最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第357話 たった一人の魔族の闘争
ヴェルマー大陸を飛び立ってから数刻が経ち、海の上を全速力で飛んでいるレアは、大きな力を感じてその場で立ち止まる。
「どうやらこの先で間違いないようねぇ」
ヴェルマー大陸を襲ってきた龍やその龍達を率いていた『ブリューセン』を遥かに凌駕する力を持つ者をレアは感知する。
それはレアがこの世界へ来た時に感じた魔力であり、あの頃のレアではどう足掻いても勝ち目が無いと感じた相手であった。
「相変わらず……、馬鹿げている魔力よねぇ?」
魔人や精霊達を倒した現在のレアから見ても、そう呟くのを止められない程の魔力の持ち主だった。
しかしこの世界に来た時とは違い今のレアには『強い相手ではあるが、確実に負ける』という程には感じられなかった。
「私は強くなったのよぉ……! 見ていなさい龍族の王!」
そう力強く口に出すとレアは、再びオーラに身を包みながら『ターティス』大陸へと向かうのであった。
……
……
……
「前方から大きな力を持った魔族が近づいてくる」
そう口にするのは『十体の守護龍』の一体『アイン』。
始祖龍キーリを守る側近であり一般的な力を持つ龍や、上位龍と呼ばれる古参の龍達を束ねるキーリに選ばれた龍族である。
そのアインに言葉に他の『十体の守護龍』達も頷く。
――『アイン』『ディーザ』『ドラン』『フィルク』。
この四体の龍族達はそれぞれが秘められた力を持っている。それは魔人で言うところの『スクアード』や、魔族で言うところの『淡く光るオーラ』。
龍達が最初から持っている大きな力を更に増幅させる程の『覚醒』の力を宿していた。
『覚醒』の力の開放は最上位龍の証でもあるが、それ故に体現できる数は少なく、数十万と居る龍族の中でも限られた一部の龍達しか内包してはいない。
現在はその『覚醒』の力を持つ者が、始祖龍キーリの側近となる事を許されており、自分たちは選ばれた龍族だと自負していた。
そんな上位の中の上位と呼べる四体の龍達は、近づいてくる魔族を舐めるような真似はしなかった。
彼らと同格の存在であった『ブリューセン』は、すでにレアによって敗れている。その事を知っている『アイン』達は『レア』をただの魔族とは思わず、自分達を脅かす存在だと言う事を理解しているからである。
「結界はすでに機能を果たしているが、あの魔族程の力であればあっさりと越えてくるだろうな」
そう口にするのは『ディーザ』。
長い髭を蓄えた大きな体を持つ龍達の中でも、ひと際大きく目立つ老獪の龍である。
現在は四体の最上位龍達とも人型の姿であるため、姿こそ人間や魔人達と変わらないが、この形態の彼らであっても魔人の『幹部級』とさえ、渡り合える程の力を保持している。
「まさか魔族を相手にキーリ様の側近である我らが、一斉に戦場に出るとは思わなかったな」
この四体の中では一番小柄な『ドラン』がそう言うと、他の側近達も一様に頷いた。
「魔族の中でも突然変異で生まれた個体なのかもしれぬな。魔人の者どもをあっさりと屠るあの力は、単なる魔族のモノだとは思わない方がいいだろう」
そしてこの四体の中で一番魔力が高い『フィルク』が、空に映し出されていた映像の中で、暴れまわっていたレアを思い浮かべながらそう口にするのだった。
「奴は広域魔法を得意とする魔法使いだが、力も魔人並とみて間違いないだろう。厄介な敵だがどう戦う?」
「魔法を使ってくるならば『龍呼』で跳ね返してやればよいし、接近戦闘を挑んでくるようであれば『息吹』で燃やしつくてやればよい」
アインの言葉に長い髭を蓄えた『ディーザ』がそう答える。
「どうやら、来たようだ」
ドランがそう口にすると『レア』の対策に講じていた側近達は、一斉にレアの魔力を感知して龍の姿へと力を開放していくのであった。
……
……
……
「どうやらこの先で間違いないようねぇ」
ヴェルマー大陸を襲ってきた龍やその龍達を率いていた『ブリューセン』を遥かに凌駕する力を持つ者をレアは感知する。
それはレアがこの世界へ来た時に感じた魔力であり、あの頃のレアではどう足掻いても勝ち目が無いと感じた相手であった。
「相変わらず……、馬鹿げている魔力よねぇ?」
魔人や精霊達を倒した現在のレアから見ても、そう呟くのを止められない程の魔力の持ち主だった。
しかしこの世界に来た時とは違い今のレアには『強い相手ではあるが、確実に負ける』という程には感じられなかった。
「私は強くなったのよぉ……! 見ていなさい龍族の王!」
そう力強く口に出すとレアは、再びオーラに身を包みながら『ターティス』大陸へと向かうのであった。
……
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「前方から大きな力を持った魔族が近づいてくる」
そう口にするのは『十体の守護龍』の一体『アイン』。
始祖龍キーリを守る側近であり一般的な力を持つ龍や、上位龍と呼ばれる古参の龍達を束ねるキーリに選ばれた龍族である。
そのアインに言葉に他の『十体の守護龍』達も頷く。
――『アイン』『ディーザ』『ドラン』『フィルク』。
この四体の龍族達はそれぞれが秘められた力を持っている。それは魔人で言うところの『スクアード』や、魔族で言うところの『淡く光るオーラ』。
龍達が最初から持っている大きな力を更に増幅させる程の『覚醒』の力を宿していた。
『覚醒』の力の開放は最上位龍の証でもあるが、それ故に体現できる数は少なく、数十万と居る龍族の中でも限られた一部の龍達しか内包してはいない。
現在はその『覚醒』の力を持つ者が、始祖龍キーリの側近となる事を許されており、自分たちは選ばれた龍族だと自負していた。
そんな上位の中の上位と呼べる四体の龍達は、近づいてくる魔族を舐めるような真似はしなかった。
彼らと同格の存在であった『ブリューセン』は、すでにレアによって敗れている。その事を知っている『アイン』達は『レア』をただの魔族とは思わず、自分達を脅かす存在だと言う事を理解しているからである。
「結界はすでに機能を果たしているが、あの魔族程の力であればあっさりと越えてくるだろうな」
そう口にするのは『ディーザ』。
長い髭を蓄えた大きな体を持つ龍達の中でも、ひと際大きく目立つ老獪の龍である。
現在は四体の最上位龍達とも人型の姿であるため、姿こそ人間や魔人達と変わらないが、この形態の彼らであっても魔人の『幹部級』とさえ、渡り合える程の力を保持している。
「まさか魔族を相手にキーリ様の側近である我らが、一斉に戦場に出るとは思わなかったな」
この四体の中では一番小柄な『ドラン』がそう言うと、他の側近達も一様に頷いた。
「魔族の中でも突然変異で生まれた個体なのかもしれぬな。魔人の者どもをあっさりと屠るあの力は、単なる魔族のモノだとは思わない方がいいだろう」
そしてこの四体の中で一番魔力が高い『フィルク』が、空に映し出されていた映像の中で、暴れまわっていたレアを思い浮かべながらそう口にするのだった。
「奴は広域魔法を得意とする魔法使いだが、力も魔人並とみて間違いないだろう。厄介な敵だがどう戦う?」
「魔法を使ってくるならば『龍呼』で跳ね返してやればよいし、接近戦闘を挑んでくるようであれば『息吹』で燃やしつくてやればよい」
アインの言葉に長い髭を蓄えた『ディーザ』がそう答える。
「どうやら、来たようだ」
ドランがそう口にすると『レア』の対策に講じていた側近達は、一斉にレアの魔力を感知して龍の姿へと力を開放していくのであった。
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