最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第404話 大魔王ソフィVS大賢者エルシス
「大魔王ソフィ……。聞いてくれるかい? ボクは常日頃に自分の力の限界を知りたいと思っていたんだよ」
金色のオーラに自分の身を委ねながらエルシスは、ソフィの魔力の圧を跳ね返しつつ口を開いた。
「確かにその『金色のオーラ』を体現するような者であれば『人間界』では自分の『力』の限界を知ることは出来ないだろうな」
ソフィはエルシスを見ながらそう口にするが、まるでそれは自分の事のようだと思い始めるのだった。
「そうなんだよ『ソフィ』。君も戦う相手に困って退屈をしていただろうけど、ボクはきっとそれ以上に退屈をしていた。そしてその退屈はある時不安に変わったんだ」
――神聖魔法、『聖なる護守』。
――神聖魔法、『滾る戦の要』。
――神聖魔法、『妖精の施翼』。
エルシスは木の杖を掲げると同時に『三つの魔法』を自身にかけるのだった。
「ほう……?」
ソフィはエルシスを見て感心する。
エルシスは口では自身の身の上話をしながら『金色のオーラ』を纏い、そして障壁で覆いながら更に、三つの魔法を無詠唱で同時に展開していた。
――それは、すでに人間の領域では有り得ない魔力の使い方である。
何よりエルシスはソフィを前にして少しも動揺すらしてはいない。ソフィにしてみれば、それだけでも嬉しい誤算だった。
「その不安っていうのはね? ボクの強さを測る指標がないせいで、今後ボクがどれだけ強くなっても自分の強さの成長をボク自身が、実感出来ないんじゃないかって思ったんだ」
真顔でそう告げるエルシスは、どうやら本心なのだとソフィは感じた。
「分かるかい? いくら研鑽を積んでもそれを披露する場所も相手も居ないんだ。だからボクは王様の依頼を聞かされた時、内心では嬉しかったんだ!」
どうやらエルシスは戦闘準備が終わったのだろう。纏うオーラが凄まじい圧力を放ち始めた。
ソフィはエルシスに『漏出』を放つ。
【種族:人間 名前:エルシス 年齢:21 状態:金色のオーラ
魔力値:測定不能 戦力値:測定不能 所属:アレルバレル』。
「ふ、ふははっ! ふはははは!!」
現在のソフィは『真なる大魔王』状態の最大戦力値まで上昇している。
そしてその状態から更に練度が最大値の『青のオーラ』を纏っていて尚、エルシスの戦力値が遥か上なのを知り、かつてない程に期待感が膨れ上がっていき、いつしか忘却の彼方に自ら追いやっていたとある感情が蘇ってくるのを感じていた。
――それは大魔王ソフィが心の奥底に閉じ込めた『闘争心』である。
「お主はどこまで我についてこれるだろうか? 願わくばこの我を殺してくれるか?」
――神域魔法、『天雷一閃』。
――超越魔法、『終焉の炎』。
――超越魔法、『終焉の呪』。
ソフィもまた三つの魔法を無詠唱で放ち、自らは真っすぐにエルシスに突っ込んでいく。
一気に近づきながらも口では更なる魔法を遅延詠唱で呟き、自らは全力を込めて『エルシス』の身体を思いきり蹴り飛ばす。
「はやっ……!」
ソフィの蹴りを避けようか悩んだエルシスだが、そのまま両手をクロスにして受ける。しかし蹴り飛ばされながらもただではすまさずに、その反動を利用して自分から距離をとった後に、高速詠唱を開始する。
――神聖魔法、『聖者達の行軍』。
白い装束に白い鎧を纏いそして白い兜に包まれて、長い槍や大きな剣を持った騎士の軍勢が、魔法によって魔法陣から次々に出現を始めるのだった。
蹴り飛ばされたエルシスの身体を目掛けて、数十の数の死霊が襲い掛かってくるが、魔法陣から出現した聖者達は、主を守るようにその死霊達に攻撃を加える。
エルシスの周りを地獄の業火とも呼ぶべき炎が包み始めるが、ニヤリと笑った後に上空へ『高速転移』で躱す。
しかしそれはソフィによって予測された筋道を辿っていたに過ぎず、避けた先を目掛けて一筋の雷光が三度エルシスを襲うのだった。
――神域『時』魔法、『次元防壁』。
しかしソフィの三つの攻撃は同時に全て防がれる。
「ふぅ……。残念だったね? ソフ、ィ……ッ!?」
「何が残念なのかな?」
――神域魔法、『普遍破壊』。
今までの魔法とは比較にもならない程の魔力の高まり、そして夥しい程の魔法陣が何重にもエルシスの周囲に張り巡らされた。
――ここまでの一連の攻撃は全てこの一撃への布石。
魔法が発動された後の刹那の時間。残されたコンマ数秒の猶予を見計らい、エルシスは『高速転移』を使って一気に跳躍する。
「我からは逃れられぬぞ?」
ソフィの目が金色に変わり、ソフィの周りを『二色』の鮮やかな『紅』と『青』が纏われ始める。
――それは他の大魔王達の纏う『淡い色』の『二色の併用』とは異質な色合いであった。
そして最早同時という速度で、この空間から脱出した『エルシス』を再びソフィの目の前に戻す。
魔力コントロールを最大限に活用して『普遍破壊』を放った直後の僅かな時間の間に、二手、三手と互いに攻守を図るが、僅かの差でエルシスの戦力値を上回ったソフィが放つ『逆転移』に掴まってしまい、避ける事の敵わない不可避の『普遍破壊』が直撃するのだった。
……
……
……
金色のオーラに自分の身を委ねながらエルシスは、ソフィの魔力の圧を跳ね返しつつ口を開いた。
「確かにその『金色のオーラ』を体現するような者であれば『人間界』では自分の『力』の限界を知ることは出来ないだろうな」
ソフィはエルシスを見ながらそう口にするが、まるでそれは自分の事のようだと思い始めるのだった。
「そうなんだよ『ソフィ』。君も戦う相手に困って退屈をしていただろうけど、ボクはきっとそれ以上に退屈をしていた。そしてその退屈はある時不安に変わったんだ」
――神聖魔法、『聖なる護守』。
――神聖魔法、『滾る戦の要』。
――神聖魔法、『妖精の施翼』。
エルシスは木の杖を掲げると同時に『三つの魔法』を自身にかけるのだった。
「ほう……?」
ソフィはエルシスを見て感心する。
エルシスは口では自身の身の上話をしながら『金色のオーラ』を纏い、そして障壁で覆いながら更に、三つの魔法を無詠唱で同時に展開していた。
――それは、すでに人間の領域では有り得ない魔力の使い方である。
何よりエルシスはソフィを前にして少しも動揺すらしてはいない。ソフィにしてみれば、それだけでも嬉しい誤算だった。
「その不安っていうのはね? ボクの強さを測る指標がないせいで、今後ボクがどれだけ強くなっても自分の強さの成長をボク自身が、実感出来ないんじゃないかって思ったんだ」
真顔でそう告げるエルシスは、どうやら本心なのだとソフィは感じた。
「分かるかい? いくら研鑽を積んでもそれを披露する場所も相手も居ないんだ。だからボクは王様の依頼を聞かされた時、内心では嬉しかったんだ!」
どうやらエルシスは戦闘準備が終わったのだろう。纏うオーラが凄まじい圧力を放ち始めた。
ソフィはエルシスに『漏出』を放つ。
【種族:人間 名前:エルシス 年齢:21 状態:金色のオーラ
魔力値:測定不能 戦力値:測定不能 所属:アレルバレル』。
「ふ、ふははっ! ふはははは!!」
現在のソフィは『真なる大魔王』状態の最大戦力値まで上昇している。
そしてその状態から更に練度が最大値の『青のオーラ』を纏っていて尚、エルシスの戦力値が遥か上なのを知り、かつてない程に期待感が膨れ上がっていき、いつしか忘却の彼方に自ら追いやっていたとある感情が蘇ってくるのを感じていた。
――それは大魔王ソフィが心の奥底に閉じ込めた『闘争心』である。
「お主はどこまで我についてこれるだろうか? 願わくばこの我を殺してくれるか?」
――神域魔法、『天雷一閃』。
――超越魔法、『終焉の炎』。
――超越魔法、『終焉の呪』。
ソフィもまた三つの魔法を無詠唱で放ち、自らは真っすぐにエルシスに突っ込んでいく。
一気に近づきながらも口では更なる魔法を遅延詠唱で呟き、自らは全力を込めて『エルシス』の身体を思いきり蹴り飛ばす。
「はやっ……!」
ソフィの蹴りを避けようか悩んだエルシスだが、そのまま両手をクロスにして受ける。しかし蹴り飛ばされながらもただではすまさずに、その反動を利用して自分から距離をとった後に、高速詠唱を開始する。
――神聖魔法、『聖者達の行軍』。
白い装束に白い鎧を纏いそして白い兜に包まれて、長い槍や大きな剣を持った騎士の軍勢が、魔法によって魔法陣から次々に出現を始めるのだった。
蹴り飛ばされたエルシスの身体を目掛けて、数十の数の死霊が襲い掛かってくるが、魔法陣から出現した聖者達は、主を守るようにその死霊達に攻撃を加える。
エルシスの周りを地獄の業火とも呼ぶべき炎が包み始めるが、ニヤリと笑った後に上空へ『高速転移』で躱す。
しかしそれはソフィによって予測された筋道を辿っていたに過ぎず、避けた先を目掛けて一筋の雷光が三度エルシスを襲うのだった。
――神域『時』魔法、『次元防壁』。
しかしソフィの三つの攻撃は同時に全て防がれる。
「ふぅ……。残念だったね? ソフ、ィ……ッ!?」
「何が残念なのかな?」
――神域魔法、『普遍破壊』。
今までの魔法とは比較にもならない程の魔力の高まり、そして夥しい程の魔法陣が何重にもエルシスの周囲に張り巡らされた。
――ここまでの一連の攻撃は全てこの一撃への布石。
魔法が発動された後の刹那の時間。残されたコンマ数秒の猶予を見計らい、エルシスは『高速転移』を使って一気に跳躍する。
「我からは逃れられぬぞ?」
ソフィの目が金色に変わり、ソフィの周りを『二色』の鮮やかな『紅』と『青』が纏われ始める。
――それは他の大魔王達の纏う『淡い色』の『二色の併用』とは異質な色合いであった。
そして最早同時という速度で、この空間から脱出した『エルシス』を再びソフィの目の前に戻す。
魔力コントロールを最大限に活用して『普遍破壊』を放った直後の僅かな時間の間に、二手、三手と互いに攻守を図るが、僅かの差でエルシスの戦力値を上回ったソフィが放つ『逆転移』に掴まってしまい、避ける事の敵わない不可避の『普遍破壊』が直撃するのだった。
……
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