃごちゃと言っておるかっ! ええい煩わしい!」
声を荒げながら騎士は次々と周りの鏡を割って割りまくる。
その様子を見て離れた山から、笑いながら観察を続ける山伏だった。
そして周囲に溢れていた沢山の鏡は全て割られて消えた。
「はぁっ、はぁっ! 次はお前の番だ!」
必死に鏡を割り続けたことで疲れ果てたのか、騎士の男は肩で息をしながらそう告げるのだった。
「さて、これだけの輝鏡を割ったお主に、どれ程の力が残されておるかな?」
そう言うと山伏は離れた場所から一気に騎士に近づいてくる。
「馬鹿めがっ! わざわざ自分から近づいて来たか。どうやら本当に死にたいらしいな!」
剣を返しながら近づいてきた山伏に向けて、飛び掛かっていく騎士の男。
しかし山伏が金剛杖を上下に振ると、騎士はそのまま恐ろしい重圧に襲われて、その場に縛り付けられるかの如く動けなくなり、地面に這いつくばる。
「な、何だ!?」
身体を起こそうとしても動けずに居る騎士の男に、山伏は更に近寄って地面に這いつくばる騎士の甲冑を強引に外す。
すると騎士の金の鮮やかな色をした髪と共に顔が露出する。
「ふむ。一体どのような顔をしておるのかと興味をそそられたが、魔族とやらも人間と余り変わらぬようだな?」
山伏はそう言うと立ち上がり、騎士から離れて行く。
「ま、待て! く……っ! 何故動けぬ!! き、貴様っ! 私を敵に回せば、今後は貴様も『組織』から狙われる立場となり、必ず後悔する事になるぞ!」
お灸をすえ終えたとばかりに、もうこれ以上は許してやろうと考えて離れようとしていた山伏は、その言葉を聞いてピタリと足を止めて振り返った。
騎士は自分の言葉に恐れをなしたと思い、地面に這いつくばりながらにやりと笑う。
「そうだ。分かったならさっさと魔法を解くのだ! 今ならまだ許してやらんこともないぞ?」
山伏は再び騎士の前まで歩いていき、そして口を開いた。
「お主は本当につまらぬ男だな? 小生はお主のようなみっともない男が一番嫌いだ。当分の間、魔力を失わせるだけで許そうとそう思っていたが気が変わった。魔族というのは人間より長生きなのだろう? そうであるならば、これより永きに渡り後悔を抱きながら生きていけ」
山伏の恰好をした男は、シャンシャンと鳴らしながら再び金剛杖を振り、口元に人差し指と親指を持っていきながら何かを詠唱する。
――僧全捉術、『修劫』。
山伏の詠唱の後に地面に這いつくばる、騎士の身体が青く光り始めた。
「お主は今後長い長い修行の道へと駆り出される事となる。後から来る『悔』をその身で理解して、修行への道へと歩むがいい。それもまた徳を積む幸福への一歩なり」
シャンシャンシャンと金剛杖を振りながら、山伏は再び詠唱を始める。
――僧全捉術、『移止境界』。
「……精進致せ」
次の瞬間、騎士の姿が跡形もなく消え失せた。
「しかし小生の術を受けて尚喋る余裕があったか。はてさて魔族とやらは、お師の文献にあった通り人間より強いようだな」
立ったまま気を失っているレアを横にして、山伏は安静にさせてやりながらぽつりと呟く。
脅威が去ったと本能で感じたのか『ベイル・タイガー』の群れが、庇ってくれたレアの元に向かって近づいてくる。
そして身体を横にされた『レア』の顔をペロペロと舐め始める。
どうやらベイル・タイガー達の群れは、レアを仲間と認めたようだった。
「やれ美しや。魔族も『妖魔』もまた、全てが『悪』というわけでもないのだ」
横になっているレアやこの前のソフィの姿を思い出した山伏は、考えるように頷いた後に、すっと次の瞬間には、この場に最初から誰も居なかったかの如く姿を消すのだった。
……
……
……
山伏の術で飛ばされた騎士は、何処かもわからぬ場所に飛ばされていた。
その場所は先程の山があった場所とは違い、湖が見える平地だったが、こんなところにきたことが無い騎士は、狼狽えながら怒りを募らせる。
「く、くそ! あの面妖な人間め……! しかしあの場で私を殺さなかった事を後悔させてやるぞ!」
そう言うと騎士の男は、同盟を組んでいる組織の長であるミラに報告するため『概念跳躍』の『魔法』を使おうと試みる。
しかしいくら魔力を回路に込めようとしても、魔力そのものが無くなったかの如く反応しなかった。
「……ん? 何だ? 魔力が尽きる程魔法を使った訳でもない筈だが?」
いくら魔法を使おうとしても何も反応がない騎士の男は、何度か『魔法』を使おうと試していたが、一向に『魔力』が宿ることが無く『魔法』が発動出来なかった。
騎士の男はそこで先程の変な恰好をしていた人間の言葉を思い出すのであった。
――『お主は今後長い長い修行の道へと駆り出される事となる』。
――『後から来る悔をその身で理解して修行への道へと歩むがいい。それもまた徳を積む幸福への一歩なり』。
「ま、まさか私の魔力を何らかの方法で奪い取った? そ、そんな事が出来るのは『魔王軍』に属する『九大魔王』である『女帝』の『エイネ』ぐらいのものだと思っていたが……」
――これは非常にまずい事である。
この事が同盟を組んでいる『組織』の連中や、ヌーと言った化け物達に気づかれてしまえば、下手をすれば『秘密』を知る邪魔者として排除されてしまうかもしれない。
『念話』を使って知らせようにも多少の魔力が必要であり、今の騎士の男には念話すら送る魔力が無かった。
「まずい、非常にまずい……!」
騎士の男は何も考えられずにここが何処なのか。先程までの世界すら違うのかを理解出来ぬままに、何かに駆られるかの如く、不安を消すように走り始めるのだった。
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